みんなのケータイ
古いケータイのカメラの写りはエモい? iPhone 15 Proと撮り比べてみた
2024年6月19日 00:00
最近、古いスマートフォンで撮影する写真が人気という話を耳にしました。なんでも写りの粗さが逆にエモい、映えるらしいです。少し前だと若い世代で使い捨てのフィルムカメラが人気を集めたり、古い型のコンパクトデジカメも似たような理由で流行りのアイテムになっているそうです。
ただこういう仕事をしているとスマートフォンの買い替え頻度も半年や1年で、もちろんカメラの進化には毎回驚かされるものの数年ぶりの買い替えでもないため「前の機種よりさらに夜景がキレイに撮れるようになった」といった気付きこそあれど、大幅に写りが向上したと感動することもありません。もちろんスペック上では数年前のスマートフォンと比べればその差は歴然で、あえて比べずとも絶対にキレイになっていると断言できます。
が、その数年前のスマートフォンで撮影した写真も頻繁に見返すわけでもないですし、記憶として写りを美化しているせいか「今と比べてそんなに酷い写真じゃなかった気がする」ともなります。
そこで今回は、久々に古いスマートフォンとフィーチャーフォンを引っ張り出してきて今メインで使っているiPhone 15 Proと撮り比べ、どのくらいカメラが進化しているかを確認してみました。引っ張り出してきたのは筆者として思い入れがあり、当時「すごいキレイな写真が撮れる」と感動した記憶のある「Xperia A SO-04E」と「SO905iCS」です。
「Xperia A SO-04E」は2013年発売で、カメラは約1310万画素のCMOSセンサーです。「SO905iCS」は2008年発売で、約510万画素のCMOSセンサーで、Cyber-Shotケータイとして登場したカメラが売りのフィーチャーフォンです。
まずは屋外で撮影してみました。Xperia A SO-04EのカメラはiPhone 15 Pro比で意外とちゃんと写りますが、SO905iCSは解像感が足りず木々の葉が潰れてしまっただけでなく、走る車も大きくブレています。
続いての撮影は被写体に2021年に竣工したビルを選んでみました。令和になって完成したビルを、平成に生まれた携帯電話(カメラ)で撮影することに少しだけエモい気持ちになりながら撮ってみましたが、写りだけでなく画角が全く違うことにも驚きます。
よりワイドに撮影できる超広角カメラが当たり前に搭載されている昨今ですが、標準カメラや1倍モードでの画角の違いは携帯電話のカメラの大きな進化のひとつでしょう。
今度はいつも筆者が飲み歩いているアーケード街を被写体に撮影してみました。
画角の違いからアーケード街の奥行の感じ方が大きく違うこと、アーケードの屋根のグラデーションなどにも写りの違いがハッキリと出ています。古い機種で撮ったものほど色の濃淡も淡く、全体的に眠たい写真になっているのも「古さ」を感じる部分です。
最後に屋内、飲食店でも撮ってみました。屋内はどうしても暗くなるので携帯電話のカメラが苦手とするシチュエーションです。
iPhone 15 Proは肉眼で見るよりも明るくノイズの少ない写真を撮影できている一方で、Xperia A SO-04EとSO905iCSで撮った写真はかなりノイズの乗った写真になりました。
ノイズだけでなくグラスの色も黄色っぽくなっていたり、背景も全くボケずやはり写りは今となっては古臭さを感じます。
こうして比べてみると記憶にあるより古い携帯電話のカメラの写りは古臭く、そして現行のスマートフォンのカメラの進化に驚かされます。
確かに今のスマートフォンで撮った写真を、古い携帯電話のカメラのような写りにするには加工の手間もありますし、色味以外の解像感やノイズの出方も加工で簡単に再現できないと思うと、エモいや映えはわからずとも古いカメラでわざわざ撮る意味も理解できる気がします。
とはいえ、スマートフォンのカメラはこれだけ進化しているわけで、後から見返したときにキレイに写っていてほしいと思う人の方が多いでしょう。特に最近は有名なカメラメーカー・ブランドを冠したカメラを売りにする機種や、ズーム機能などに富んだ機種もどんどん増えています。スマートフォンのカメラは頻繁に使う機能だからこそ、新しい機種に買い替えていった方が満足度は高いのだろうとあらためて思ったのでした。