iOS 4登場で一気に強化された取材や会議でのメモ性能

2010年7月30日 06:00
(白根雅彦)

 iPhone 4を購入して1カ月が過ぎたが、いろいろ使ってみて、「新製品のiPhone 4より、新OSのiOS 4の方が個人的にインパクトが大きかったかな」とか思ったりする。

 もちろん、カメラや液晶などハードウェアの強化も嬉しいのだが、それよりもiOS 4で加わった新機能の方がありがたみを感じることが多い。とくにBluetoothキーボードへの対応は、わたしとしては待ちに待った機能である。これにより、ちょっとした取材や打ち合わせのメモをiPhoneで済ませられるようになったのは、非常にありがたいポイントだ。

 たとえば出版社での打ち合わせなどでは、ノートパソコンを使わなくなった。iPhoneは元から持ち歩いているので、追加でカバンに入れるものはBluetoothキーボードだけ。どんなモバイルパソコンよりも荷物は軽い。そして帰り道に電車のつり革につかまりながら、片手でメモ内容を確認できる。Evernoteや標準のメモアプリならば、ネット経由でパソコンと同期が取れるので、転送の手間もなく、パソコンで過去のメモの閲覧・検索が可能だ。

 わたしがiPhoneで使っているキーボードは、リュウドの「RBK-2000BTII」だ。このキーボード、折りたためば単行本くらいのサイズになるので、どんなカバンに入れても邪魔にならない。しかもPDA・スマートフォンを立てるための折りたたみスタンドを内蔵している優れものだ。さらにこのキーボード、ノートパソコン並のキーピッチがあるので、タッチタイピングもパソコンと同じようにかなりの速度でできてしまう。

 わたしはこれまで、ノキアのE61にBluetoothキーボードをつなげて取材メモを取っていた。しかしiOS 4の登場でE61の出番はほとんどなくなってしまった。BlackBerryスタイルのE61は、立ちながらのメモでも快適だが、キーボードを繋いだときのレスポンス、画面の大きさや使えるアプリの種類、同期しやすさなどは、iPhoneの方が上だ。

 ただ、いくつか難点もある。RBK-2000BTIIは日本語Mac配列ではないので、一部の操作が面倒だったり不可能だったりする。また、iOSでは予測変換をオフにできないので、いちいち予測候補が優先表示され、素早く文字入力していると、誤予測で意図しないテキストが混入することがある。

 現時点では、講演取材やインタビュー取材では使いにくいのが正直なところだ。しかし、そうではない取材や打ち合わせならば十分に使っていける。これまでE61とキーボードで取材メモを取っていたときは、業界関係者にすら奇異の目で見られることがあったが、これからは「え? iPhone知らないの? 便利だよ?」くらいのドヤ顔で使っていかせていただこうと思う。