“ソーシャルフォン”な「mixi」アプリに期待
SNS「mixi」のAndroidアプリが更新されたので、早速利用してみることにした。携帯電話向けにサービス展開してきたmixiだけあって、手取り足取り優しいインターフェイスにうっとりである。
ソフトバンク向けに先行公開されている最新版の「mixi」アプリ。ミクシィではこれを「ソーシャルフォン」に位置付け、スマートフォンとより連携を深めた、もっと言えば、「mixi」が自分のスマートフォンのポータルになるような機能を盛り込んできた。mixiの友人・知人を表わす「マイミク」と、スマートフォンのアドレス帳とを同期させたり、アプリ上から写真付きのつぶやきや日記を公開したりできる。また、アプリのマイミク一覧の方からスマートフォンのアドレス帳にアクセスする導線も用意されている。アプリからmixiの新規登録も可能だ。
ステキだなぁと感じるのは、各機能がアプリのトップ画面から利用できたり、遷移しやすくまとめられたりしているところ。ヘルプ機能をタッチすれば、何がどこにあるのか、優しい表現で教えてくれるし、ヘルプ機能にありがちな説明くささというか、形式張ったところがない。アプリを最初に起動すると、まずアプリトップ画面にヘルプ機能が表示され、アプリが更新されれば、起動時に何が変わったのか通知される。Androidのアプリでは珍しいといっていいぐらい、操作遷移とヘルプ周りのインターフェイスにソツがなく、丁寧な印象がある。
とはいえ、課題を感じなくもない。スマートフォンのアドレス帳とマイミクを同期させても、津田のマイミクたちはいわゆるハンドルネームでmixiに登録している人がほとんどで、アドレス帳にハンドルネームが並ぶことになる。かくいう津田も、Facebookこそ「津田啓夢」で登録しているが、mixiはハンドルネーム「ブービン」での登録だ。本来であれば、アドレス帳のとある友人のデータに、その友人のmixi情報が合わさると具合がいいはず。アプリでは、全てのマイミクをアドレス帳に登録するか、アドレス帳の情報とマイミク情報が一致したものだけ同期するか選択できるが、津田のマイミクさんたちはmixiに個人情報に類するものをほとんど置いていないようだ。匿名性を保った形でコミュニティが広がる傾向のある日本では、ネットをうまくリアルの世界に引き寄せられないと、アドレス帳との同期はなかなか骨が入りそうだ。。
ソーシャルフォンという言葉自体は先進的なインターネットユーザーの興味をひくものと思う。課題はあるにせよ、SNSやコミュニティという言葉さえ気にせずに、毎日mixiで友達とワイワイ楽しんでいるリアルなユーザーにとって、スマートフォンでもmixiが普通に使えるってことはとても大事なことだろう。新しいプラットフォームでもこれまでのユーザーを大切に考えてくれるサービスは、これからのユーザーのことも大切に考えてくれそうだなぁと思う。