楽しカワイイ「Optio I-10」

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


 ペンタックスから発売されたOptio I-10に興味を持ちまくり、結局買った拙者。Optio I-10をしばらく使ってみたので、今回はこのカメラについてレポってみたい。

楽しカワイイOptio I-10

 ペンタックスから発売されたOptio I-10に興味を持ちまくり、結局買った拙者。Optio I-10をしばらく使ってみたので、今回はこのカメラについてレポってみたい。

ペンタックスのOptio I-10。一眼レフ風味溢れるデザインのコンパクトデジカメだ。2010年4月現在の実勢価格は2万3000円前後

 Optio I-10の詳細についてはメーカーの製品紹介ページをご覧いただきたいが、外見が独特である以外は、今時的ペンタックス製の高機能コンパクトデジカメって感じ。

 レンズは28~140mm(35mm判換算)の光学5倍ズームで、有効画素数は1,210万。約23万画素の2.7型液晶モニターを搭載し、撮影補助機能としてCCDシフト式手ブレ補正機構(SR;Shake Reduction)を利用できる。

 ほか、最大32人までの顔認識に対応していたり、被写体が笑顔になったら自動的にシャッターを切ることもできたり、さまざまなデジタルフィルターが使えたりと、機能面でも「気楽に楽しめるコンデジ」に仕上がっている。後述するが、犬や猫の顔認識も、予想以上にかな~り愉快。

 あと、お約束的に外見についても。Optio I-10のデザインの元となった(と思われる)アサヒペンタックスauto110と同様、実に個性的ですな。この外観だけで「カワイイから欲しい」と言った女性を数人知っているが、確かにニャわいい!!

フィルム式カメラのauto110とOptio I-10。どちらもやや丸みを帯びた憎めないデザインのカメラだOptio I-10のサイズは幅10cm×高さ6.5cm×厚み2.8cm程度で、質量は電池やメモリカードを含めて約153g。写真で見るよりずっと小さく軽いOptio I-10であるこちらはホワイト。手に乗せるとその小ささがよくわかる

 拙者はブラックを買ったが、メーカーから一瞬お借りしたホワイトも良かった。このサイズのホワイトボディはアリだと思った。とにかく写真と実機ではずいぶん印象が異なるデジカメなので、ぜひ一度実機に触れてみて欲しい。

作り手の入れ込みがチラホラと……

 Optio I-10のサイズは前述のように幅10cm×高さ6.5cm×厚み2.8cmくらい。使用時の質量は約153g。ホントに小さくて軽いんですよ。軽薄短小的な。ともあれ、軽いわ小さいわ薄いわで、携帯性は非常に良い。

軽くて小さいポケッタブルなOptio I-10。持ち歩きは超ラクですなその薄さも、Optio I-10のコンパクトな印象を際立たせているのかも!?BlackBerry Boldと並べてみた。双方、似たような携帯感である

 また、こういう携帯性および実勢価格のカメラでありながら、よーく見ると細部の作りも案外良かったりする。たとえばPENTAXロゴはちゃんと彫ってあったり、ボディ前部にシボ加工(!?)がなされていたり。まあ、三脚取り付け穴がプラスチックだったり、ボディ全体も若干プラスチッキーな雰囲気だったりと、コストを抑えている部分もあるが、デザインのカワイらしさ+部分的な作り込みによる高級感の演出が相まって、安っぽさは感じられない。

PENTAXのロゴは彫ってあり、そこに白い塗料を流し込んであるようだボディ前面やグリップ部にはシボ加工が。それぞれのシボは模様や大きさが違っていたりして凝っているただし三脚穴はこんなふうな樹脂製。ボディ全体のプラスチッキーな質感も否めない

 あと、小型軽量だがさりげなく使いやすい構造っつーか形状になっていて驚く。

 たとえば、これは説明書とかに書いてないんで拙者の見解が間違ってるかもしんないんですけど、本体上部のシャッターボタンとは反対側に、どーも左手人差し指の置き場と思われる突起がある。この部分を使って両手で持って撮影すると、かなりガシッとホールドできる。ホールド性について言えば、シャッターボタン近くの少しだけ隆起したグリップも、撮影時/操作時に安定感をもたらしており実用的だと感じる。

 それからペンタプリズム部。プリズム非内蔵のデジカメなので、本体上部の出っ張りは構造上必要なく、意匠からくる形状と思われる。auto110っぽさの演出ですな。

 しかし単なる出っ張りではなく、内部にフラッシュなどを内蔵。ちょうどレンズ光軸の真上にフラッシュが乗るカタチになるので、フラッシュ撮影時に違和感のある影が出にくかったりしてナイス。ちなみにこのペンタプリズム部の背面にはスピーカーが内蔵されている。これについても音が聞きやすくて快適である。

液晶側から見て左上に、左手人差し指を置ける謎の出っ張りがある。これがあるおかげで、両手持ったときに思いのほかビシッとホールドできるシャッターボタン近くにある小さなグリップ部。僅かな出っ張りだが、カメラ保持~操作時の安定感を明らかに高めているように感じるペンタプリズム(っぽい出っ張り)部にフラッシュを内蔵。レンズ光軸の真上から光が出るので、ヘンな影が出にくくて良い

 てな感じで、物理的に携帯しやすくauto110とクリソツでカワイクもあるOptio I-10なんだが、単に「小さくて軽くてauto110みたいにカワイイ」というだけで終わってないのがグレイト。同社の同価格帯/同レンジのコンパクト機と比べたりすると、Optio I-10だけヤケにチカラ入ってませんか!? てな印象になったりするが、作り手が入れ込むのはとても良いことだと思う。

登録した猫(もしくは犬)を自動認識

 Optio I-10が登場したとき、「わーauto110のデジタル版だ~!!」と喜ぶと同時に、「あ、レンズ交換式じゃないんだ」とテンション下がったものの結局購入に至った理由は、このデジカメが「犬や猫などのペットの顔を登録できるペット検出機能を新搭載」したからである。この機能に後押しされてポチッとな、みたいな。

 とか言いつつ、イキナリOptio I-10におけるペット関連の残念感を書けば、このカメラのペット検出機能は「あらかじめ猫などの顔を登録しておく必要がある」という点。つまり、Optio I-10を持って出かけた道ばたで遭遇した猫ちゃんの顔をオモムロに自動認識させて撮影!! てなことはデキナイと言えよう。

Optio I-10のペット検出機能を使うには、あらかじめ顔認識したいペットの顔をカメラに登録する必要がある。犬や猫の正面向きの顔をカメラに記憶させるんですな登録後、このようにOptio I-10がペットの顔を自動認識~自動撮影するようになる。案外高い確率で認識しますヨ!!

 なんでこんな話を書いているのかというと、イキナリ猫とか犬の顔を認識~自動撮影できたりするデジカメもあるからだ。具体的には、たとえば富士フイルムのFinePix Z700EXRとか。こちらは事前に顔の登録などせずとも、犬のみもしくは猫のみの正面顔を自動認識してくれる。

 ともあれ、拙宅猫の正面顔をOptio I-10に登録し、シーンモードの[ペット]で撮影してみた。なお、登録できるペットの数は3匹までで、自動認識~自動撮影されるのは登録したペットのうち1匹のみとなる。

拙宅猫うか様を登録し、自動認識/撮影した例。登録/選択した猫が認識されると、Optio I-10が自動的に写真を撮るんですな。基本的に顔の登録は真正面なので、撮られる写真も真正面のペット顔。ペットのカメラ目線的な写真が多々得られる
認識するペットを拙宅猫とろ様に変更して自動認識/撮影した例。こちらもカメラ目線方面の猫写真となった。ペットの顔は傾いていたり逆さだったりしても認識してくれるようだ。

 てな感じの写真が撮れる。前述のように、Optio I-10のペット検出機能は、あらかじめペットの正面顔を登録する必要があり、また、自動認識/撮影できるのは登録したペットのうち1匹のみ、という手順や制限があるものの、結果はすニャらしく良好。拙宅猫のケースでは、おもしろいように自動認識しまくり、猫写真を次々と自動撮影してくれた。

 上の写真のとおり、ペット検出機能を使って撮った写真のほとんどが「カメラにペットが顔を向けた状態」となる。カメラ目線とまでは行かないが、ペットがそっぽを向いた写真はほとんどない(たまに撮影の瞬間どっか向いちゃったってのが撮れるが)。

 またOptio I-10の場合、ペットの正面顔を認識したら自動撮影し、その後もまた認識したら自動撮影し……とメモリと電源が許す限りずーっとペット顔を撮り続けてくれる。ので、顔がコチラ向きのペット写真を自動的に量産できる。数打ちゃ当たる的に、労せずして良い表情/瞬間の顔コチラ向きペット写真が得られるというわけだ。

あら便利!! ペットとのツーショット写真を自分撮り!!

 あとですね、Optio I-10使ってて発見したんですけど、コレ、ペットと飼い主が両方ともカメラに顔を向けたツーショット写真を撮るのに最適ですな。

 ペットとともにハイチーズ的にカメラのほーを向いているツーショット写真は、ふつう、誰かに撮ってもらう必要がある。猫なら、抱いたりして、その状態を誰かに撮影してもらうとか。でも、ペットは飼い主のほーを向きがちだったりもして、なかなか「ペットも飼い主もレンズに顔を向けている写真」ってのは撮れないのが現実だ。

 が、Optio I-10なら楽勝でペットとのツーショット写真を撮れる。しかも自分撮り的に、ツーショット写真内に入る人間による撮影が可能(つまり誰かに撮ってもらう必要もない)。

拙者が自分撮り的に撮影した拙宅猫うか様とのツーショット写真。ペットが正面顔をカメラに向けると自動認識/撮影し、さらにレンズの広角側が28mm相当であるOptio I-10ならでは成果だと言えようひとりでこういったツーショット写真をビシバシ撮れるので、愛猫家や愛犬家としてはタマラネエと言えようときにはこのようにペット顔がどアップになることも。こーゆー写真もまた楽しいが……拙者が背後霊みたい!?

 ペットとのツーショット写真を撮る場合、ノーファインダー撮影つまり液晶ディスプレイを見ないで勘で撮るコトになるので、若干の慣れは必要だ。が、Optio I-10の場合はペット顔認識のたびにどんどん自動撮影してくれるので、わりと短時間でナイスショットが得られると思う。

 また、ペットのノーファインダー撮影全般が楽しかったりする。たとえばOptio I-10のレンズをペットに向けることのみに専念し、ずーっとペットを追いかけつつ自動撮影しまくり的な。そんなふうに拙宅猫をストーキングして撮れた写真を以下に並べてみる。

床上約190cm付近で佇んでいるうか様をノーファインダー激写!!カーテンと窓の間の通路的空間を歩いてきたうか様をノーファインダーでシュート!!手すりの上を綱渡りするうか様を下のほーからノーファインダーで!!
とろ様の隠れ家的スペースをノーファインダーで自動撮影してみた!!Optio I-10を床に置いて自動猫顔認識&自動撮影!!さらに自動撮影……と思ったら、とろ様が急激にレンズに接近して、てな失敗も

 というわけですな。率直に、Optio I-10、ペット撮影しててかなり楽しいっす。この感触は今まで無かったなぁ、と思った。

 気合い入れてマジメに撮れば、たとえばナイスな猫ちゃん写真とかを得られるだろう。それを突き詰めれば、ナイスでグレイトでアルティメットでエクスクルーシブな魅力を持つ猫写真も……撮れるかもしれない。これはこれで価値があるし楽しい道のりでもあるだろう。

 一方、Optio I-10による猫自動認識/撮影の結果得られた猫写真は、撮影者があんまり意図していないもので、なんつーか、Optio I-10が自動的に残した写真……つーか記録画像である。んだが、猫の一瞬を写したものであることは確かで、また、撮影者の意図とあまい関係なく撮れちゃったからこそ新鮮だったり奇抜だったりして刺激的。目新しい写真となり、楽しいのだ。

 ともかく、Optio I-10のペット検出機能は、拙者にとって非常に新しく楽しい体験になっている。超おもしろくマジ愉快。この使用感だけでOptio I-10はすんげくコストパフォーマンス高いニャと思ったりする。飼い猫や飼い犬の写真を多々撮る人はぜひ一度、Optio I-10に触れてみて欲しい。

2010/4/19 06:00