スタパ齋藤のApple野郎

AppleマップはOpenStreetMapから修正できるのか?

Appleマップを正してゆく!!! Googleマップも正してゆくッ!!!

 緊急事態宣言下の外出自粛中の俺の場合、毎日自室に引きこもって仕事をしているのであった。って、緊急事態云々以前に、ずっと前からそういう生活なんスけどネ。

 そして毎日の楽しみと言えば地図閲覧である。ある意味、地味。ではあるが、俺本人としては非常に愉快なのだ。

 たとえばGoogleマップのローカルガイド。Googleマップ上のショップやランドマークなどのスポットにクチコミ情報や写真などを追加するという一種のボランティア的な活動で、Googleマップ上になかった情報を新たに加えて世界のGoogleマップユーザーに貢献できる。

Googleマップでスポットを選択すると、ユーザー(ローカルガイド)が投稿したクチコミや写真を見ることができる
クチコミや写真はGoogleアカウントがあれば誰でも投稿できる。Google マップに投稿すると、ポイントが得られ、ポイント数に応じてレベルが上がり、レベルに応じた特典を受け取ったりGoogleの新しいベータ版機能を使えたりする

 俺の場合は数年前からローカルガイドを始めたが、ここ1〜2年は新たなスポットに出かけることも減り、Googleマップへの投稿も激減。その一方で、マップ上でスポットを調べたりユーザー投稿を閲覧したりすることは増えたりしている。「そのうちココに行こう」とか「こんな場所があるのか〜」とか、そんなコトを考えつつマップを閲覧して遊んでいる。

 そしてここ数ヶ月でよくやっているのが、マップ上のスポット位置の修正。多用するマップは AppleマップとGoogleマップとYahoo!地図だが、どのマップにも間違いがある。よく知るエリアを閲覧していると、ショップや施設などの位置の間違いを見つけがち。

 アーッ!!! ココにはそのショップはナイし!!! アーッ!!! この店は8年前に閉店したし!!! アーッ!!! 住宅に人名が付いてるし!!! とかイロイロと間違いを発見しまくり。

 この世の中で許せないものをひとつ挙げるならマップ上の間違い情報だと声を大にして言う俺の場合、上記のようなスポット位置の間違いは鋭意修正!!! AppleマップやGoogleマップの場合、スポット位置の修正は比較的に手軽なので即修正!!! でもYahoo!地図のスポット位置修正は面倒(いちいち専用ページからフォームで送信するスタイル)なので放置!!!

マップのスポット位置修正は簡単だョ!!! 間違いスポットは改善改善改善!!!

 AppleマップやGoogleマップのスポット位置情報の修正は簡単。マップ上で正しいスポット位置を指定すればいい。ただし、修正が受け入れられるかどうかは定かでない。たぶん各社の規定があって位置を修正するかどうか判断されるのだと思うが、俺が指摘したスポットの多くは(ある程度の日にちはかかったが)位置の修正が行われた。

 ともあれ、どんな感じでスポット位置の修正を提言できるのか? 某所にある某だんご店を例として、スクリーンショットと説明文で見ていこう。なお、マップ表示はプライバシーに配慮してモザイクを盛大にかけている。

左はiOS版Appleマップ(標準マップアプリ)で某だんご店を表示した様子。アーッ!!! 場所がチガーウ!!! いっこ北、いっこ北の建物ーッ!!! スポットをタップして詳細情報を表示させて「問題を報告」をタップ(中央)。すると、正しいスポット位置をマップ上で指定できるようになる(右)
こちらはmacOS版のAppleマップ(標準マップアプリ)で某だんご店を表示した様子。iOS版と同様に、スポットの詳細情報から「問題を報告」をタップする
スポットを正しい位置にして「送信」をタップすれば終了

 簡単なのであった。そして何日か後、無事に正しいスポット位置となったのを確認すると、ヒッジョーにスッキリ!!! ヤッベェ〜俺マップの位置修正好きかも〜♪ みたいな。Googleマップでも同様に行えるので、その手順を見てみよう。

ChromeブラウザでGoogleマップにアクセスし、某だんご店を表示させた様子。アーッ!!! 場所がチガーウ!!! いっこ東、いっこ東の建物ーッ!!! というわけで修正。スポットをタップし詳細情報を表示させ「情報の修正を提案」をタップする
正しいスポット位置に合わせて「完了」をタップすれば終了。Googleマップで修正などを提案すると、その後に提案がどうなったかなどのメールが来たりして、ユーザーのモチベーションを高めたりする。このあたりはGoogleの巧さ。Appleマップで修正しても、Appleからの反応は特にナシだったりする

 やや余談だが、上の某だんご店の位置情報、AppleマップもGoogleマップもどちらも間違ってんスよ!!! でもこういうコトはありがち。ぜひ鋭意修正してゆきたいッ!!!

 ともあれ、修正はAppleマップもGoogleマップもどちらもカンタ〜ン!!! ちなみに、Yahoo!地図の「掲載情報の間違い指摘・修正依頼」はコチラのページから。具体的には、以下のようなフォームから行う。

「iOS版Yahoo! MAPへのご意見」のページ。必要事項をフォームに入力して送信するスタイルだ。地図上のスポット位置の間違いを知らせる場合、テキストで具体的な内容を書いて送信する必要があるもよう

 ただし、Yahoo!地図の地図情報はMapbox・OpenStreetMap・Yahoo Japanのデータで構成されており、誰でも地図情報を書き込めるOpenStreetMapを使えば、Yahoo!地図の間違ったスポット位置情報を修正できる、かも、しれない。てゅーか試してみたら、できたり、できなかったり。

 なお、どのマップでも同様だと思うが、悪意のある修正や提言をして悪質なユーザーとみなされると、アカウントを剥奪されたりする可能性があるのでご注意を。つーかそういう情報の悪意ある改竄は極めて反社会的なので絶対やらないでゆこう!!! 場合によっては逮捕されちゃうゾ!!!

AppleマップはOpenStreetMapから修正できるのか?

 そもそも何故、ここ数ヶ月で「マップ上のスポット位置の修正をよくやるようになった」のかと言えば、OpenStreetMapプロジェクトに参加し始めたから。OpenStreetMap(以下、OSM)は世界規模のオープンソース・マップ(データベース)で、誰でも無償で自由に利用できる地図。

OSMをWebブラウザで表示した様子。世界中の「かな〜り正確な地図」を無償で利用できる
アカウントを取得すれば自由に地図を編集することもできる
こちらは「まち歩きマップメーカー」というウェブサービスを使っている様子。OSMの必要な部分のみを抽出・色分けなどして画像として書き出せる。書き出した地図画像に描画アプリやスライド作成アプリなどを使ってルートやポイントを書き込むなどすれば、無償で使えるオリジナル地図の出来上がり♪
「まち歩きマップメーカー」で出力した地図画像の右下にはOSMのクレジットが自動記入されるので、プリントアウトするだけですぐ使える

 OSMプロジェクトに参加し始めた理由は、2021年になって改めてOSMを閲覧して、その正確さと詳細さに感動したからだ。一昔前のOSMの俺的イメージは、「トレッキングなどに便利そうだが常用の汎用地図としてはかなり貧弱」という感じ。しかし現在は地図情報が非常に充実しており、場所によってではあるが情報の密度と正確さにおいてAppleマップやGoogleマップを圧倒的に凌駕するほど。

 その理由は、2010年にMicrosoftが同社の地図サービスBing Maps航空写真データをOSMのトレース素材として使用を認めたことや、2011年に国土地理院が公開中地図データをやはりOSMトレース素材として使うことを認めたこと、2011年にYahoo! Japanが大量の道路情報をOSMコミュニティに提供したことなどがあるそうだ。その後も大企業がOSMコミュニティに地図関連データを提供しているそう。世界が育んでいるOSMなんですな。

 それはさておき、Appleマップの主なベース地図となっているのはOSMとインクリメントP製マップのようだ。また、ほかにも色々なデータが使われているもよう。

 ……AppleマップがOSMのデータを使っているということは、もしかしてOSMに入力した建物やポイントなどのデータは、すぐAppleマップ上に現れたりする? そういうコトができちゃう場合、前述の「Appleマップのスポット位置情報の修正」をいちいちAppleマップで行わなくても、OSM上で修正すれば済む?

 そんなコトができた場合!!! OSM上でガシガシとデータを入力すれば、その労力がAppleマップの正確さと情報量すなわち“ツカエル度向上”となって得られて超ハッピー!!! みたいな?

 で、早速試してみた。ここ1〜2週間ほど、Appleマップ上にない建物やスポットを多数、OSM上で入力してみたのだ。

 結果、んむむ〜OSMで入力した地図データは、Appleマップ上に(すぐには?)反映されないもよう。まあ、考えてみたら、そんなにスグ&安易と反映される理由はなさそうですな。

 ただ、1ヶ月以上前にOSMへと入力したデータが、なーんかAppleマップ上に現れているような……いないような? 以下、どういう感じか、スポット名を実際のものとは変更して、お伝えしてみたい。

「え〜っ、この林の中にある唐突な広場こと“森広場”にトイレがあるって情報、俺が前にOSMに入力したやつじゃない〜?」

「あれぇ〜この高架下のトンネル付き歩道、俺が試行錯誤でOSMに入力したのとクリソツ……カーブの非スムーズさもそっくりだし」

「このな〜んにもないエリアにポツンと農産物生産者の屋号があるっていうか、この生産者屋号って俺が何となくOSMに入れたやつでは?」

 といった発見が、Appleマップ上にポツリポツリとあるのだった。しかし、単なる勘違いかもしれない。でも最近は「Appleマップ上にないスポットばかりOSMに入力」ということを連日連夜繰り返しているので、「OSMに入力したデータはAppleマップ上にどの程度再現されるのか」が徐々にわかってくるかもしれない。

 というわけで、もうちょっとOSM入力とAppleマップ観察を続けてゆきたい!!! さぁこの原稿を入稿したらOpenStreetMapにデータを入力してゆくゼっ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。