みんなのケータイ

5インチが当たり前のスマホ、10インチも普通のタブレットに比べ、3.4インチのガラホはあまりにも画面が小さい。しかしプレビュー画像がちゃんと見られれば、安心して商品選びは可能だ

 ネット通販、お好きですか? そりゃ今の時代当たり前のように使っていますわな。私もスマホ、タブレット、PCで24時間いつでも購入しておりますよ。Amazonプライム会員になりつつ、さらに楽天市場もYahoo!ショッピングも併用しておりますよ。通信環境やその他もろもろが整備されて、非常に快適なネット通販ができるようになったわけですね。

 とくにスマホになり、タブレットが登場し、携帯端末の画面が大きくなり、解像度も高くなったのは大きい。商品の画像がきちんと綺麗に見られますもの。これで商品をきっちり確認して安心して買える。……ええ、大画面ならね。

 しかし、皆さんご存知のように、筆者の手にはガラホ「AQUOS K SHF31」というAndroid搭載のフィーチャーフォンが握られているわけですよ。このたった3.4インチの画面、画面解像度は960×540ピクセルという、今どきqHDというスマホではなかなか聞かなくなったディスプレイで、ネット通販は果たして快適なのか?

 もちろんネット通販自体はいろいろ可能ですよ。Androidのブラウザが搭載されていますから。その点はひと昔前のガラケー、フィーチャーフォンとは違います。PCサイトに切り替えてもぎこちない動作で……なんてことはない。

 ただ、この画面サイズ、そして画面を拡大等の調整をしなくてもスムーズに商品を選べるのか、探せるのか、ここは疑問の余地あり。各通販サイトを本気で利用してみることにしました。

 まず真っ先に「快適に使えるだろう」と思ったのが「auショッピングモール」。筆者が使っているのはauのガラホですから、これは期待できるでしょう。実際、小さな画面でも商品の画像を見ていると、それなりに雰囲気や特徴は伝わってきます。画像内にある文字はさっぱり分かりませんが……。文字なのかイラストやデザインなのかも分かりません。

 それでも商品名が画像とは別に掲載されていますし(普通そうですが、一部そうでないページがあったので)問題無く“選ぶ”こともできますし、スクロールしながら商品をササッと探すこともできます。カーソルキーで操作するので、検索結果の商品点数が多いと、だんだんキーを押す指に力がこもり痛くなってはきますが。とりあえず買い物自体はスムーズにできそうです。

 続いて大手通販サイトを利用してみますと、「Amazon」で気になったのが商品のプレビュー画像ですね。普通1つの商品に数点の画像が掲載されていますよね。これを切り替えて商品の左右、背面等を確認するわけですが……カーソルキーでは切り替えられない模様。そこでガラホのタッチクルーザーEXを有効に。これでカーソルキー周りをなぞるとポインターを動かせる。これでプレビュー画像の切り替えが可能に。

 実はガラホで通販サイトを利用するときは、このプレビュー画像の確認がちょっとしたハードルになっておりまして、たとえば「楽天市場」では画像の拡大を行わないとプレビュー画像の切り替えができない(拡大しないままプレビュー確認を行うと、2点しか表示できず、3点目以降は真っ白な画像になってしまう)、ファッションサイトの「ZOZOTOWN」はAmazon同様タッチクルーザーEXの有効が必要、とひと手間あったり。少々面倒くさい。

 このプレビュー画像の表示がスムーズに行えたのは「Yahoo!ショッピング」と、やはりファッション系の「ユニクロ」。カーソルキーでプレビュー画像を切り替えられたり、画像拡大をすることなくプレビューを即見られたりと商品探しがスムーズ。家電量販店の「ヨドバシ・ドット・コム」や白ロムのケータイ販売で知られる「ムスビー」もプレビューが見やすいように感じます(ムスビーはプレビュー画像の余白がやたら広いですけど)。

商品名が画像内にあるとガラホではほとんど何の商品か分からない(左)。またプレビュー表示がスムーズにいかないと真っ白な画面になる商品も(右)。ただし画像の選択や拡大、あるいはポインターによる選択で正常にみられる場合がほとんど
何気なく見ているプレビュー画像だが、ガラホではそのありがたみが分かる。細部の画像があるとガラホでは大変助かる。たとえば左はシャツの細部、右は中古ガラホのアップ。こういう拡大写真があるほうが買いやすい。ECサイトの方は参考に……って常識ですか

 そういえばAmazonでは書籍に「なか見!検索」があるものの、ガラホで見るとこの機能自体省かれてます。ちょっと書籍が買いにくいですね。ならば、とさまざまなデジタルコンテンツで有名な「DMM.com」を使ってみると、ゲームのサンプル画像(縦スクロールで表示されますが)や電子書籍の「立ち読み」機能(カーソルキーの左右切り替えでページが切り替わる)が使えます。しかも購入済み作品ならブラウザに対応していればガラホでも閲覧可能です。

 となると同人誌や電子コミックで有名な「DLsite.com」はどうでしょう? これまた試してみると各作品のプレビュー画像自体はカーソルキーで切り替え可能。購入済み作品もスマホ対応しているJPEGやPDF形式の作品はガラホのブラウザ上で読めます。薄い本でもOK(筆者死刑で)。

 ただ、Dlsite.comは毎日アップされた作品をチェックするのに「前日の作品」ボタンがあるのですが、これをカーソルが選択しない。そこでタッチクルーザーEXが必要になる。やっぱりPCサイトやタッチパネルのスマホのようにはいきません。

 前述の「ムスビー」もトップページはほぼ検索機能のみを使うだけ、というシンプルな仕組みでPC版のようにすぐにキャリアを選んだり、といったことはできません。もっともムスビーの利用者はまず機種名を入力して商品を絞る、という利用方法が多いでしょうけど。

 逆に意外な省き方をしていたのが「ソフマップドットコム」で、PC版で見ていると商品には複数の画像が用意され「他の画像を見る」という機能で表示できますが、ガラホで見ているとこの機能自体省かれています。「このパソコンの天板のデザインを見たいんだけど」「左右の端子はどんな配置?」なんてときに困るかも。ただしソフマップの場合、他の通販サイトに比べ文字情報がびっしりあるので、そこで詳細はある程度分かります。

 やはり商品のデザインが重要になる「ZOZOTOWN」では、画像を重視しているようです。PCサイトではプレビュー画像とスタッフのコーディネート画像が分かれて表示されているのですが、ガラホで見ると、プレビュー画像の続きでコーディネート画像が表示される仕組み。ちゃんと画像が全部見られるので服選びの参考になるはず。

 結論としてはガラホでも十分ネット通販は可能で、よほど細部が気になる商品でない限り、安心して買い物ができます。ただスマホよりも疲れます。商品数が多いと辛い。カーソルキーを何度も押すだけでも疲れますが、さらにタッチクルーザーEXを使ったポインタ操作になると、操作が微妙過ぎて疲労度MAX。ほんと直接画面をタップしたくなる。

 さらに画像中心ですとあっという間にダブル定額の上限、通信量190.6MBを超えるのでご注意。そんなわけで無駄な画像を見たくありません。スマホやPCでは複数の通販サイトを見比べたり、いくつも検索したりしますが、ガラホを使っていると利用する通販サイトの選別が厳しくなる……かもしれません。