本日の一品

業界人じゃなくても魅力的な「プリント基板の定規」
2017年6月19日 06:00
物事の移り変わりのスピードが加速するインターネット時代には、常に溢れるほどの新製品が登場し、めまぐるしく拡散していく。
しかし、現代を生きている我々も、 300万年前にいたという人類の遠い祖先の猿人「ルーシー」も眼と耳は2つで、口と脳はひとつであることに変わりない。いくらテクノロジーが進んで情報過多の時代になっても、1人の人間が一度に見聞きする情報と記憶する総量はそれ程大きな差はない。
そんな現代に面白いことが起こっている。2~3年ほど前に登場した商品が、どうしたわけか新製品としてふたたびネット上で拡散されることがあるようだ。それも中には2回も3回もブログやSNS上で蘇る“新製品”がある。その1つが「プリント基板」を材料にしたステーショナリー系アイテムだ。
今回、ご紹介する「PCB Ruler」(ピーシービー・ルーラー)はその最右翼のガジェットだ。古くは竹製が一般的だった定規は、昨今はプラスティックからステンレス、アルミニウム、真鍮、ガラス、はてはカーボンファイバー製まで、その素材は多様化の一途を辿っている。オシャレなライフスタイル商品のテイストが加わった新しい定規市場が拡大しているようだ。
「PCB Ruler」は、何年か前にも、いや10年近く前にも、ブレークというほどではないが、少し地味に流行した「プリント基板定規」だ。一般的なプリント基板は静電気が禁物。プリント基板定規も、もちろん“帯電防止袋”に入って販売されている。
定規の両面には異なるパターンがプリントされている。一体どちらが表面なのかは筆者には分からないが、一面には商品名である「PCB Ruler」と販売会社のURLがQRコードで記述されていて、その裏側には、一般的なダイオードやトランジスターなどが載っかりそうなプリント基板が目一杯印刷されている。
特別に何かの回路を具現化したわけではないが、ICT系イベントで参加者のノベルティとするにはなかなかお似合いのアイテムだ。筆者の購入したものは、ネットを使って手広く世界中からプリント基板のプロトタイピングを受注している企業のプロモーションアイテムのようだった。
プリント基板定規の実測サイズは全長182.5mm、幅30mmで、実測できる定規の目盛はミリとインチで180mm(7インチ)が最長だ。センチメートルとインチの併記型なので、スマホの液晶画面のサイズを測ったりするのにとても便利だ。ただし残念ながら、目盛は片面にしか刻まれていない。
このプリント基板定規、実際にはサーキットのみで半導体などがまだ載っていない状態なので、PCB(Printed Circuit Board)ではなく「Printed Wired Board(PWB)」ではないかと思うのだが、楽しい商品に細かなツッコミは無用だろう。
筆者は、少しオールディーズな腕時計や電卓、メモなどと組み合わせて毎日持ち歩いて自慢している。みんなに自慢したら、しばらくお蔵入りして、3年後くらいにまた取り出して自慢してみるつもりだ。最近では、超薄いプリント基板を使って、個人の名刺なども誂えられるビジネスがあるようなので、いずれは挑戦してみたいものだ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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PCB Ruler(プリント基板定規) | Elecrow | 780円 |