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eSIMかローミングか……3泊4日のタイ出張で利用する通信サービスに悩む

 2024年3月末に取材のためタイ・バンコクに行くことになり、出張のためさまざまな準備をしていたのですが、やはり欠かせないのはスマートフォンによる通信の確保です。筆者は普段スマートフォンを2台持ち歩いているので、海外でも2台分の通信回線を確保する必要があるのですが、ここ最近は一方に楽天モバイル、もう一方にローミング用のeSIMサービスの1つ「Ubigi」を用いるのが通例になっていました。

 そこでタイに行く際にも同様のセットアップで向かおうとしたのですが、Ubigiにはタイ専用のプランがないので料金が高い。そこでタイ専用プランがある同種のサービスを確認し、「airalo」と「Holafly」の2つが候補に上がったのですが、Holaflyはテザリングが利用できないことからairaloの利用を検討してみました。

▲2月のスペイン出張でもお世話になった「Ubigi」だが、タイは現地プランがなくあまり安くなかった

 airaloはタイ向けのサービスも割と充実しており、データ通信と国内通話が15日間無制限のプランが19.95ドル(約3000円)で提供されていたのですが、3泊4日の旅程で現地滞在時間は実質2日半くらいなので、正直な所通信量はそこまで必要ない。なのであればもう少し安いものはないかと確認したところ、10日間で50GBの通信量が使えるプランが9.9ドル(約1500円)で提供されていました。

▲「airalo」はタイ現地のお得なプランがいくつか用意されており、通信量50GBのプランは10日間利用できて1500円ほどだが、3泊4日の滞在ではオーバースペック気味でもある

 50GBというのは少し前の大容量プランに匹敵する量で、それを3日くらいで使い切るのは無理があるな……と思いながらも、お得なことは確かなのでこちらを契約しようとしたのですが、よくよく考えてみたら滞在日数がそんなに長くないので、ローミングでもいいのでは? と思い始めました。

 ローミングeSIMを使っているスマートフォンは普段au回線を入れているので、現在のローミングサービスはデータ通信が使い放題になる「au海外放題」なのですが、タイでau海外放題を使うとなると事前予約で24時間当たり800円。日程的に24時間×3あればよいので、料金は2400円となります。

 ですがこれをサブブランドのUQ mobileに変えると、データ通信は使い放題にはなりませんがローミング料金は以前の「世界データ定額」と同じなので、タイの場合事前予約で24時間当たりの料金が490円。3日分利用しても1470円で済み、airaloの50GBプランと変わらないくらいの料金になります。あまり大容量通信するのでなければ、サブブランドにすることでローミングの料金を抑えられるようです。

▲UQ mobileの「世界データ定額」の場合、タイでは事前予約で24時間当たり490円での利用が可能。使い放題にはならないが3日間で1470円と、短期滞在なら安く抑えられる

 もちろんサービス内容だけを比べればairaloの方が圧倒的にお得なのですが、ここ最近国内でのデータ通信量が減っているので、一時的にでも月額料金を安くしたいという個人的事情もありました。そこでこのタイミングを機としてauからUQ mobileに変え、ローミングを使おうという判断に至った次第です。

 そして現地で実際に使ってみた印象ですが、ローミングということもあり接続は4Gのみで国内と比べるとやはり通信速度はやや遅め。ローミングeSIMや現地のSIMであれば5Gも利用できるので速度面ではそちらが勝ることは間違いないのですが、4G回線でもYouTubeの動画などは問題なく再生できるので、十分実用的です。

▲UQ mobileと「世界データ定額」で実際にタイで通信しているところ。5Gには接続できないので日本の通信速度よりは遅めだが、実用面では十分だ

 かつては高すぎる海外ローミングの費用を節約するため、Wi-Fiルーターを借りたり、現地でSIMを調達したりと、知恵と工夫を絞って頑張っていたことを考えると、これだけ安価なローミングサービスの選択肢が増えたのは有難いことでもあります。今後もより同種のサービスが広がってくれることに期待したい所です。