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完成度高っ! ソニーBluetoothスピーカー「SRS-XB20」

完成度高っ! ソニーBluetoothスピーカー「SRS-XB20」

 そろそろ夏だし防水系のBluetoothスピーカーが欲しいナ~、と。いやじつは既に何台か生活防水のBluetoothスピーカーを買ったんですけど、運悪く全部ハズレ。操作性がヒドいとか、音質変化あり過ぎで聴くに堪えないとか……。品数が増えたBluetoothスピーカーですけど、その分、選ぶのが難しくなったのかもしれません。

 さておき、そんな状況のなか、最近買ったのがソニーの「SRS-XB20」(公式ページ)というBluetoothスピーカーです。ややジックリと選んで買いましたが(後述)、コレが大当たり! 実勢価格で1万円チョイで買えるBluetoothスピーカーなんですけど、音質も機能性も使用感もバッチリ。ハズレBluetoothスピーカーを連続で買ってショボい気分だったことの反動もあって、ある種の感動すら覚える「良い買い物」となりました。

ソニーのワイヤレスポータブルスピーカー「SRS-XB20」。生活防水のステレオBluetoothスピーカーで、片手で余裕で持てるほどコンパクトです。対応コーデックはSBC/AAC/LDAC。USB充電式(microUSB)で、電池持続時間(Bluetooth接続時)は約12時間。ネット通販での実勢価格は1万361円のところが多いようです。

 Bluetoothスピーカーを買うにあたって、条件としてはまずAACコーデック対応であること。iPhoneなどiOS端末を再生機器として使っていますので、SBCコーデックより音質が良く遅延も少ないAACコーデック対応の製品を使いたいというわけです。また、前述のとおり、季節柄どうせなら生活防水のものがいいナ、と。

 それから、なるべく小型軽量で、microUSBで充電できるもの。携帯可能なスピーカーでも専用ACアダプターで充電というコトになると、充電が足枷になっちゃいますしネ。あとは、ソコソコ軽めで、それなりに電池が保って、できれば外部入力端子があったりして(つまりBluetooth非対応音源もつながったりして)、といったあたりが主な要望です。

 そんな条件で絞っていったら、この「SRS-XB20」が浮上。microUSB充電ってところで既にポータブル系のBluetoothスピーカーになっちゃうんですが、そういった製品群のなかで比較的に充実した機能を備えている機種で、1万円少々という値段も魅力的。でもな~、最近ハズレ引き率が高いからな~、とか、一瞬、躊躇。

 しかしこの「SRS-XB20」、製品写真を見ていると「あれ?」と気付いたことが。なんだっけコレ? あーそうだ、こないだ品川シーサイドのイオンで見たヤツ。「小さいのに音良く出るな~、駐車料金3時間分を無料化できるから今すぐコレ衝動買いしちゃおうかな~、でもダメダメ最近ハズレ引きがちだから」とか思って買わなかったスピーカーなんでした。そんな余談はさておき、何となくこの「SRS-XB20」に「ご縁」を感じたので、それ以上はあまり深く考えずに購入しました。

 って、そういうふうに「ご縁」とか「深く考えずに」ってやってるからハズレ引いちゃうんですけどネ。ともあれ、結果オーライ。久々の高満足度Bluetoothスピーカーとなりました。てなわけで以降、「SRS-XB20」の機能や使用感などについて書いてみたい思います。なお、組み合わせて使っている再生機器はiOS端末(iPhoneおよびiPad)です。

小型でタフ! 独自機能も愉快!?

 まずは「SRS-XB20」の概要から、コンパクトなBluetoothスピーカー(ステレオ)で、サイズは約幅198×高さ68×奥行69mm、質量は約590g、実用最大出力は25W(12.5W+12.5W)。USB充電式(端子はmicroUSB)で、満充電からの電池持続時間(Bluetooth接続時)は約12時間。外部入力端子(オーディオ入力端子)としてステレオミニジャックがあります。ほか、ハンズフリー通話にも対応し、「SRS-XB20」からSiriを使うこともできます。

Bluetooth(Ver.4.2)対応のポータブル・ステレオスピーカーで、12時間くらい使えます。口径42mmのフルレンジスピーカー×2とデュアルパッシブラジエーターを搭載。意外なほど豊かで大きな音が出ます。対応BluetoothプロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HSPで、音楽鑑賞以外に通話もできます。対応コーデックはSBC/AAC/LDAC。
操作部は本体上面に集まっています。端子類は本体背面にあり、防水カバーで覆われています。防水性能はJIS防水保護等級IPX5相当(あらゆる方向からの噴流水に対して本体機能を保護)。
サイズは約幅198×高さ68×奥行69mm、質量は約590g。iPhone 7 Plusと並べてみましたが、容積的には携帯するのもフツーにアリという感じです。

 てな感じの小型スピーカーですが、Bluetooth接続で、AAC対応で、生活防水で、そこそこ小型で12時間使えるあたりで、もうワタクシ的にはオッケー。外見もキレイでイイ感じです。オレンジレッドを買いましたが、ほかにブラック、グリーン、グレイッシュホワイト、ブルーのカラーバリエーションがあります。

 この「SRS-XB20」には便利だったり楽しかったりする独自機能がいくつか盛り込まれています。たとえば「SRS-XB20」を2台無線接続して連携させる「Speaker Add機能」の「ダブルモード」と「ステレオモード」。「ダブルモード」では2台の「SRS-XB20」で同じ音を出し、より広い空間でサウンドと楽しめるというもの。「ステレオモード」ではそれぞれの「SRS-XB20」を左右チャンネルとして音を出し、より広いステレオ感を出せるというものです。

 あるいは「ワイヤレスパーティーチェーン機能」。対応機種と連携させて同じ音を出すという機能で、対応機種は本機「SRS-XB20」以外に「SRS-XB30」「SRS-XB40」があります。やや広いフロアなどで大音量を得られたりするという機能です。

 あとこの「SRS-XB20」には、本体前面のラインライトが音楽に合わせて光る「ライティング機能」があります。複数のモードで光り、モードの変更は専用スマートフォンアプリから行えて、なかなかオモシロいです。

 ただ、サウンド系機能の「Speaker Add機能」や「ワイヤレスパーティーチェーン機能」を使った場合、「コーデックはSBCのみ」という制限があります。それと、「ライティング機能」も楽しげではあるんですが、ときどき音楽のビートなどとズレるような光り方もして、見ていると「たまにズッコケる」みたいな気がしたりも。ユニークな独自機能ではあるんでが、個人的には全然使っていません。

このサイズでこの音質……で、この値段♪

 肝心の音質ですが、第一印象は「こんなサイズなのに良く鳴る」という感じ。音質的なバランスは良好で、やや低音域が強めに出ているような気がしますが、締まってキレが良く、違和感のない低音だと感じられます。音だけ聴くと「二回りくらい大きなスピーカーから出ている音」という感じがします。

 音量もかなり上げられて、やや大音量にして聴いても音質的なバランスが崩れにくかったりするあたり、ちょっと驚けます。こういうサイズ感のスピーカーにありがちな、高音域側だけ響くとか、中・低音域がすぐ割れたり飽和するみたいな感じがなく、高・中・低音域がそれぞれバランス良く響いてくれます。「このスピーカー音がいいな~」とも感じられますが、そういう印象よりもむしろ「こんな小さなスピーカーから、こんな音が! これ1万円とかなんだよね?」みたいな驚きのほうが強いかも。

 iPhoneやiPadとつないでアレコレ使ってみましたが、シンセサイザーなどの楽器アプリを使った場合に、演奏から音が出るまでの遅延が気になる以外、全体的に良好。「AbemaTV」や「Prime Video」などの動画アプリを使っても、話し声と口の動きがズレるような遅延もほぼ目立たないと感じられました。iPadなど端末の背後にこの「SRS-XB20」を置き、映画など動画コンテンツ観ると、サウンド的な品位と迫力が一気に増すのでコンテンツをより楽しめると感じました。

 あとコレ、PCと接続してPC用スピーカーとして使うのもアリなような気がします。小さいですし、音質も良いですし、オーディオ入力端子もありますし。ノートPCだとユーザーの前面中央に置きにくいという不便はあると思いますが、音質の面ではPC用スピーカーとして常用するのも現実的だと思いました。

 ともあれ、「SRS-XB20」はサイズと音質のギャップで驚けるスピーカーのひとつだと思います。そして前述のとおり1万円少々で買えること。かなり秀逸。ほかのカラーも買おうかナ、などと思ってしまいました。

 この「SRS-XB20」、前述のとおりイオンとかに置いてあったりしますので、ご近所のショップで試聴できるかもしれません。意外なほど「良く鳴る」「いい音」の小型&生活防水Bluetoothスピーカーだと思いますので、ぜひ一度実機で音を確かめてみてください。

実用的な防水機能と操作性

 それから「SRS-XB20」の操作性ですが、総じてイイ感じです♪ ボタン類のわかりやすさ押しやすさなんかもあるんですが、使っていてより強く感じるのは「スピーカーだけ(もしくはスマホなど再生機器側だけ)操作しても不便なく使える」ということです。

 たとえば本体のボタン類。合計7つのボタンがありますが、これらを使えばスマホに触れる必要がほぼないでしょう。「SRS-XB20」のボタン操作で、音量の上げ下げ、曲の再生やポーズ、曲の送り戻しができ、さらに着信の受話とハンズフリー通話ができ、Siriに質問することまで可能。

「SRS-XB20」の上部には7つの操作ボタン類が並びます。濡れた手で操作してもOK。再生/ポーズボタンは、2度押しで曲送り、3度押しで曲戻しができます。通話ボタンを押すとiOS端末ならSiriを呼び出して会話ができます。

 スピーカー側でこの程度までデキて、さらに生活防水となると、たとえばお風呂にスピーカーのみ持ち込んでの利用が現実的です。また、アウトドアでは汚したり濡らしたりしたくない端末をバッグに入れておき、スピーカー側だけ操作すればOKなのでナニカと都合が良いと思います。

 それから「SRS-XB20」の「Bluetoothスタンバイ機能」も便利。これは、スマートフォンなど端末側の操作で「電源オフ状態のSRS-XB20をオンにして端末とBluetooth接続する」という機能です。つまり「SRS-XB20」が置いてあるところまで行って電源ボタンを押さずとも、スマホなど端末側の操作だけでスピーカーを使えるというわけです。なお、この機能を使うには「SRS-XB20」がUSB充電中であることが条件のようです(ソニーの関連情報)。

 それから「SRS-XB20」は8台までのマルチペアリングに対応しています。実際にiPhoneやiPadなどとペアリングして使っていますが、接続相手の切り換えという点でも快適に使えています。

 たとえばiPhoneからの音楽を「SRS-XB20」で聴いていて、「iPadで動画観よう!」と思ってiPad側で動画を再生すると、「SRS-XB20」からiPadの動画音声が出たりします(iPhoneの音楽再生は止まり「SRS-XB20」からの音楽再生も止まる)。「SRS-XB20」のBluetoothペアリング先が自動的に切り替わってくれたりするわけですが、そうならない場合もあり、そのときは音声を出力したい端末のBluetooth接続先を操作すれば、「SRS-XB20」からその音が出ます。

 要するに、スマートフォンなど再生機器側を操作するだけでも使えます。前述では「スピーカー側だけ操作してもフツーに使える」ということでしたが、その逆パターンで「スマートフォンなど音源側だけ操作してもフツーに使える」というわけです。ユーザーがあまり「音を出すための手順」を意識せず済むので、ラクです♪

 てな感じのワイヤレスポータブルスピーカー「SRS-XB20」。もしかしたらワタクシがこれまでに買ったBluetoothスピーカーとしては、最も快適かつスムーズに使えている製品かもしれません。音もイイですし、そのサイズまで含めると非常に汎用的。とてもよくできた製品だと思いますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。