「PRADA phone L-02D」を約2カ月使って気になったこと

2012年3月23日 06:00
(石野純也)
海外滞在時に自動で「+81」を付与する「国際ダイヤルアシスト」

 1月に「PRADA phone L-02D」を購入してから、そろそろ2カ月が経とうとしている。端末のバランスのよさや、デザインなどに満足しているのは以前このコーナーでも紹介したとおり。前回紹介したように、海外取材にも活躍している。実際に国際ローミングで使ってみたところ、現地では登録した電話番号の「0」を自動で取り、代わりに「+81」をつけてくれる「国際ダイヤルアシスト」が思いのほか役に立った。

 これは、ドコモ端末が冬春モデルから実装した機能。今までのAndroid端末は、一度「0」をつけたまま発信し、履歴から番号を編集して再発信するという手順を踏まなければならなかった。国際ダイヤルアシストのおかげで、この煩雑さがなくなったというわけだ。iモード機では当たり前に搭載されていただけに、Androidで同じことができず不便だと感じていた。さり気ない機能だが、この点が改善されたのは大きなことだと思う。

カメラは手ブレのしやすさが気になる。暗所ではノイズも多い印象だ。写真はミュンヘンの空港

 一方で、2カ月間使い続けていると、購入当初は気づかなかった不満も出てくる。特に気になっているのが、カメラの性能。810万画素で数値的には十分だが、暗い場所で撮るとやはりノイズが多い。手動だとISOが400までしか上げられないため、フラッシュを使わないと手ブレしてしまうことも。色味もあまり自然ではない。同じLGエレクトロニクス製の「Optimus LTE L-01D」には裏面照射型CMOSセンサーが搭載されており、写真の仕上がりもよかったと記憶している。どちらも画素数は810万だが、通常のCMOSセンサーを採用したPRADA phoneのカメラは、Optimus LTEに及んでいない印象を受けた。

標準ブラウザが重く感じることがある

 また、標準ブラウザが少し“重い”と感じている。移動中にニュースサイトなどを軽くチェックするだけなら問題はないが、ソーシャルゲームのように何度もページを遷移しなければならないケースで、動きが悪くなってしまうことが多い。アクセスポイントとの相性があるのかもしれないが、Wi-Fiが突然切断されるのも気になっているところだ。前回紹介したシーンの切り替え機能では、サイトへのショートカットが消えてしまうのが難点。筆者はプレイ中のソーシャルゲームをフォルダにまとめて管理しているが、シーンの切り替えでそれらがリセットされる仕様になっており、設定のし直しが少々面倒だった。

 音楽については、ドコモの標準アプリである「メディアプレイヤー」で再生する形だが、なぜかプレイリストへのショートカットからアクセスしたときのみ、端末標準のプレイヤーが立ち上がってしまう。混乱の原因になるので、どちらかに統一してほしいところだ。少なくとも、端末標準のプレイヤーについては、アプリ一覧にもアイコンを入れてほしかった。ドコモのアプリという点では、PRADAデザインとのミスマッチぶりが今でも気になっている。電話帳はモノトーンになっているが、上述したメディアプレイヤーのほか、dマーケット、スケジュール、マチキャラなどなどはすべてほかの端末と同じで、正直端末の雰囲気とまったく合っていない。端末ごとの特徴を生かす意味では、ドコモ側がもう少しデザインに配慮すべきだろう。

ショートカットから音楽再生を呼び出すとこちらの画面が表示されるドコモ標準の「メディアプレイヤー」でも、音楽を再生できる
アプリ一覧で見ると、ドコモのアプリがちょっと多すぎる印象

 デザインに近いことだが、アプリ一覧にずらっと並ぶドコモアプリの多さも、改善の余地があると感じている。これはPRADA phoneに限った話ではないが、アイコンが多すぎるためかえって目的のアプリが探しづらくなっている。端末の世界観と地続きになったメーカー製アプリも埋没してしまう。たとえば、ドコモのアプリは取捨選択を可能にしたうえで、ランチャーにして1つにまとめておくといった工夫はできないだろうか?

 今回は不満点を中心に列挙したため、誤解を与えてしまうといけないのであえて書いておくと、これまで本コーナーでたびたび言及してきたようにPRADA phoneの満足度は比較的高い。タッチの反応はいいし、外観、UIともにデザインも完成されているうえ、筆者が愛用しているおサイフケータイにも対応している。職業柄、2年間というわけにはいかないが、夏モデルが登場するまでは使い続ける予定だ。だからこそ、細かな不満点はぜひ解消してほしい。カメラ以外についてはソフトウェアアップデートで対処できる事象のため、今後の改善に期待したい。