「メモ」がシンクロ対応で便利になった

2009年8月6日 11:00
(白根雅彦)
 iPhone OS 3.0では、標準アプリの「メモ」にパソコンとのシンクロ機能が追加された。iPhoneでメモを取ることが多いわたしとしては、大歓迎の新機能である。

 以前、わたしは「XenNotes」という、Google Docsとシンクロできるテキストエディタアプリを使っていたのだが、こちらはGoogle Docs側の仕様変更でシンクロできなくなってしまった。XenNotesの代替となるアプリを探してみたが、どうにも見つからない。サードパーティのテキストエディタアプリは数多くあるが、パソコンやクラウドにテキストを「コピー」できても「シンクロ」できるアプリはあまりない。わたしの場合、パソコン・iPhoneの両方からテキストを編集・閲覧したいので、「コピー」よりも「シンクロ」の方が勝手が良いのだ。

 その点、iPhone標準のメモだと、iPhoneをパソコンとUSB接続するだけで、アプリ内のメモをすべてシンクロしてくれるので、ファイルの行き来を意識しないで済む。ほかにも、Spotlight検索に対応しているのもユニークだ(まだ検索が必要なほど、メモは多くないが)。また、電話番号や住所などをリンクとして認識し、そのまま電話をかけたりマップを開けたりできるのも便利である。

 連携先のパソコンも、Macならば標準メーラーである「Mail」のメモ機能とシンクロしてくれるのが良い。Mailは常時立ち上げているアプリなので、ちょっとしたことでもすぐにメモを取りやすい。また、MailはMobileMeともシンクロしてくれるので、複数のMacがあるウチのような環境では使い勝手が良い。

 ただ、このiPhone標準のメモアプリに不満がないわけではない。

 まず画面のデザイン。それなりに凝っているとは思うが、画面左右にわりと余白があり、ソフトウェアキーボードを表示させるiPhoneの狭い画面事情にあっていない。

 そしてシンクロ機能も、少々好みではないところがある。パソコンとシンクロするのに、USBで接続する必要があるのだ。そんなの当たり前、と思われるかも知れないが、ここはやはりインターネット経由でMobileMeと直接シンクロして欲しいところだ。

 こういった不満に思える点はあるものの、やはりシンクロの手軽さとパソコン側での扱いやすさから、iPhone標準の「メモ」は、いまのところわたしにとってのベストなテキストエディタとなっている。App Storeでより良いアプリが見つかればそちらに移行しそうだが、それよりも標準メモ自体の強化も期待したいところかなぁ。