本日の一品
スマホから操作、ハンズフリー通話もできる1万円のカーオーディオ
2017年12月14日 06:00
クルマのオーディオ機器といえば後付けではカーナビ一体型が主流なのかもしれないが、スマートフォンのナビゲーションが進化した今、スマートフォン画面の表現力や操作性を活用して便利に使え、ベストマッチなカーオーディオ機器がある。しかも1万円台だ。
Bluetoothを使ってスマートフォンの音源を再生したり、ハンズフリーになるカーオーディオは数年前から登場し、ヘッドユニットだけで1万円を少し超える程度という低価格もあって便利に活用している人は多いと思う。
そうした機種はパイオニアとケンウッドから新製品が毎年のように投入されており、久しぶりに注目してみたところさらに進化していた。スマートフォンを音源として再生するだけでなく、スマートフォンの画面からカーオーディオの詳細な操作ができるモデルが登場していたのだ。
今回購入した「カロッツェリア DEH-5400」は、1DINサイズボディにCDドライブを搭載。Bluetoohでスマートフォンと接続できるほか、ラジオやCDの再生といった昔ながらのカーオーディオの機能を持ち合わせている。定価で1万5000円(税抜)、単体なら消費税込みの実売価格で1万2000円以下から手に入るという低価格ながら、音質をDSPで多彩に変化させたり、クルマ車内特有のスピーカーからリスニングポイントまで距離がさまざまな空間に向けてタイムアライメント機能を備えたりしている。
複雑な音質調整やタイムアライメントは機能自体はDSPチップの採用によって難しくないものとなっているはずだが、問題は操作パネルやボタン。それをスマートフォンの画面に置き換え、本体は簡易な表示部分と少ないボタンにとどめて低コストで実現していると思われる。まさにスマートフォンとはベストマッチな組み合わせだろう。
実際のクルマへの設置はカーオーディオの設置とほとんど変化はなく、ハンズフリー用のマイクの設置と配線を引き回すことが追加される程度。誰でもできる作業ではないかもしれないが、すでに社外品のオーディオを取り付けているなら、比較的簡単に置き換えが可能だ。
操作は本体だけでラジオやCD、スマートフォン出力の再生のほか、DSPの詳細設定にはアプリ「Pioneer ARC(アドバンスドリモートコントロール)」が必要となる。Pioneer ARCはDEH-5400の2世代前の機種から対応しているが、年々操作範囲が拡大し、今回購入したDEH-5400を含む最新世代では、再生操作、オーディオ設定、イルミ設定、Bluetoothデバイス操作に対応する。
また、スマートフォンの画面を使えば日本語表示にも対応する。現在では本体表示画面に曲名を日本語で表示するカーオーディオはかなり少なくなってしまったが、アプリを使うことでスマートフォンに日本語で表示可能。MP3などの圧縮音源でファイルに曲名データが入っている場合に限られるが、日本語で表示されるのは便利。ただし、純粋なCDを本体に挿入した場合、スマートフォンを通じてCDDBのようなデータベースから曲名データを取得する機能はない。あくまで曲名データを持ったファイルの曲名表示に限られる。
ハンズフリー機能も内蔵しており、着信があれば音楽再生は自動的にストップするのも別体のハンズフリーよりも便利な点。例えばiPhoneでデフォルト設定ならあの着信音がカーオーディオのスピーカーから鳴り響く。クルマのスピーカーを使って再生するのでハンズフリーの受話音質や音量も十分で、ハンズフリー機能目当てでカーオーディオのヘッドユニットをこれに交換してしまうのもおすすめだ。
なお、パイオニアの最新モデルはこのほかにもBluetoothとハンズフリー通話機能がないが、USB接続でスマートフォンから操作できるDEH-4400や、CDドライブをなくしてラジオとスマートフォン音源に特化したMVHシリーズなどがある。
筆者にとってはCDドライブがないMVHシリーズでも全く不自由はなかったのだが、同クラスのMVH-5400よりもDEH-5400にだけマルチカラーLEDイルミネーションが装備され、実売価格も1000円程度の差なのでイルミの色でDEH-5400を選んでいる。また、Bluetoothを搭載しないDEH-4400やMVH-3400にはハンズフリー機能もないので、選ぶ際には注意してほしい。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
---|---|---|
カロッツェリア DEH-5400 | パイオニア | 1万1700円 |