みんなのケータイ

 IFAを取材していたときから決めていたように、冬モデルのドコモ端末は「Xperia Z1 SO-01F」を購入した。真っ先に試したのは、やはりソニーがフルスイングしたというカメラ。スペック的には、1/2.3型の「Exmor RS for mobile」や、F値2.0の「Gレンズ」を搭載しており、映像処理エンジンには「BIONZ for mobile」を採用する。画素数は2070万だが、「プレミアムおまかせオート」設定時には約800万画素になる。これは、余った画素を手ぶれ補正やノイズリダクション、デジタルズームに使うためだ。

 では、実際の仕上がりはどうか。IFAのレポートとして掲載されたファーストインプレッションで書いたように、基本性能は十分。色の階調が豊かで、暗い場所でもノイズが少ない。ただ、プレミアムおまかせオート設定時には少々絵作りにクセがあるように感じた。たとえば、以下の写真を見てほしい。同じシチュエーションで違う肉を撮ったものだが、左の方は青みが強く、率直に言うと“メシマズ”な印象を受ける。一方で、右の肉は非常に瑞々しく撮れていて、さすがXperia Z1といったところ。認識されるシーンに差があり、このような結果になってしまうようだ。

光の当たり具合によるのかもしれないが、写真の色味が全体的にややおかしい
ディテールまで鮮明で、肉の微妙な色合いもきっちり表現できている

 また、この季節の風物詩ともいえるイルミネーションを撮ったときにも、仕上がりに差があった。こちらのシチュエーションの場合は、プレミアムおまかせオートだとフォーカスが合いづらく、なんとなくボケた写真になってしまった。黒い部分が締まって全体から受ける印象は悪くないが、拡大してみると残念な仕上がりだ。試しにプレミアムおまかせオートを解除してみたところ、くっきりとした写真が撮れた。レンズの性能が高いこともあり、少々全体が明るくなってしまったが、これは撮影時に露出補正すれば解決できそうだ。

プレミアムおまかせオート設定時。黒い部分は締まって見えるが、フォーカスが合わずボケ気味な写真に
マニュアル設定にしてマルチフォーカスで撮ったとろこ、細部までクッキリと撮れた。ただし、全体的に少々明るくなりすぎている印象も

 先に述べたように、キレイに仕上がるときはクッキリとした瑞々しい写真になる。以下の写真は、成功したときのものだ。ただ、たまに失敗があるため、確認は怠らないようにしたい。

 これを避けるためには、マニュアルで撮った方がいいかもしれない。写真のサイズやフォーカスモードはあらかじめ決めて固定し、ISOを自動にして、都度露出やホワイトバランスを変えるのであれば、マニュアルでもそれほど設定の手間はかからない。ただ、スマートフォンは用途を考えるとやはりサッと取り出し、手軽にキレイな写真が撮れる方がいい。仕上がりの差はソフトウェアの影響が大きいと考えられるため、今後のアップデートに期待したい。