似てるような違うような
左からDesire HD 001HT、htc EVO WiMAX ISW11HT、HTC Aria S31HT |
各社から夏モデルが発表され、いよいよAndroid採用端末もかなりバリエーションが増えてきた。今夏はどちらかと言えば、国内メーカーが頑張っている印象だ。一時期、「Androidはみんな同じだから、つまらなくなる」なんて声もあったけど、各社とも個性的なモデルをラインアップしてきた。
そんな中、ボクは今のところ、htc EVO WiMAX ISW11HTを愛用しているわけだけど、HTCは各社向けに供給しているスマートフォンで「HTC Sense」という独自の世界観に基づいたユーザーインターフェイスを採用している。画面ロックを解除するところに始まり、ホーム画面に配置された大きな「時計」のウィジェットなど、パッと見て、「これはHTCのスマートフォン」とわかるアイデンティティを持っている。
HTC製スマートフォンでおなじみのロック画面。指リストなどのロック解除は、この画面で解除した後に表示される |
じゃあ、HTC製スマートフォンなら、どれでも同じかというと、実は微妙に違う。ボクが使っているhtc EVO WiMAX ISW11HTは、2010年6月に米国で発売された「HTC EVO 4G」をベースにしたモデル。そのため、HTC独自のソフトウェアも同時期に登場したモデルに近いようだ。
たとえば、国内では2010年12月にイー・モバイルから発売された「HTC Aria S31HT」は、Android 2.2で発売され、その後、EMnetメールアプリが公開されたくらいで、大きくユーザーインターフェイスは変わっていない。グローバルでの登場時期もHTC EVO 4Gとほぼ同じ2010年6月頃のため、各機能も使い勝手もよく似ている。
これに対し、2010年11月にソフトバンクから「Desire HD 001HT」が発売されたけど、こちらはベースモデルが2010年10月に発表されているため、搭載アプリも含め、全体的に内容が新しい。しかも今年5月にはAndroid 2.3へのアップデートが開始され、HTC Senseもバージョンアップされたため、現時点ではhtc EVO WiMAX ISW11HTと比較して、だいぶ違うスマートフォンに進化したという印象。
また、HTC製スマートフォンは、オリジナルのアプリもかなり独特だ。たとえば、Android採用端末はカメラで撮影した写真を「ギャラリー」というアプリで見られ、標準でオンライン写真共有サービスの「Picasa」と同期できるけど、htc EVO WiMAX ISW11HTの「ギャラリー」アプリはHTC独自のもので、同期対象は「Facebook」と「Flickr」のみ。同じく「カレンダー」アプリも独自のものなので、ちょっと使い勝手が違う。
ところで、htc EVO WiMAX ISW11HTは、本コーナーでもおなじみの橋本保氏も愛用中で、仕事の合間に話してたら、実は結構、困っているのだという。というのもhtc EVO WiMAX ISW11HTは国際ローミングに対応していないため、海外出張に持っていくと、まったく使えないのだ。しかも橋本氏はメインの電話番号で利用しているため、海外出張時には仕事の電話も受けられなくなるというわけ。「そんなのau ICカードを……」と言いたいところだけど、そう、htc EVO WiMAX ISW11HTはau ICカード非対応のため、対応端末に差し替えるというワザも使えないわけ。
結局、橋本氏は国際ローミング対応のau端末を別の電話番号で用意して、海外出張中はhtc EVO WiMAX ISW11HTに掛かってきた電話をすべてそこに転送しているんだそうだ。htc EVO WiMAX ISW11HTと国際ローミング用端末間の通話料は家族割引で無料なのが幸いだけど(渡航先での着信時には国際転送料が掛かる)、海外出張用に国内のフィーチャーフォンを持たなくちゃいけないというのもかなり不思議なカンジです。