購入前に確認したいアラームやカレンダーの仕様

2012年6月1日 06:00
(石野純也)
PRADA phoneのアラームは、スヌーズ間隔の変更に対応。パズルロックという機能も搭載する

 一般のユーザーがAndroid同士の比較する機会はあまりないとは思うが、同じバージョンの端末でも、アラームやカレンダーの仕様まで一緒とは限らない。たとえば、今利用中の「PARADA phone by LG L-02D」では、アラームに「パズルロック」という機能が組み込まれており、設定すると、簡単なパズルを解かないと音が止まらなくなる。

 4つの数字を小さい方から順に押すというシンプルなものだが、寝起きで頭がボーっとしているときには、これが意外と難しい。止めるころには、しっかり覚醒しているというわけだ。このほか、アラームから、タブでタイマーやワールドクロック、ストップウォッチを呼び出せるのも、PRADA phone by LGならではのカスタマイズといえるだろう。

シンプルなパズルだが、寝起きで解くのは意外と大変タイマー、ワールドクロック、ストップウォッチもタブから呼び出せる
Android 4.0標準のアラーム。せめてスヌーズの間隔は設定できるようにしてほしかった

 一方で“素のAndroid”は、この機能が少々シンプルすぎる。手元にある「GALAXY Nexus SC-04D」を見てみると、Android 4.0になってもタイマーやストップウォッチなどは搭載されていない(Android 2.3でも同様だが、手元になかったため比較は4.0で行った)。細かなところでは、PRADA phone by LGでできたスヌーズ間隔の設定にも非対応だ。

月表示だと、予定が入っていることまでしかわからない

 カレンダーも、機種ごとに差がつく点といえるだろう。PARADA phoneの場合、月表示にすると上段に日付が、下段にその日の予定が表示される。予定の変更や削除は、直接下段の項目を長押しすればよい。素のAndroidは、4.0で機能が強化され、ピンチイン&アウトでのスケール変更などに対応したものの、いまだに表示はシンプル。悪くいえばそっけなさすぎる。月表示にすると、予定が入っていることまでは認識できるが、肝心の詳細はわからずじまい。タップすると、日別のカレンダーに切り替わってしまうのも不便だ。

カレンダーと予定が分割表示され、非常に使いやすい。予定の変更や削除をするためのメニューも、長押しで呼び出せる
ボイスレコーダーやアプリケーションマネージャー、メモなどの基本アプリは一通りプリインストールされている

 ほかにも、Android標準ではない機能として、PRADA phoneには「ボイスレコーダー」や「アプリケーションマネージャー」などがプリインストールされている。ドコモ提供のものでデザインはPRADA phoneにマッチしていないが、「メモ」が最初から入っているのも評価できる。

 スマートフォンならアプリで補えばいいという考え方もできるが、このコーナーで何度か書いているように、基本的な機能については最初からある程度充実しているにこしたことはない。スマートフォンユーザーの層の広がりを考えればなおさらのことだ。5月は夏モデルの発表ラッシュで会見を通じて最新モデルを触ってきたが、残念ながらこれらの機能の一部が素のAndroidのままというものもまだあった。OS標準のアプリが使いづらい、必要な機能がOSに含まれていないというのであれば、せめてメーカーもしくはキャリアが対応するべきだろう。UIやUXを作り上げるというのは、単にホームアプリを載せ替えるだけのことではないはずだ。スペック表などには載りづらい項目で、発売までに仕様が変わる可能性もゼロではないため、購入時には必ず実機をチェックしておきたい。