みんなのケータイ

 HTC J One HTL22に機種変更してから約2カ月が経った。使用満足度は非常に高い。筆者は、NTTドコモ、au、ソフトバンクのスマホを1台ずつ持ち歩くことが多いのだが、これまでは使い慣れたソフトバンクのiPhone 5を使うことが最も多かった。されど、最近は、複数台には設定できない「LINE」や「050 plus」もHTC J Oneにほぼ固定し、仕事用のメールアドレスやSNSのアカウントもHTC J Oneに設定。すっかりHTC J Oneが“メイン端末”になっている。

 HTC J Oneのキャッチコピーは「こんなの、はじめて。」だが、筆者が1台のスマホに、ここまでシフトするのも初めてだ。

 しかし、正直なところ、HTC J Oneに“大満足”というわけでもない。不便を感じるほどではないが、ここがもうちょっとあれだったらいいのなぁと感じるような不満も少々ある。今回は、敢えて、そうした不満点について書いてみようと思う。

不満その1~「通知パネル」が寂しい

HTC J Oneの通知パネル。機能ボタン付きのスマホから機種変更した人は、使いにくく感じるかも……

 ほとんどのAndroidスマートフォンは、通知パネルに機内モード、Wi-Fi、GPS、画面の自動回転などのオン・オフボタンが表示される。しかし、HTC J Oneの通知パネルに常時表示されるのは、現在時刻と「設定」ボタン、そして「省電力」のオン・オフのみ。頻繁に設定変更する機能のウィジェットは用意されているが、やはり、どの画面からでも素早く表示できる通知パネルから操作できたほうが便利なのになぁと感じている。

不満その2~慣れが必要なフロントボタン

ホームボタンは画面右下に配置されている。ダブルタップでマルチタスク、長押しで「Google Now」を起動できる

 Androidスマートフォンの多くは、ディスプレイ下に3つのフロントボタンを搭載している。で、その中央に配置されているのがホームボタンだ。しかし、HTC J Oneは、右下にホームボタン、左下に戻るボタンという一風変わったレイアウトになっている。使い始めた当初はホームボタンを押し間違えたり、ホームボタンを2度タップすることでマルチタスクを呼び出せることに気付かなかったりもした。最近は、この2ボタンに慣れてしまったので不便を感じることはないのだが、逆に一般的なボタン配置のスマートフォンを使った時に使いにくく感じるという矛盾が生じている。

不満その3~日本語キーボードがイマイチ

 日本語入力ソフトには「iWnn IME」が採用されている。多くのAndroid端末に採用されているソフトだが、他メーカーのスマートフォンに比べると工夫が足りないというかシンプルすぎる印象。また、使いこなすまでにも多少時間を要した。最近は、キーボードのサイズや位置を自由に調節できたり、手書きで入力できたり、タッチ入力に不慣れな人に役立つ機能を備えた機種が増えている。auとのコラボレーションで、せっかく「J」と名乗っているのだから、もう一歩踏み込んだローカライズがあってもいいんじゃないかなぁと思ったりした。ただし、筆者はあまり使っていないが、英語入力用の「HTC Sense Input」は、独自の予測変換機能でスペルの間違いを防げるなど、かなり便利な印象だ。

「iWnn IME」の設定画面。標準的な機能はひと通り揃っている
「あ」と入力して「英数/カナ」キーをタップすると「1時」なども呼び出せる。ただ、こうしたショートカットをマスターするのに多少時間を要した

不満その4~うっかりしていると電池切れに……

 HTC J Oneのバッテリー容量は2300mAh。一世代前なら「大容量」と呼べたスタミナだが、今シーズンは、フルHDディスプレイ&クアッドコアCPUを搭載し、3000mAhを超えるバッテリーを搭載するモデルも登場している。3000mAhとまでは言わずとも、もうちょっとあればよかったのになぁというのが正直な感想。筆者は「省電力オン」(ただし、CPUのパワーは落とさないように設定)で使っているが、1日は余裕で持つが、2日はちょっと厳しいかなぁといった印象。ストリーミング動画を観たり、テザリングを多用する人は、やや不満を感じるのではないかと思う。

「設定」→「電源」を開いた画面。「スリープモード」はオンにしている
長い外出時は「省電力」をオンにしたほうが安心。制御したい項目を選択するだけというシンプルな操作性は◎

不満その5~ゲームに熱中しているとボディが熱くなる

 熱が伝わりやすいフルメタルボディなので仕方ないと言ってしまえばそれまでだが、動画を観たり、オンラインゲームなどに熱中していると、背面パネルがほんのりと熱くなる。CPUの放熱によるものだろうし、不自然な熱さではないが、不安を感じる人もいるのではないかと思う。ちなみに筆者はカバーを着けて使っているので、ほとんど気にならない。逆に、負荷のかかる使い方をしている時はカバーを外して、しっかり放熱させてあげたほうがいいかなぁと思ったり……。

本物のアルミを使っていることが売りではあるが、若干熱くなるのが玉に瑕
筆者はHTC純正のカバーを使用。画面を保護でき、スタンドにもなり、背面の熱さも気にならないという一石三鳥

 というわけで、敢えて不満点を挙げましたが、こんなもんです。どれも許容範囲で、慣れてしまえば気にならないものです。結論を言います。「私はHTC J Oneが大好きです」。