みんなのケータイ
国内各地でタクシー配車アプリ「JapanTaxi」を使って見えた課題
2018年10月24日 06:00
本コーナーで少し前にも紹介した「全国タクシー」(現:JapanTaxi)アプリを使って、国内各地を旅行中に、スマートフォンからタクシーを配車してみました。利用したエリアは東京、埼玉、福岡、札幌、大阪などです。
利用するエリアを問わず、JapanTaxiでタクシーを配車する際に最も困るのは、雨が降り始めたタイミングや、朝夕のタクシーの稼働率が高い時間帯に予約や配車をしようとすると、それなりの確率で「配車できるタクシーがありませんでした。」というメッセージが表示され、配車ができないケースです。
このケースで困るのは、「すぐに配車」ではなく「配車予約」の場合に「同じ条件で別の会社で注文」するフローが用意されていないこと。
需要が集中するタイミングで、配車できるタクシーが無い状態になるのは、ある程度仕方の無いことではありますが、JapanTaxiアプリからの配車に対応するタクシー会社が複数ある地域の場合、ユーザーのニーズからすれば「配車が成立しなかったので、別のタクシー会社に配車リクエストしよう」となるのが自然です。
しかしながら、予約注文が不成立になった場合、同じ条件でそのまま別のタクシー会社に配車リクエストを行う方法は用意されていないため、出発地・目的地・タクシー会社のほか、一部のタクシー会社では車種の指定、クーポン適用の有無を再度行う必要がある上に、そもそも予約注文が集中するタイミングでは配車が不成立になる確率が通常時よりも高くなるため、何度も繰り返し配車リクエストを行うのはストレスを感じます。
また、土地勘が無い場所でアプリを使って配車をする際などに、タクシーが待機(駐車)して問題ない場所かの判断が難しい、という問題も、ドライバーとユーザーを悩ませる問題と言えるでしょう。出発地(タクシーの乗車場所)に指定した道路が、アプリ上からは道幅が広いように見えても実際には道幅の狭い道路であったり、何らかの理由で駐車禁止エリアに指定されていたりするケースがありました。
こういったケースでは、音声通話なりアプリ内のメッセージ機能(現時点は対応されていません)を使って、ドライバーとコミュニケーションができれば、配車場所を柔軟に変更するなどの対応ができそうです。一例をあげると、筆者が海外で利用する機会の多い交通アプリ「Grab」では、アプリ内のチャット機能を使って車やバイクのドライバーとコミュニケーションが取れるため、「○○ホテルのエントランスに来て下さい」などのやりとりが簡単にメッセージでやりとりできます(JapanTaxiでは、配車リクエストを行う時点で場所の詳細を記載する必要があります)。
このほかにも、アプリ上はすぐ近くにタクシーが見えて、配車リクエストを行ったらすぐにタクシーが来そう……と予想した上で配車リクエストをしても、すぐ近くのタクシーが配車されるとは限らないほか、一方通行などの交通ルールの問題によって到着までに15分以上の時間を必要とするケースもあり、「○○分ぐらいでタクシーが来るだろう」というのが、実際に配車をしてみないと把握しにくいのも、悩ましいところです。
反対に、「とりあえず配車して、タクシーを待たせておけばいい」という考え方でアプリを使うと、待ち時間が長くなりドライバー側の負担が大きいため、サービス全体が健全に発展するためには好ましくないでしょう。配車アプリで呼ばれた場合の待ち時間が長い…という声は、特に札幌市内を走るタクシーのドライバーで聞かれました。ドライバーの話によると、冬期に屋外でタクシーを呼んだり待ったりするのを避けたいという理由で、タクシーを配車するユーザーが多いようです。
また、普段からよく使っているエリアではさほど困りませんが、8月上旬に実施されたアプリのアップデートにより、タクシー会社毎の迎車・予約手数料が一覧表示されなくなったため、各種手数料を確認するためにタクシー会社を選択→迎車料金を確認する必要があります。
旅行や出張時など、普段とは違うエリアで同アプリを使おうとすると、メーター運賃以外にいくら必要になるのかがわかりにくい、というのも、全国各都市でサービスを使って感じた率直な感想です。
やや厳しい感想が多くなりましたが、全国各地のタクシーをスマホ1台で呼べるJapanTaxiは、トラブル無く使うことができれば、行く先々で移動に関するハードルが低くなり非常に便利であることは間違いありません。
実際に、電車やバスなどの交通手段では到達が難しい(時間がかかる)エリアに移動する際に、JapanTaxiを使うことで時間が大幅に短縮できたり、楽に移動できたケースも何度も経験しているので、国内旅行・出張時には欠かせないサービスの一つであるだけに、今後のアプリ・サービスの改善に期待したいと思っています。