スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

「Call Recorder」でiPhone通話を手軽に録音!

「Call Recorder」でiPhone通話を手軽に録音!

 2017年7月22日に発売された「Call Recorder」(公式ページ)。筆者的に「あっ出た!」と軽いショックを受けたので、速攻で予約購入しました。iPhoneでの通話を録音するためのデバイス。税込価格は1万4800円です。

PhotoFastの「Call Recorder」。Lightningコネクター搭載のiOS端末に対応する通話録音機能付きアダプターで、通話録音機能のほかにカードリーダー機能なども搭載しています。通話録音のためにはマイク付きイヤホン(3.5mmイヤホンジャック)が必要。サイズは約横54×縦39×厚さ11mmで、質量は約11g。※画像は国内販売元リンクスインターナショナルのウェブサイトより抜粋。

 時々、iPhoneで通話を録音する方法を調べたりするんですが、いっつも「イマイチ良い方法がない」という残念な結論が出がちです。iPhoneって、なんかイメージ的には、通話中に録音ボタン的なものか録音アプリを使えば、難なく通話録音ができちゃうってイメージありません? でも米国国内の法律の関係か何かで、iOS自体に通話録音機能がナイんです。

 それを補うアプリやハードウェアは少々あったりします。ただ、アプリの場合は三者通話ができる通信事業者を使っていないと通話録音ができないとか、特定のIP電話で通話しないと録音できないとか、な~んかハードルがあったり遠回りな方法だったり。

 また、iPhoneとマイク付きイヤホンの中間にかませる録音機みたいなものとか、特殊なBluetoothヘッドセットなど、通話録音可能なハードウェアもあります。ですが、ちょっと原始的なアプローチだったりして、録音した音声とスマートフォンとのシームレス感がイマイチ足りなかったり。

 そんな感じで、スッキリしないiPhoneの「通話録音事情」。そんななか登場したのが「Call Recorder」です。「通話録音するためにはマイク付きイヤホンを使う必要がある」という条件はありますが、「Call Recorder」なら専用アプリで通話を録音でき、さらに録音した音声ファイルの編集や共有もできます。とてもスマートデバイス的!

 この「Call Recorder」を使った印象から言ってしまえば、「スマートフォンでの通話録音はこうあって欲しい」という機能性が多々あります。若干のクセはありますが、非常に実用的。iPhoneでの通話を手軽に録音し、残した音声を幅広く活用できます。てなわけで以降、「Call Recorder」の機能や使用感について書いてみたいと思います。

マイク付きイヤホンで通話し、専用アプリで録音

 この「Call Recorder」にはイロイロな機能がありますが、まずは通話録音機能から。前述のとおり、「Call Recorder」本体をLightningコネクター搭載のiOS端末に接続し、さらに「Call Recorder」本体にマイク付きイヤホンを接続し、専用アプリ「Call Recorder+」を起動すれば、通話録音の準備完了です。

専用アプリ「Call Recorder+」の表示例。左画像のように、「Call Recorder」本体に対応マイク付きイヤホンを接続するまでは録音機能は使えません。対応マイク付きイヤホンを接続すると中央の表示に。iPhoneの電話アプリでの通話のほか、各種メッセンジャーでの通話も録音できます。右は録音中の様子。
通話終了後に録音を保存すると、アプリ内に音声ファイルが残ります。外付けドライブ(本体に挿したmicroSDカード)にファイルをコピー/移動することもできます。録音ファイル形式は、AAC(.m4a)、ALAC(.m4a)、リニアPCM(.wav)から選択可能。もちろんその場で録音を再生できます。再生すると、マイク付きイヤホンの左側から自分の声が、右側から相手の声が聞こえます。

 なお、録音ですが、アプリがバックグラウンドで動いていれば、着信は「Call Recorder」本体の録音ボタンを操作するだけで通話録音ができるようです。発信はアプリから行えば必ず録音する手順を踏めますので、アプリからの発信が無難という感じ。ちょっと使うべきパターンにクセがありますが、数度使えば慣れられる程度です。

つなぐマイク付きイヤホンは「アップル純正」じゃないとダメ!?

 使用時、ひとつ注意したいのが、「Call Recorder」は「つなぐマイク付きイヤホンを選ぶ」ということです。筆者の場合、7種類ほどの手持ちマイク付きイヤホンを試しましたが、「全体を通して問題なく使えた」と感じられるのは、アップル純正のマイク付きイヤホンだけでした。

接続可能なマイク付きイヤホンはφ3.5mm/4極のものですが、筆者の手持ち品を使って「実用的」と感じられたのはアップル純正品のみ。具体的には「EarPods with 3.5 mm Headphone Plug」(公式ページ)と「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」(公式ページ)の2品です。

 どういうコトかと申しますと、まず「Call Recorder」本体にマイク付きイヤホンを接続したとき、接続を認識してくれるかどうか。認識されないマイク付きイヤホンもあるようで、その場合はアプリが録音可能状態になりません。手持ちのマイク付きイヤホンを試したところ7機種中2機種が認識されませんでした。要するに使用不能で録音不能です。

 認識されるものの、そのまま使うにはちょっと問題があるというマイク付きイヤホンも。片耳タイプのマイク付きイヤホンがそうなりました。通話も録音もできますが、そのままそのマイク付きイヤホンで録音音声を聞くと片方の会話者の声しか聞こえないとか、片方の会話者の声が極端に小さいなどの不都合が。録音だけならできるようですが、後ほど録音結果を再生したときに支障があります。

 なお、上の写真のアップル純正マイク付きイヤホンならそういった問題はナシでした。あるいは市場には、ほかにも「Call Recorder」と相性の良いマイク付きイヤホンがあるかもしれません。

十分高音質、音声ファイルの活用幅も広い

 さて、録音した音声の音質ですが、音質を抑えたAAC(.m4a)での録音でも、会話内容を聞くには十分高音質です。非常にクリアに聞こえます。また、つないだイヤホンの左側から自分の声が、右側から相手の声が聞こえますので、会話を理解しやすいと感じられます。

 もちろん、ファイル共有も可能。各種クラウドに音声ファイルをアップロードしてもいいですし、標準アプリ「メモ」に音声ファイルを貼り付ければ、同ユーザーのほかのiOS端末やMacで音声を聞くことができます。

 さらに、録音した音声ファイルのテキスト化にも対応しています。認識率はソコソコという感じですが、通話した本人たちがテキスト化された会話を読み直せば「ああ、あのことか」と理解できるレベルだと感じられます。

録音したファイルは、共有機能を使ってクラウドにコピーしたりほかのアプリに渡したりできます。また音声をテキストに変換することも可能です。中央はテキスト化したもの。2台のiPhoneを並べて片方ずつ話していますので、第三者が読むと意味がわからなくなる変換結果が多いかもしれません。
音声ファイルとテキストをiPhoneの「メモ」に貼り付け、それをMacの「メモ」で見た様子。会話した当人が、音声ファイルを再生しつつテキストを読めば、会話内容を十分に思い出せるでしょう。

 ある程度キレイな音で通話を音声ファイル化して残せるだけでOKな筆者ですが、テキスト化までしてくれるとなると大感謝。iPhoneを使った通話で仕事の打合せをし、後から会話内容を確認するに十分な機能性とクオリティだと感じられます。

microSDカードリーダー・ライターとしても

 それから、「Call Recorder」はmicroSDカードリーダーとしても機能します。対応カードは256GBのmicroSDXCカード。カードリーダーとして使う場合は「ONE」アプリのインストールが必要です。「ONE」アプリは「Call Recorder+」アプリから呼び出すことも可能。

「Call Recorder」はmicroSD/SDHC/SDXCカードリーダーとしても機能します。その場合は「ONE」アプリを使用。カードスロットは本体背面。256GBまでのmicroSDXCカードを使えます。
「ONE」アプリを使っている様子、メモリーカードのなかを閲覧できます。対応ファイル形式はコチラのページ下部にあります。
静止画、音声、動画など様々なファイルをアプリ上で開くことができます。
静止画を開いた様子。
それぞれPDF、.XLS形式のファイルを開いた様子。ファイルは共有やコピーなどもできます。

 ただ、筆者の環境だけの現象かもしれませんが、「ONE」アプリ使用時はいったん「Call Recorder」本体を抜き差しする必要があるようです。そうしないとmicroSDカードを認識してくれませんでした。また、場合によっては「Call Recorder」を挿し直すと「Call Recorder+」アプリが立ち上がったりします。カードリーダーとして使うと、な~んか少々煩雑な使用感になるという感じです。。

 あと、「Call Recorder」にイヤホンを挿せば、音楽なんかも聴けます。LightningコネクターしかないiOS端末に3.5mmプラグのイヤホンを挿すためのアダプターとしても機能するわけです。……でもまあ、カードリーダーとかイヤホン接続とかは、まあオマケ的な機能かも。

 やはりこの「Call Recorder」の魅力は、これまでなかなかスムーズにデキなかった「iPhone通話の録音」を、かな~りスマートに行えるようにした点。マイク付きイヤホン必須でその機種も少し選ぶというのがやや残念ですが、それでもiPhoneの実用性&活用幅をググッと広げてくれたアイテムです。人によっては「待ってました!」的な製品だと思いますので、興味のある方はぜひジックリとチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。