スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPad Pro用の6ポートUSBハブでスッキリ!

ハイパーの「HyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hub」が便利

 毎日欠かさず愛用中の11インチiPad Pro(レビュー記事)。その後サードパーティー製のキーボード内蔵ケース(レビュー記事)を追加し、さらに使用頻度が高まっています。

2018年11月7日に発売された2018年モデルの11インチiPad Proを愛用中。Wi-Fi+Cellularモデルで容量は256GBです。その後、キーボード内蔵ケースを追加し、現在は右写真の状態で使っています。

 キーボードを装着してノートPCっぽくなった11インチiPad Proですが、部分的にパソコンの代替として使えています。メールが来たら即返答。チャチャッと調べ物。翌日訪れる場所をマップで確認。フォトレタッチも。ちょっとした作業が捗る11インチiPad Proです。

 そんな11インチiPad Proで多用するのがUSB-Cポート。11インチiPad Proへの充電に使うのはもちろんですが、このUSB-Cポートは外部機器との連携において凄く便利です。iPad ProのUSB-Cポートで何ができるのかはアップル公式ページに詳しく説明されていますが、筆者がどういうコトに使っているのかをちょっと見てみましょう。

iPad ProのUSB-Cポートを使うと、他のデバイスに対して充電を行えます。つまりiPad Proはタブレット端末でありかつモバイルバッテリーでもあるわけです。ナニゲに非常に便利。この機能を使うには、iPad Pro端がUSB-Cで、もう片端がデバイスに応じた端子形状になっているケーブルが必要です。
アップルの「USB-C - USBアダプタ」を使うと、コネクタ部がUSB Type-A形状の機器やケーブルを接続可能。iOSの制限から、あまり多くのことはできませんが、デジカメ画像をiPad Proに読み込んだりできます。RAWファイルも読み込み&現像可能です。
適切なアダプター類やケーブル類を使えば、USBキーボードやPS/2キーボードをつないで使うこともできます。なかなか愉快。さらには有線LAN接続してインターネットを使えたりも。高速♪

 いろいろ使えるiPad ProのUSB-Cポート。でも、いろいろ活用しようと思うと、いちいちUSB-C接続できるケーブル類やアダプター類が必要になります。また、カードリーダーなんかも必要。それに、iPad ProのUSB-Cポートは1つだけ。複数機器を同時にはつなげません。

 ということで、iPad ProのUSB-Cポートをスッキリと活用すべく、多機能なUSB-Cハブを購入。モノはHYPER(ハイパー)の「HyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hub」(公式ページ)です。

HYPERの「HyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hub」。iPad ProのUSB-Cポートを6ポートに拡張できるハブで、実装するポートは4K HDMI、USB-C、microSD、SDカードスロット、USB-A、3.5mmオーディオジャックです。カラーバリエーションは2色。直販税込み価格は9396円。

 コレ、使ってみたら、かなり便利。全ポートを使うわけではありませんが、携帯すべきケーブルの本数を減らせたり、カードリーダーが不要になったりして、よりスマートにiPad ProのUSB-Cポートを活用できるようになりました。ということで、以降、HyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hubをレビューしてみたいと思います。

どんなUSB-Cハブなの?

 まずはHyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hubの概要から。少々前述しましたが、iPad ProのUSB-Cポートを6ポートに拡張できるハブです。このハブに搭載されているポートは6つで、4K HDMI、USB-C、SDカードスロット、microSDカードスロット、USB-A、3.5mmオーディオジャック。サイズは幅93×奥行き30.5×厚さ9mmで、質量は34gです。

搭載するポートは6つ。4K HDMI(4K30HzのHDMIビデオ出力)、USB-C(iPad Proへの充電と外部デバイスへの最大60W給電・データ通信)、SDカードスロット、microSDカードスロット、USB-A(USB3.1 Gen1/最大5Gbpsでのデータ転送・外部デバイスへの給電)、3.5mmオーディオジャック(音声入出力)。6in1のUSB-Cハブですが、非常にコンパクトです。

 ポートが豊富であれこれ便利な雰囲気ですが、いや実際便利ですが、筆者的に予想外に便利だったのがUSBポート。USB-CとUSB-Aの2つがあり、どちらも外部デバイスと通信可能ですし外部デバイスへの給電も可能。iPad Proをモバイルバッテリーとして使った場合、外部デバイスを2個同時に充電できちゃうのがとても実用的です。

 それから、特徴的なのは、iPad Proに装着したときのスッキリ感。iPad ProのUSB-Cポートにダイレクトにハブを装着でき、ミョーな隙間ができたりもしません。

11インチiPad Proに装着した様子。独自のジョイント機構によりiPad Proを挟むように装着できるので、安定感があります。見た目もスッキリですね。ただ、ケーブルやメモリカードを抜く場合、ハブを押さえないとハブごとiPad Proから抜けてしまうこともあります。

 それから、このハブ、iPad Pro向けの製品ではありますが、PCに接続してもハブとして機能します。PCへの接続はUSB-C延長ケーブルを使ってもいいですし、付属のUSB-C延長アダプターへ付け替えてもOKです。

パッケージに含まれているものは、ハブ本体、延長アダプター、iPad Proガラスフィルム装着時用ジョイント、ドライバー、ネジ×4本。ハブ本体のジョイントを延長アダプターと付け替えれば、PC用ハブなどとして汎用できます。ジョイント部はネジ止めされているので、付属のドライバーで付け替えることになります。

 こんな仕様のHyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hub。iPad ProのUSB-Cポートを幅広く活用できる汎用性の高いハブで、iPad ProのUSB-Cポート部にピッタリとハマる感じが好印象です。

デジカメ画像を高速で読み込み、充電しながら使えてイイ

 11インチiPad Proを使い、筆者がよくやるのがデジカメ画像の読み込みとレタッチです。ロケ先などで写真を撮り、その画像をiPad Proで精査。さらにはレタッチ。そんな使い方ですが、最近ではAdobe製アプリを始めとしてRAW現像対応アプリも増えました。また、iPad Proは処理能力が高いことから、iPad ProでのRAW現像は十分実用レベルだと感じられます。

11インチiPad Proを使い、Adobe Lightroomアプリで写真を現像している様子。こちらはRAW画像を現像しているところですが、左のような残念な見栄えの写真が、右のような良好な見栄えに。最近のアプリは半自動で現像しつつ、わかりやすいパラメーターで微調整でき、この写真の現像は10秒くらいでできてしまいます。処理も高速。リアルタイムで写真が変化していきます。iPad Proの場合、Apple Pencilでパラメーターを繊細に調節できて使いやすい。
こちらはJPEG画像を現像(というか調整)している様子。RAW画像ほどは色彩や明暗の階調が豊かではないので、あまり強く調整すると画質的に破綻しやすいわけですが、それでも思ったイメージにグッと近づけられて実用的です。

 こういうコトがタブレット端末でデキちゃうんですね~。いい時代。iPad ProをPCのように使うというスタンスがあると思いますが、写真のレタッチなどが最も身近な「iPad ProのPC的利用」かもしれません。

 さておき、iPad ProとHyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hubを組み合わせて使うようになってから、RAW現像作業がより快適になりました。iPad Proにハブを装着し、デジカメから抜いたSDカードを挿せば、iOSの写真アプリが立ち上がって画像読み込みスタンバイに。読み込みたい画像を選択して読み込み実行。読み込み速度も快適で、1枚25MB程度のRAW画像なら1秒くらいで読み込めます。その後すぐにRAW現像対応アプリを起動してRAW現像を始められます。

ハブを使ってメモリカードを読み込むだけ。アダプターケーブル+メモリカードリーダー、もしくはアダプターケーブル+デジカメ接続ケーブル、あるいはケーブルでデジカメ接続などと比べると、ひと手間少ないという感覚です。携帯するケーブルを減らせるのもイイ。もちろん、Wi-Fi経由での画像転送とは比較にならないほど高速です。

 SDカードの画像を読み込む時の手軽さという部分では、アップル純正「USB-C - SDカードリーダ」を使っても同じ。ですが、このハブの場合、ハブのUSB-Cポートを使ってiPad Proを充電しながらSDカードの読み込みなども行えるのがイイですね。

 さらに、ハブのUSB-Aポートを使ってデバイスへ給電することもできます。iPad Proを充電しつつ、iPad ProへSDカードの画像を読み込みつつ、USB-Aポートを使ってiPhoneやAndroid端末を充電するということもできます。

 なお、iPad ProとiPhoneをUSB接続していると、iPhone上の画像をiPad Proへと読み込むことができます。iOSデバイスはiCloud経由で写真を手軽に共有できますが、モバイル回線使用時にはそれを行わない設定とするユーザーが多いと思います(データ通信容量節約のため)。出先でiPad ProとiPhoneを同時に充電しつつ、iPhoneからiPad Proへの高速画像転送が行えるという点でも、このハブは実用性が高いと感じられます。

 といった感じのHyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hub。筆者の場合は充電しつつのSDカード画像読み込みとか、充電しつつのiPhoneとのUSB接続とか、従来は携帯必須だったケーブルが減らせるとか、PCでも使える汎用ハブになるとか、そういったところに価値を感じています。逆に、HDMI端子を使っての映像出力はほとんど行いませんし、イヤホンジャックもほとんど使っていません(ワイヤレスイヤホンをよく使うため)。

 そういうスタンスで使っているので、このハブはちょっと汎用性が高すぎるかな、と。ポート数はここまで必要ないから、ちょっと価格が安くならないかな、とか思ったりします。

 でもまあ、iPad Proにこのハブをつなぐだけで、これまであった「ちょっと面倒」が多々解消されました。直販税込み価格は9396円はちょっと高いかな~と思いつつも、でもiPad ProのUSB-Cポートの使い勝手がガーンと向上しましたので、かなり満足しております。iPad Proユーザーで良さそうなハブを探しているというなら、一度HyperDrive iPad Pro 6-in-1 USB-C Hubをチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。