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ファーウェイの自動車「AITO M7」を見てきた

 スマートフォンよりもスマートデバイスがコンシューマー向けの主力製品になっているファーウェイですが、中国ではついに自動車の販売も始めました。中堅の自動車メーカー、Seresとファーウェイが協業したEVがファーウェイストアで販売されているのです。自動車ディーラーではなく、スマートフォンやスマートウォッチを買いに行ったついでに自動車に試乗できてしまうなんてちょっと面白いですね。

ファーウェイのEV「AITO M7」

 SeresとファーウェイのEVは「AITO」のブランドで展開しています。現時点でレンジエクステンダーとしてガソリンエンジンも搭載する「AITO M5」「AITO M7」と、「AITO M5 EV」の3モデルが販売されています。2023年3月に深センにあるファーウェイストアを訪れたところ、M5とM7の両方が展示されていました。個人的には大型SUVのほうに興味があるのでAITO M7をチェック。なお中国語では「AITO 問界 M7」という製品名になっていますが、ファーウェイのグローバルPRには「問界」の文字が入っていないため、本記事でも「AITO M7」と呼ぶことにします。

中国語での正式製品名は「AITO 問界M7」

 筆者は、自動車についてあまり詳しいことはわかりませんので、展示してあるM7に乗った感想を。車内は広々としていて座席の座り心地も良く、内装もしっかりしています。新車特有の匂いは購入意欲をかきたてられますね。そして車内には大型のディスプレイが設置されています。テスラは縦型ですがAITOは横型。どちらがいいということではなく、こちらのほうがタブレットっぽくてファーウェイの製品っぽくも見えます。

15.6インチの大型ディスプレイを内蔵

 またスピードメーターなどハンドル前部にもディスプレイが搭載されています。筆者は最新の車に乗ることもほとんどないのですが、最近の自動車はこの部分はみなディスプレイになっているのでしょうか。まあ最新のEV、しかもファーウェイが絡んでいる自動車ですから、このあたりは当たり前の装備なのでしょう。

ハンドル前部もディスプレイで覆われている

 そして車内システムはHarmonyOSで動いています。これによりスマートフォンやスマートウォッチとの連携もシームレスに行えるのです。スマートフォンの画面を共有するのではなく、スマートフォンとは独立して車内の制御やインフォテイメントシステムがここで動くというわけですね。

HarmonyOSを搭載(M7の写真を撮り忘れてしまい、これはM5の車内ディスプレイ)

 ドリンクホルダーの上にはスマートフォンを2台、ワイヤレス充電可能。もちろんファーウェイ以外のスマートフォンも充電できます。車内にはUSB Type-C端子もいくつか用意されていますが、座席に座ってスマートフォンを置くだけですぐに充電できる方が便利でしょう。

スマートフォンのワイヤレス充電台も標準装備

 後部座席もゆったりしています。車内の内装はいろいろとカスタマイズができるようです。なお価格は28万9800元(約560万円)から。

後部座席。乗り降りもしやすかった

 なお、ファーウェイの大型店舗では、試乗も可能とのこと。訪問したファーウェイストアでは熱心に説明を受ける来客もいて、ファーウェイが絡んだEVへの興味を持つ中国の消費者も多いようです。現在はまだ中国国内での販売に留まりますが、いずれは海外でもAITOのEVを見かけるようになる日が来るかもしれませんね。

AITOのエンブレムもいずれメジャーになるかも