スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

サンワサプライの書画カメラ「400-SCN069」がグレイト! iPadとの接続も試してみた!!!

 机上に置いたモノを手軽に撮影できる書画カメラ。パソコンにUSB接続して使う、デジタルカメラ的なスキャナーですな。机上に置いた紙書類をスキャン(撮影)してメールで送ったり、ちょっとしたメモ書きをデジタル画像化したりするのに便利だ。まあ撮影枚数が少ないならスマートフォンとかでもイイんですけどネ。

 とか言いつつ良さそうな書画カメラを見つけると「うっ!」と萌えて買ってしまう俺。書画カメラっつーハードウェアが好きなのだと思う。

 さておき、また「うっ!」と書画カメラを買ってしまった。モノはサンワサプライの「400-SCN069」。1万9800円だった。

サンワサプライ「400-SCN069」はWebカメラとしても使える書画カメラ。A3サイズまでのスキャン(撮影)に対応する。パソコンとの接続はUSBで、電力はUSB給電される。Windows/macOS対応のアプリが用意されている。
不使用時や携帯時はコンパクトにたためる。大きさは幅5.1×奥行き19.7×厚さ2cm。重さは約405g。台座やアームはアルミと思われる金属製。

 フラットな感じに折りたためて便利そう! Windows/macOS対応のアプリ(無料)が使える! ナニゲに1300万画素(最大解像度4160×3120ピクセル)というのもソソる! Webカメラとしてビデオ会議とかにも使える! こここコレは買うしかッ!!!

 そして購入して使ってみたら、コレがな〜かなかイイのであった。てなわけで今回はこの書画カメラをレビューしてゆきたいッ!!!

ソレってどんな書画カメラ?

 サンワサプライ「400-SCN069」の大きな特徴は、非常にコンパクトに折りたためるところ。前述のとおりサイズは幅5.1×奥行き19.7×厚さ2cmで、ハンディサイズというイメージ。重さは約405gなので携帯性も良好だ。

 そんなサイズ感なのに、A3までのドキュメントをスキャン(撮影)できる。また、後述するが、UVC(USB Video Class)規格対応のカメラなので、いろいろなホストに容易に接続できる。たとえばiPadにつないで使うこともできる。

サイズは幅5.1×奥行き19.7×厚さ2cmで、重さは約405g。少々ズシリと感じられるが、ハンディサイズで携帯性も良好。
折りたたんだ状態だと書画カメラとは思えない形状。スッキリした見栄えなので机上に出しっぱなしにしても違和感がない。
これを展開していく。
展開した様子。スキャンする原稿に応じてカメラ部の高さを自由に調節できる。ヒンジ部にはプラスネジがあり、必要に応じて締めるとアームの安定性を増すことができる。ケーブルは挿抜でき、カメラ側のポートはUSB-C。
カメラ部を立てればWebカメラとして利用できる。
カメラはAF(オートフォーカス)対応。丸く白いものはLED照明。マイクも内蔵している。
カメラ部は180度回転する。
カメラ部の反対側には2つのタッチ式ボタンがあり、AFでピントを合わせたり、LEDライトの点灯・調光を行える。AFボタンに長くタッチすると、パソコンなどホストへと送られる映像を180度回転できる。
A3ドキュメントをスキャンする場合、カメラを最も高い位置にセットする。※画像はサンワダイレクト商品ページより。
詳細なサイズと付属品一式。このほか、ケーブルをアームに固定するケーブルクリップが2つ付属する。※画像はサンワダイレクト商品ページより。

 といった感じで、非常にシンプルな機構の書画カメラだが、カメラ位置の自由度やWebカメラとして使うときの利便など、十分高い実用性がある。使いたいときだけサッと出してパッと使えて、引き出しやペン立てにしまえちゃうのが非常にイイ。

 使っていて気になるのは、カメラ部のAFタッチボタンの操作。タッチすればAFにより被写体にピントがシッカリ合い、その使い勝手は問題ない。だが、タッチするときにアームが若干揺れるので、AFが完全に正確でないことがたま〜にある。

 なので、AFボタンにタッチするときは「そーっとタッチ」するなど注意が必要だ。でもまあ、揺れるといってもほんのわずか。気をつけてAFボタンを操作すれば大きな問題にはならないだろう。

スキャン画質はどうなのか?

 パソコンとつないでスキャンする場合、専用アプリ「VIISAN」を使う。ほかのアプリからでも使えるが、VIISANを使うとこの書画カメラの最高解像度4160×3120ピクセルでのスキャンが可能だ。

 VIISANアプリはWindows版とmacOS版があるが、両者では機能が異なる。大雑把に言うとWindows版アプリのほうが高機能。macOS版アプリには、Windows版アプリにある一部機能がない。詳細はサンワダイレクトの商品ページにあるアプリ操作説明PDFで確認してほしい。

macOS版「VIISAN」アプリの表示例。書画カメラでスキャンしたいものを捉え、AFでピントを合わせ、必要に応じてLEDライトを点灯させて被写体を照らす。アプリの表示を見ながらカメラの高さや被写体の向きを調節するというイメージ。なお、被写体(原稿)の自動トリミング機能を使う場合は付属の黒い専用マットを原稿の下に敷くのが正しいが、俺の場合は「書画カメラで手軽に画像メモが撮れればいいや」的な使い方なので、マットは使っていない。マットサイズが49×38cmと大きくて邪魔だからだ。
これでよしとなったら(スクリーンショットでは「よし」になっていないが)、右上のスキャンボタンをクリック。するとスキャンされた画像があらかじめ指定したフォルダに自動保存される。保存するファイル形式は、用途や使用機能によって使い分ける。
この書画カメラで使える解像度の一覧。

 個人的に思うに、最高解像度4160×3120ピクセルであるのは同系統製品としてのけっこーなアドバンテージじゃないかな、と。また、この書画カメラ、AFがかなり正確。前述のアーム揺れの問題はあるものの、それさえ気をつけていればシャープにピントが合う。高解像度でありかつピントの正確さがあるので、多くのケースでクリアなスキャン結果が得られる。

 ただし、ほかの書画カメラやWebカメラと同様に、内蔵LEDライトを巧く使ったり、十分な光量の外部光源は必要。暗い環境だったり、被写体に適切に光を当てていない場合、画質が低下したり、光が反射して部分的に読めなくなったりする。

 ともあれ以下に、どんな画質でスキャンできるのかを。なお以下の撮影例にては、被写体は十分な光量で適切に照らしている、と思う。黒いマットも使ってみた。画像はスキャンしただけ(一部ボカシを追加)で、加工していない。

宅急便の伝票をスキャン。等倍まで拡大すると、読めない文字列がないというレベル。筆跡の細かなニュアンスも見える。
A4パンフレットの見開き(つまりA3サイズ)。これもなかなかクリア。中央上部に原稿にはない赤いラインが入ったが、これはアプリがOCR処理を行うと現れるもののよう……に思われるが、原因不明の像だ。
名刺。アプリのOCR機能も試してみたが、認識率はあまり高くない。ただJPEG画像としてクリアなので、macOSなどの文字認識機能を使うと、右上ロゴの「ケータイ」を除いては100%正しく認識された。
商品名をメモしてもらった名刺大のカード。こういうメモはどんどんスキャンして整理してゆきたいッ!!!
約185×65mmのクーポン券。
B6サイズ(128×182mm)の卓上カレンダー。
スウェットの袖と手首。立体物もけっこうキレイ。

 てな感じでけっこー高画質。たまっていくメモやレシートなどをどんどんデジタル化するのに便利であり、後述のようにパソコンレスでも運用できたりしてさらに便利なのだ。

UVC書画カメラとiPadで「どこでもスキャナ」?

 以前よりも書画カメラやWebカメラが好きになった俺。というのはiPadOS 17(2023年9月19日提供開始)からiPadでUVCデバイスが使えるようになったから。

 UVC(USB Video Class)デバイスはWebカメラや書画カメラなどで、パソコンなどホスト側にデバイスドライバーを入れる必要がない製品。つなぐだけで使える。現在ではほとんどのWebカメラや書画カメラがUVC対応となっている。

 なので、この書画カメラはiPadにつないで使用可能。iPad側でどんなアプリを使うか、という低めのハードルはあるが、現在ではiPadにつないだWebカメラなどの画像を容易にキャプチャーできるアプリが多くリリースされている。

 ちなみにこのiPadOS 17でUVC云々の件、多くのユーザーは「HDMIなどの画像キャプチャーデバイスを経由してゲーム機やパソコンをiPadにつなげば、iPadがゲーム機用ディスプレイやパソコンのサブディスプレイになる!」という観点で注目した。iPadの新しい使い方ですな。

 俺の場合は「そーゆーのはフツーにモバイルディスプレイでやるからいいですぅ〜」とスルーした。のだが「iPadに書画カメラとかつないだらおもしろいかも!」と思ってつないでみたら、おもしろいどころか「こここコレは便利!」となった。「書画カメラとiPadを持ち歩けば、パソコンレスで、どこでもちょっとしたスキャン作業ができる!」というわけだ。

 ただ、これまで使っていた書画カメラは、携帯するにはちょっと大きく重い。じゃあWebカメラで……と思ったが、Webカメラを書画カメラとして使おうとすると三脚とかが必要になる。実用的ではあるものの、携帯性が……となっていた。

 そこに、この書画カメラ、サンワサプライ「400-SCN069」が登場! キたっ!!! というわけで「iPadにつなぎたくて」という理由にもかなり後押しされて速攻で買ったのであった。

iPad miniと書画カメラ。携帯性が良好などこでもスキャン・セットなのだ。
USB接続するじゃないですかぁ〜♪
アプリを起動すると写るじゃないですかぁ〜♪ ちなみにアプリは「CamX」を使っている。CamXはiPadをサブディスプレイ化するためのアプリと思われるが、ほかの同系統アプリと同様、UVCデバイスからの映像を録画したり静止画撮影したりする機能があり、撮影された映像は写真アプリに直接入るので便利。

 あーら便利。書画カメラとiPadをUSB接続し、適宜アプリを使うだけで、モバイル書画カメラ状態♪ 書画カメラの電源はiPadのUSB-Cポートから供給され、書画カメラのLEDライトやAF機能は書画カメラのボタン操作で使える。

 操作や閲覧はiPad側のアプリで行うので、用途や使うアプリによっては、パソコンアプリを使うより簡便かもしれない。「出張先で紙書類が少々発生して、でもスキャナーを使うほどじゃないから、スマートフォンで撮ってオフィスに送信してた」的な人は、この書画カメラなどUVCカメラとiPadを組み合わせたりするとイイかもしれない。

 また、iPadOSやmacOSの機能性と組み合わせると、このモバイル書画カメラは非常に役立つ。たとえばiPadOS/iOS/macOSの「テキスト認識表示」と組み合わせて使うと、スキャンした書類などから高速・正確に日本語OCRを行える。

モバイルバッテリーをスキャンしてゆきたいッ!!! なぜに?
モバイルバッテリーにプリントされている仕様を示す文字列! 超小さくて老眼鏡かけても読めナーイ! なので書画カメラでスキャン。
スキャンした画像を写真アプリで表示した。
写真アプリでは画像上のテキストが自動認識される。
読みたい部分を範囲選択してコピーする。
メモアプリなどにペーストすれば、あの小さくて読めない仕様のプリントがテキスト化され保存された! 認識率もなかなか高い。
同じAppleアカウントでログインしている各端末でメモアプリの内容が自動共有されるので、iPadでスキャン→自動文字認識→メモアプリなどにコピペ→iPhoneで読む、といったこともできる。iPhoneに共有されたスキャン画像をiPhone上で扱うということも可能。同様のことをmacOSでも行える。

 みたいな使い方ができるのだ。ほかにもアイデア次第でイロイロと。ともあれ、UVCデバイスがiPadで使えるようになったことで、書画カメラなどがiPadの活用幅を広げてくれた。

 いいぞiPad! 便利だぞ書画カメラ! ナイス!!! グレイト!!! ってコトで、以前にも増して書画カメラの類が好きになった俺である。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。