みんなのケータイ

VRゲームでの消費カロリーをApple Watchで(やや強引に)管理

iPhone/Apple Watchのアクティビティ履歴。赤いリングが消費カロリー(ムーブ)で、1周している日が目標を達成している

 昨年8月の本コーナーでも書いているが、ここ1年くらい、筆者は健康管理に目覚め、継続的に身体を動かすようにしている。それもスポーツジムなどのお世話になるのではなく、日常的な移動や自宅内でのエクササイズでカロリーを消費するようにしている。

 Apple Watchのアクティビティにおける1日の目標(ムーブゴール)を400kcalと設定し、Apple Watchの文字盤にアクティビティを置いていつでも目標達成状況を確認できるようにしている。さらに「運動しなくて良い日などない!」と決め、消費カロリーが足りないときは日付が変わる直前でもエクササイズしてカロリー消費を稼ぐようにした。

 これがけっこう続いている。昨年8月からムーブゴールを達成できなかったのは1日、それもアメリカからの帰国日で、時差と飛行機搭乗により活動時間がほとんどなかった日だ。それ以外の日は、最低でも400kcalを消費できている。

 とくに最近はデスク付きエアロバイクや電動昇降デスクを自宅に導入したことにより、「ながら」で有酸素運動ができるようになった。もはや「エクササイズのための時間」を確保する必要がなくなり、仕事や読書、動画視聴といった日常の時間にカロリーを消費できるようになったのである。これも大きな効果を発揮した。いつもCESやMWCなどの海外取材に行くと体重が増えるのだが、こうした新たな運動習慣を導入したあとは、増えた体重を確実に減らせるようになってきた。

ここ1年間の体重の変化。プロ野球シーズンが本格化すると、試合中継を見ながらステッパーやエアロバイクを漕ぐので、ときには数時間の運動となり、地味に痩せていく。別に筆者が試合に出場するわけではない

 そしてそんな状態なのに、2月からは新たなエクササイズとしてVRゲーム(PCのHTC VIVEを使用)も取り入れた。タイトルによるが、VRゲームはけっこうカロリーを消費する。動きの大きなゲームを1時間くらいぶっ続けでプレイすると、この季節でもTシャツ1枚で汗だくになるくらいだ。

 しかし困ったことに、こうしたVRゲームで消費するカロリーは、Apple Watchなどのウェアラブル機器では計測しにくい。Apple Watchのワークアウトアプリは、「屋外ウォーキング」や「ステアステッパー」、「ハイキング」などさまざまなワークアウトプログラムに対応するが、(当然ではあるが)その中には「VRゲーム」というものはない。

「その他」でVRゲームを測定した結果。1時間で469kcal、ちょっと多めな気がするけど、自宅内での遊びで1時間に400kcalとか消費というのはけっこう画期的

 そこで筆者は、アメリカのある研究機関が公開しているデータを参考にすることにした。その研究機関のデータによると、筆者が最近よくプレイしているVR定番の音ゲー「Beat Saber」は、平均運動強度6.24METs、だいたいテニスや時速8kmのジョギング程度となっている。体重60kgの人だと、消費カロリーは1分あたり6.55~7.45kcalだとか。ちなみに筆者の体重は62kg前後なので、もうちょっと消費カロリーは多くなるハズだ。

 試しにApple Watchのワークアウトアプリで「その他」を設定し、「Beat Saber」を1時間ほどプレイしてみたところ、消費カロリーは469kcalと算出された。途中にステージセレクトの休憩があったり、筆者の熟練度(まだハードレベル完走がやっと)を考えると、もうちょっと低くても良さそうなのだが、前述の研究機関のデータと比較しても、そこまで間違ってはいなさそうな数字だ。

 ちなみに「Beat Saber」には消費カロリーを計算するMOD(第三者による拡張プログラム)があったりするのだが、そちらによると、332kcalと算出されていた。MODの方が正確に算出されそうなものだが、VR機器には体重や心拍数のデータがないので、Apple Watchの方が信頼できるかな、と思っている。

 ほかにもApple Watchのワークアウトアプリで「室内ランニング」に設定して1時間ほどプレイもしてみたが、そちらでは352kcalと計測された。こちらは腕の振りからケイデンスと平均速度を計算したりと、ランニングに特化したモードなので、「室内ランニング」にするより、「その他」で計測した方が正確そうな印象だ。

ゲームのトロフィーや実績みたいな感じで、アクティビティの達成状況の記録が残っていく

 スマホやウェアラブルデバイスで日々の消費カロリーを計算することは、日常的な運動を継続するモチベーションを維持する上で、非常に効果的だ。「今日は消費カロリーがちょっと足りない!」というようなことがすぐにわかるかどうかは、大きな違いとなる。また、記録したデータを積み重ねていくことも重要だ。

 しかし記録したデータを見返したところ、VRゲームを導入してからは、ちょっとカロリー消費が多すぎる日が続いているのがわかった。とくにここ数日は、この原稿を書くためにいろいろ試したせいもあり、1日700kcalを超えてる日が連続していて、1000kcalを超えている日もある。それはそれでいいと思っていたが、食事制限もしているので(筆者は血糖値も血圧も高めなのである)、VR導入の2月に入ってからやや急激な体重減少も起きている。

 こうなってくると健康的なんだか不健康なんだかわからなくなってくるので、もしかして「ゲームは1日1時間まで」ならぬ「VRは1日1メガcalまで」みたいな制限が必要になってくるのだろうか……。