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「iPhone 13 Pro」でデュアルeSIMを活用、auの物理SIMをeSIMに

 毎年の恒例行事になっている感はあるが、今年もiPhoneを購入した。AppleのSIMフリー版を購入することが多かった筆者だが、今回はApple Storeで機種変更を選択。予約時に、回線契約用のページから端末や店舗を選ぶと、店舗で新規契約や機種変更の手続きをすることができる。これを利用して、au回線に紐づいた端末をApple Storeで機種変更した。

iPhone 13 Proを購入。使用中のiPhoneがiPhone 12 Proのゴールドで、気分を変えるために今回は新色のシエラブルーにした

 実はこの方法だと、最安のApple価格からさらに8800円の割引を受けられるのでお得だ。ただし、機種変更手数料が2200円、通信料に乗ってくるので、差し引き6600円。とは言え、発売日時点での6600円割引は非常に大きい。これで強気になったせいか、店頭で予約時より1つ上の容量のモデルに変更してしまった。結局、支払額は予約時に想定していたよりも増えてしまったが、容量もアップしたのでよしとしておくことにする(笑)。

Appleのストアでキャリアの契約手続きをすると、本体価格から8800円割り引かれる。機種変更でもOKだ

 購入したのはiPhone 13 Pro。カメラ周りやディスプレイが進化したiPhone 13シリーズだが、通信関連でもおもしろい新機能がある。デュアルeSIMがそれだ。iPhone 12シリーズまでは、物理SIMが1枚、eSIMが1プロファイルと組み合わせ方が決まっていたが、iPhone 13シリーズでは、eSIMとeSIMでDSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)が可能になる。物理SIMを入れてもいいし、入れなくてもいいというわけだ。

 せっかくなので、iPhoneの主回線にしているauのSIMカードをeSIM化してみた。切り替えは、KDDIのWebサイトから行う。物理SIMからeSIMに変更する場合は、eSIMの再発行手続きと同じ操作だ。ページにアクセスして、回線を選んでeSIMの発行手続きを行ったあと、回線切替の手続きを実施する必要がある。2段階に分かれているところに少々戸惑ったが、書かれていた手順通りでeSIM化ができた。

auのサイトに3ステップに分かれた手順が掲載されている。この通りに進めていき、回線を切り替えた

 待つこと30分程度でMy auに「eSIMプロファイルをダウンロード」のボタンが表示されるようになった。プロファイルのインストールは、このボタンを押すだけでOK。アプリから簡単にインストールできるため、別のデバイスにQRコードを表示させてそれを読み取るといった手間も不要で、よく考えられている仕組みだ。これで、iPhone 13 Proは物理SIMなしで運用できるようになった。

My auに「eSIMプロファイルをダウンロード」のボタンが表示された。Wi-Fiにつながった状態でここをタップすると、eSIMプロファイルのダウンロードが始まる

 と言っても、単に物理SIMからeSIMに変わっただけなので、特に大きな違いはない。SIMカード1枚分軽くなったぐらいだが、200gを超えてしまったiPhone 13 Proの重さの前には、誤差でしかない(笑)。ただ、eSIMにできるキャリアのSIMカードをeSIMにしておくことで、SIMカードスロットが1枚空くことになるのは重要だ。SIMカードの組み合わせに柔軟性が生まれるためだ。

au回線をeSIM化できた。物理SIMを差したままになっていたため、設定には同じauの電話番号が2つ表示されている

 たとえば、海外渡航時に現地キャリアのSIMカードを使う場合。eSIM化は世界各国で進んではいるものの、どうしても物理SIMしか見つからない場合もある。eSIMは料金プランが限定されてしまうケースも見受けられる。このようなときに、SIMカードスロットが空いていれば、そこに物理SIMを入れることが可能になる。物理SIMとeSIMに組み合わせが固定されているとできないことだ。現時点ではまだまだ海外渡航が気軽にできる状況ではないため、すぐに出番はないかもしれないが、あらかじめやっておいても損はない。

 難点は、SIMカードの入れ替えのように、気軽に端末を変えられないことだが、オンラインでの再発行には手数料もかからないため、ある程度この問題もクリアされている。ただし、回線切替の手続きが9時~20時に限定されているのは少々残念。24時間化しているキャリアもあるため、ぜひここは他社を見習ってほしい。現状、日本で発売されているスマートフォンでデュアルeSIMが利用できるのはiPhone 13シリーズだけ。そもそもキャリアモデルのAndroidにはDSDS対応機自体がほとんどないが、便利な仕様のため、標準的になってほしいと感じた。