みんなのケータイ

 ○○さんから電話です――会議中に通知を腕時計で受け取り、スピーディにスマホを確認する。遂にターゲットから連絡が入った。この電話を逃すと危なかったが、これで生き残る道が見えてきた……。そんなギリギリのところで戦うあなたは、11月26日のソフトウェア更新で、「MEDIAS X N-07D」が、新たにカシオの「G-SHOCK」と連携できるようになったことをご存知だろうか。

 「G-SHOCK」の一部モデルはBluetooth 4.0対応で、省電力で稼働しつつ、スマートフォンへの電話/メールの着信通知などを腕時計側で受けられる。そんなBluetooth対応G-SHOCKの1つである「GB-6900AA」と、「MEDIAS X」を実際に使ってみた。

 Bluetoothでのペアリングにより、先述した通知のほかに、腕時計側の時刻の自動/手動補正、腕時計からスマートフォンを、あるいはスマートフォンから腕時計を探す「Find Me」機能が利用できる。

電話着信があったときの通知。スマホのアドレス帳に登録している名称も
Gmailに新着メールがあったときの通知

 正直なところを言うと、年がら年中、「この連絡を逃すと危ない!」という事例があるわけではないものの、緊急会見の連絡をいただくこともある。腕時計を肌身離さず装着する人には、ベストソリューションな使い勝手だ。

 メールについては、今回、スマートフォンでプライベートと業務のメール、両方をチェックできるようにしていたが、業務用アカウントでは、なかなか頻繁な通知になってしまい、ちょっと利用をためらいそうになった。とはいえ、これは他の人には当てはまらないケースだろう。ちなみにメール通知は、GmailやYahoo!メール、iCloud、AOLメール(IMAP)に対応とのこと。iモードメール(spモードメール)ももちろん通知してくれた。なおBluetooth対応G-SHOCKは、iPhoneとも連携可能。この場合、キャリアメールは通知非対応とのこと。まずはメールでの通知が主だが、LINE、TwitterやFacebookのDMといったあたりも通知されるようになるといいかもしれない。

 便利そうな機能がFind me。腕時計からスマートフォンを見つけるには、腕時計の右下にあるボタンを2秒ほど押すだけ。すると、相当な音量でスマートフォンからアラーム音が鳴る。このため、カシオではイヤホン装着時には利用しないよう推奨しているが、逆にいえば、イヤホンを付けたままスマートフォンが行方不明になっても、イヤホンから漏れ出す音で見つけることができそう。出勤前のドタバタで、さっきまで手元にあったスマートフォンが見つからない! なんてケースを幾度か体験しているだけに、実際使ってみると、かなりありがたい。課題は、Find meそのものの存在を忘れないようにすることだ。

 ちょっと気になったのは、たまにスマートフォンと腕時計の接続が切断され、その後、うまく繋がらないことがあるということ。特にスマートフォン側でWi-FiやWi-FiテザリングをONにしていると、うまく動作しない印象を受ける。しばらく時計もスマートフォンも操作していなかったり、電波が不安定だったりすると切断に至るようだ。BluetoothとWi-Fiは同じ2.4GHz帯を使うということも影響しているのだろう。ちなみに最初のペアリングでもうまくいかないことが続いたが、たまたま利用中だったテザリングをOFFにした途端、ペアリングが完了した。

 いつの間にか切断されていると、「Find me」で探したくてもどうしようもないのだが、切断直後、腕時計側では、自動的に再接続を試みる。カシオのWebサイトでの案内によれば、30秒経過しても接続できなければ、いったん、BluetoothはOFFになるが、その後10分おき(最大1時間後まで)自動的な再接続が実行されるとのこと。試しにスマートフォン(Wi-Fi OFF)を置き去りにして、Bluetoothの電波が届かない距離まで離れたところ、切断されると通知して再接続処理がスタート。スマートフォンのそばまで戻り、少し待つと再接続に成功していた。

 Wi-Fiとの兼ね合いはちょっと気になるところだが、こうした“未来感”溢れる技術と製品への期待は大きい。Find meなどなかなか便利な部分もあり、個人的にはしばらく使っていこうと思う。