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台湾のIT展示会が開催、HTCはメタバースと5G推し

 海外への移動も各国の検疫緩和で以前の情況に戻りつつあります。とはいえまだフライトの便数が少ないために航空券代は割高感もあります。11月の頭には台北で「台北資訊月」というIT系イベントが開催されましたが自分は旅程の都合で行けず、友人が訪問したので代理で取材をしてもらいました。各キャリアの5G動向やHTCがどんな展示をしていたのか気になったのです。

 会場は毎年6月に開催されるCOMPUTEXでもおなじみの「台北世界貿易センター」。COMPUTEXもコロナになってから訪問できていませんから、会場の雰囲気に懐かしさを感じます。台湾も入国後は抗原検査などが必要ですが自由に動くことができるため、自分も早く訪問したいと思っています。

台北資訊月の会場

 通信キャリアの展示は5Gのサービス紹介が中心に行われていました。端末の展示はほとんど無く、動画やゲーム配信など4G契約者を5Gにアップグレードさせるための魅力的なサービスをアピール。そういえば台湾はプリペイドSIMも5G対応品が出てきており、旅行者でも5Gを使うことができます。早く訪台して試してみたいもの。

中華電信ブース

 政府系では港湾や空港のスマート化や、今後の自動車の自動運転に対応するためのインフラ整備など、5Gを使ったスマートシティ関連の展示が目立っています。このあたりは政府主導で各国が進めているものですね。

政府系はスマートシティ関連の展示

 さて台湾といえばHTC。HTCの動向が気になります。今やスマートフォンメーカーからVRヘッドマウントディスプレイ「VIVE」を中心としたXR企業へと変わりつつあります。HTCブースも「HTC VIVE」のロゴが誇らしげです。

HTCブース

 デモの中心はHTCのメタバースプラットフォーム「VIVERSE」。VIVEを使ったデモも行われましたが、PCやスマートフォンからゲストでも参加できる気軽なメタバース空間を提供しています。時間によっては来客が多く詰めかけていたので、やはり注目度は高いのでしょう。

VIVERSEのデモ

 さてスマートフォンの展示は無かったものの、5G関連で興味深いハードウェアが置いてありました。小型のスーツケースに収まる大きさのプライベート5Gネットワーク基地局「REIGN CORE Portable 5G Private Network」です。

小型のプライベート5G基地局

今後メタバースの利用が広がれば、たとえば普段使わないイベントホールにポータブルのプライベート5G基地局を持ち込み、域内のプライベート5Gの利用エリアを広げ、そこでメタバースを使う、のような展開もできます。HTCがこのような製品を展開するのもそんな用途が考えられるからかもしれません。

スーツケース型の外観。このまま持ち運びできる

 メタバース関連としては他にもMetaやマイクロソフトが出展していました。今後しばらくはIT系展示会で最も目立つ展示はメタバース関連になるのでしょう。

Metaブース
マイクロソフトブース

 COMPUTEXほど派手なイベントではありませんが、ネットワーク方面に特化したイベントとして台湾の最新事情を知ることのできるイベントだったようです。来年こそはぜひとも自分で取材したいものです。