みんなのケータイ
LINEMO、はじめました
【iPhone 12 Pro】
2021年7月26日 00:00
冷やし中華のようなタイトルで恐縮だが、3GBで990円の「ミニプラン」が登場したのを機に、LINEMOを契約することにした。「iPhone 12 Pro」でeSIMを使うためだ。
もともと、「iPhone 12 Pro」はauの物理SIMを挿しつつ、データ通信は楽天モバイルでまかない、予備としてIIJmioのeSIMを入れていた。こうすると、エリアに応じて回線を切り替えられて便利だ。ただ、楽天モバイルの1年無料が終了してしまったため、以前と同じように闇雲に使っていると、料金がどんどん上がってしまう。
メイン端末として利用している「Xperia 1 II」にはドコモの「ギガホ プレミア」のSIMカードが入っているため、「iPhone 12 Pro」ではそこまで通信しないが、Googleフォトの自動アップロードやスピードテストなど、意外とデータ容量を消費するサービスやコンテンツは多い。そこで3GBのLINEMOを足し、この容量を消費したら楽天モバイルに切り替えるよう、運用方法を変えてみることにした。
細かい差になってしまうが、LINEMOと楽天モバイルを比較した場合、同じ3GBであれば、LINEMOの方がわずかに安い。また、楽天モバイルは3GBを超えると、料金が2178円に上がってしまう。逆に、1GB以下は0円のため、もともと3GB~6GB程度のデータ通信をするのであれば、LINEMOを使いつつ、足りないときだけ楽天モバイルに切り替える使い方をした方が安く収まってしまう。
面倒なことを……と思われるかもしれないが、eSIMは複数回線ぶんを入れておくことができ、切り替えも画面をタッチするだけ。画面の明るさや音量を設定すると同じ感覚で操作できるため、物理SIMより圧倒的に手間がかからない。複数キャリアのeSIMを入れっぱなしにできるため、物理的なSIMカードと違って管理も不要。この切り替えやすさは、eSIMならではのメリットだと感じた。
LINEMOの回線を使って改めて気づいたのは、5Gのエリアの広さだ。楽天モバイルで使っていたときは、5Gのアイコンを目にする機会は少なかったが、LINEMOは割と頻繁に5Gをつかむ。ソフトバンクは4Gの周波数転用を始めているためだが、東京都心部はスポットではなく、エリアとしてある程度の範囲をカバーできるようになってきている印象を受けた。実際、ソフトバンクのエリアマップを見ても、転用開始以降、急速にエリアが広がっていることが分かる。
意外だったのは、自宅の中まで5Gのエリアになっていたことだ。4キャリアとも契約しているが、今のところ、宅内で5Gが入るのはソフトバンクだけ。周波数転用のため速度は限定的かと思いきや、4Gの頃よりケタが1つ上がり、300Mbps以上出るようになっていた。自宅以外でも、例えば渋谷の路上など、今まで2ケタMbpsだった場所で100Mbps超の速度が出るケースを確認している。
転用された5Gは4Gと速度が変わらないため、“なんちゃって5G”と揶揄されることもあるが、これはあくまで同じ帯域幅で4Gから5Gに転用したときの話。既存の4Gの帯域幅を減らさず、転用の5Gを上乗せするようにエリアを作れば、上乗せされたぶんだけ速度は高くなる。全体で見ればまだ5G端末の比率は低いため、上乗せ効果が大きいのかもしれない。自宅内ではドコモの4Gが300Mbps前後とブッチギリで速かったが、ソフトバンクの5Gが入ったことで順位が逆転してしまった格好だ。
LINEMOはオンライン専用ブランドではあるものの、れっきとしたMNO。その回線が、3GBで990円は破格の安さだ。この価格なら、筆者のようにeSIMで契約して、2回線目として使ってもいいだろう。似たような用途で利用されることが多いMVNOや楽天モバイルにとって、脅威になりそうな料金プランだと感じた。