スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
小技が効いて実用的なスマートフォン対応防災クロック
2021年7月26日 00:00
平時にも非常時にもシームレスに役立つリズム防災クロック
2021年7月1日に発表されたリズムの防災クロック「CITIZEN 4RQ001-003」(以下、リズム防災クロック)。非常時にも役立つ卓上クロックで、手回し発電で使えたりなんかするんですな。これを一見して「ふ〜ん、よくあるような……」とか思っちゃった俺。
なのだが、よく見ると、「ん? この防災クロックいいのでは?」と思わせる要素がいくつかあった。例えばそのコンセプトがなかなか現実的で、「平時は目覚まし時計として使い、非常時は防災用に使える」といったイメージ。
俺の場合、防災グッズとして手回し発電ラジオとかを持っている。が、インターネット経由でラジオを聴ける時代であり、さらにスマートフォンのFMラジオ機能とかを重視する俺だったりもするので、アーッ!!! 「非常時にはコレが役立つハズ」として手近に置いておいたハズの手回し発電ラジオがナーイ!!!
購入当初は手近に置いていた手回し発電ラジオで、最初は手回し発電してラジオを聞いたりしていた。が、そのうち飽き、邪魔になり、どっかにしまい……ガジェットの墓場に迷い込んでしまったのか?
やっぱりこーゆー防災グッズは、意識して手近に置かないといけませんな。必要時にすぐ手に取って使えないと意味がない。
リズム防災クロックは、平時は卓上時計や目覚まし時計として使える。つまり、いつも目や手が届くところにある。ので、非常時はすぐ手に取って持ち出せるのだ。いや、スゴい災害時でもリズム防災クロックなら鷲掴みにして即座に脱出できるゼってわけでもなく、「用意しておいた防災グッズが必要時に見つからナーイ!!!」という残念な事態になることはない、という観点で実用的と言えよう。
だよね〜。そうだよね〜。手近でいつも使っているモノが非常時でも役立つってイイよね〜♪ と思いつつリズム防災クロックをさらによく見たら……。
アーッ!!! コレいいじゃ〜ん!!! という部分を追加発見。てなわけで以降、リズム防災クロックについてレビューしてゆきたいッ!!!
スマートフォンへの充電は、内蔵バッテリーからでも乾電池からでもOK♪
リズム防災クロックの概要とかを書く前に、俺的に「アーッ!!! コレいいじゃ〜ん!!!」と感じたポイントを書いてしまう。それは「スマートフォンに対しての充電を、内蔵バッテリーからでも乾電池からでも行える」という点だ。
ちなみに、内蔵バッテリーや単3形電池は、スマートフォン充電のためだけではなく、リズム防災クロック各機能を使うためにも使用する。内蔵バッテリーと単3形乾電池のどちらを電源として使用するかは、本体上部のスライドスイッチで切り替える。
なお、内蔵バッテリー(充電池)や乾電池、手回し発電による各機能使用可能時間の目安は以下のとおり。一度でスマートフォンを満充電できたりはしない、ホントに緊急用の電源という印象。でも単3形電池を追加確保できれば、緊急時にかなり役立ちそうだ。
やや余談だが、試してみたところ、乾電池を1本も入れない状態で「電源切替」スライドスイッチで「乾電池」を選ぶと、当然、リズム防災クロック各機能は使えない(時計も止まっちゃうョ)。しかし乾電池を2本入れると、リズム防災クロック各機能が使えてしまった(スマートフォン充電もできたョ!!!)。
ナニこの隠し仕様〜っ!!! もしかしてマジな災害時にリズム防災クロックを使ったユーザーが「リズムのこの時計すげぇ電池2本でも使える〜さっすが日本製!」とか感動してリズム大ファンになる作戦とか? と勘ぐったが、何にせよメーカー保証外の使い方になると思うので、電池は4本入れるのが無難だと思われる……でも2本だけでも動くって凄く(以下略)。
ラジオやライトも使える目覚まし時計
リズム防災クロックは、前述の通りスマートフォンに対しての充電手段を2つ持つ目覚まし時計で、それ以外にもラジオやライトといった防災系機能も備えている。サイズは縦152×横179×厚さ68mmで、重さは612g(単3形アルカリ電池×4本込み/実測値)。色は白のみ。メーカー価格は1万1000円で、実勢価格は7700円といったところ。
各機能を使ってみた印象は、まず手回し発電は意外とやりやすかった。ハンドルを回した感じは手回し発電器然とした重さと音だが、本体上部の固定式の取っ手をがっちり掴めるので、安定的に手回し発電できるという印象。
ラジオやLEDライトについては、あくまでも必要最小限の装備といった感じ。ライトは真っ暗闇なら十分役立つ明るさだが、これで読書をするとか細かな作業をするというには暗い。ラジオは、まあこのテの製品の内蔵機能のひとつとして考えると「フツー」って感じではあるのだが、特に面白みはなく、使いやすいわけでもなく、感度も音質も平凡だ。
リズム防災クロックはこう使う、そしてココが惜しいっ!
いつもはフツーの目覚まし時計として使えて、災害時にはそのまま持ち出すなどしてラジオで情報収集したり、ライトで暗がりを照らしたり、あるいはスマートフォンなどを充電することができる。毎日の常用品がそのまま防災グッズとして役立つのは実用的でいいと思う。
使い方としては、まあ人それぞれだとは思うが、基本的には乾電池を入れたまま内蔵バッテリーを主電源として使うことになりそうだ。乾電池は万が一の時の電源として温存&いつでも使えるように入れっぱなしにして、内蔵バッテリーを都度充電しつつ(つまりあまりバッテリー残量を減らさないようにして)使う。そうすれば、万が一の時の補助的電源としてまずまず安心して使えそうだ。
もちろん、充電をサボったり、入れた乾電池の定期点検や交換は必要になると思う。でも、いつも手近に出しっぱなしにして使う目覚まし時計だし、バッテリーのメンテナンスを気にしさえすれば、「内蔵バッテリーも乾電池も両方空っぽ!」なんてことにはなりにくそうに思う。まあそうなっても手回し発電があるし。
実用的な製品だと思うが、使ってみていくつか残念な点があった。ひとつは内蔵バッテリーの残量がわからない点。残量が減ると前面のLEDランプ(電池切れ予告ランプ)で知らせるようだが、それはそれとして、3段階くらいの電池残量表示も欲しかったところ。充電のタイミングを知って万が一に備えてバッテリー残量を減らしすぎないようにするために欲しいし、手回し充電で「あとどの程度で満充電にできるか」も知りたいところ。
それから、ラジオのチューニングがしにくいこと。チューニングダイヤルを回して選局するが、この操作性がけっこう繊細。「よしチューニングできた」と指を離したらチューニングがズレることがあったりする。また、感度ももう少々高かったらいいなぁ、と。
まあでも上記の2点は、改善されれば嬉しいけれど、そのままでも「こういうもの」と割り切って使える仕様ではある。が、「これは直してくれないとな〜」と思える残念点がひとつ残る。
それは、時計盤面の照明機能がないこと。例えば多くの目覚まし時計は、スヌーズボタンを押したら小さなランプが文字盤を照らして「真っ暗でも現在時刻を確認」できたりする。また、時針や分針に蛍光や蓄光の塗料が塗られていて、暗闇でも時刻がわかったりする。しかしこのリズム防災クロックの場合、そのどちらもないので、真っ暗だと何時だかわからないのであった。
なので、完全に真っ暗にして寝る人にとっては、リズム防災クロックは「平時でも常用できる目覚まし時計」にはなりにくいかナ〜、と。でもまあ、薄明かりがあれば真夜中でも現在時刻を確認できる。文字盤真っ白だし、数字や針は真っ黒だしで、暗くても文字盤を確認しやすいコントラストにはなっている。
でもぉ〜やっぱりぃ〜、せっかくCITIZENブランドのロゴが入ってるんだしぃ〜、実勢価格で7700円とかする目覚まし時計なんだしぃ〜、夜でもしっかり文字盤を確認できて欲しいのであった。ちょい残念。
ともあれ、ほかの要素はナイスな機能性とバランスがあると思う。毎日使う目覚まし時計がそのまま防災グッズにもなるという点に魅力を感じるなら、ぜひチェックしてみてほしい!!!