テザリングを使うようになりました
iPhoneではテザリング機能は「インターネット共有」と呼ばれる |
iPhone 5はほかの機器のネット回線として利用する、いわゆる「テザリング」に対応した(au版は対応済み、ソフトバンク版は12月15日から対応予定)。ドコモのXi端末などではすでに当たり前の機能だが、日本のiPhoneではiPhone 5のLTE対応にあわせ、ようやく利用できるようになった。
当初はこのテザリング機能、「使う機会あるのかな?」くらいに思っていた。というのも、スマホに慣れたおかげで、出先でノートパソコンをネットに接続する機会が激減したからだ。出先でネットを使う用事、たとえばメールのチェックやWebでの調べ物は、ほとんどスマホで済む。足ったままスマホで済ませられる用事を、わざわざ座ってノートパソコンを広げて、なんてことはしたくない。これまでもテザリング対応のスマホを持っていたが、テザリングはほとんど使わなかった。そもそもスマホのおかげで、ノートパソコンを持ち歩く機会自体も減っている。
しかしメインで持ち歩くiPhoneがテザリング対応したのと同じタイミングで、ノートパソコン以外のWi-Fi機器が増えたこともあり、筆者も意外とテザリングを活用するようになっている。
左奥は3DS LLなので、重さは336g。実は右のiPad miniより重たい |
もっともよくテザリングを使うのが、この秋冬に一気に増えた7インチ級のWi-Fi専用タブレットだ。iPad mini(Wi-Fiモデル)やNexus 7、Kindle(3G以外)などは、セルラー回線に対応しない代わりに、回線契約不要で安価に運用できる。7インチタブレットは、軽量かつコンパクトで持ち運びがしやすく、机がなくても片手で使えるので、10インチタブレットに比べると外出先などで使いやすい。仕事の打ち合わせ中や友だちとの会食中などに、話のネタを検索して見せ合うときは、スマホの小さなディスプレイや机の隅に置くのも邪魔な10インチタブレットより、7インチディスプレイの方が圧倒的に便利だ。
ポータブルゲーム機でもテザリングを使う機会がある。最近発売されたばかりのニンテンドー3DSの「とびだせ どうぶつの森」は、インターネットがあれば友だちと一緒に楽しめる。もともとニンテンドー3DSは、「すれちがい通信」という機能のために持ち歩くことが多いので、出先でもインターネットに接続できるのは地味にありがたい。
また、最近はWi-Fiに対応し、直接SNSに投稿できるデジカメも増えつつある。「Eye-Fi」など、デジカメをWi-Fi対応させるSDカードもある。SNSに投稿するようなスナップ写真なら、スマホのカメラでも十分だが、しかし望遠写真や背景をボカす写真は、ちゃんとしたデジカメでないと難しく、そうした写真をSNSに外出先で撮影し、すぐに投稿したいときは、Wi-Fi対応デジカメとテザリング対応スマホを使うのが簡単だ。
正直に言うと、タブレット、ポータブルゲーム機、デジカメ、ノートパソコン以外の機器でテザリングを使う場面というのはあまり思いつかない。また、ポータブルゲーム機やデジカメは、ネットワークがなくても実用上の問題があるわけでもない。しかし、いずれの機器も、テザリングができるだけで、使い方の幅が大きく広がる。こうしたWi-Fi対応の機器が増えつつあるタイミングで、iPhone 5でもテザリングに対応してくれたのは、非常に良いタイミングだったのかも知れない。