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安くなるけど躊躇しているベーシックシェアパックへの変更

ドコモ、ベーシックシェアパックを5月25日に提供開始

 ドコモが新しく提供するパケットパック「ベーシックパック/ベーシックシェアパック」への変更を躊躇しています。

 現在筆者は、家族向けの「シェアパック5」または「シェアパック10」を契約(必要に合わせて変更)しており、基本的にシェアグループ内のデータ通信量が月間5GBを越えることは、ほぼありません。

 新しく始まる「ベーシックパック」では、実際に利用したデータ通信量によって料金が決定します。単純に言えば、データ通信量が少なければ少ないほど、支払いする料金が安くなり、毎月のデータ通信量が5GBを越えることがほとんど無い筆者の場合、ベーシックシェアパックに変更すれば、料金は計算上割安になります。

筆者の場合、確かに割安にはなりそう……

 しかしながら、新しいデータパックで気になる点は「使えば使うほど料金が加算されていく」ことと、「データ通信量の翌月繰越はない」という仕様です。

 「利用したデータ通信に応じて料金決まる」という、ある意味で電気・ガス・水道のような公共インフラに近い料金設計と言える新プランですが、一般的な使い方をする限り、電気・ガス・水道は意図しない使い過ぎによる過大請求の心配はほとんどありません。

 一方、携帯電話サービスのデータ通信は、通信量が目に見えるわけではないので、本誌関口の例のように、うっかり大量のデータ通信を行ってしまった、という経験がある方も多いでしょう。

 従来のパケットパックでは、規定量以上のデータ通信を行うと通信速度が制限されますが、ベーシックパックでは通信量に応じて料金が上がっていくため、うっかり大量の通信を行うと、その分しっかりと料金が発生します。

 使った分だけ料金が発生するのは、ある意味でフェアなプランとも言えますが、なるべくデータ通信を行わないように心がけながら、スマートフォンやモバイルWi-Fiルーターなどのデータ通信を利用するのは、ずっとずっとストレスを感じるように思います。

 また、毎月一定量のデータ通信量を購入するタイプの「パケットパック」では、利用しなかったデータ通信量は翌月末まで繰り越して使えるのですが、新たに提供される「ベーシックパック」では、余ったデータ通信量の繰り越しがありません(毎月一定量を購入するわけではないので、ある意味当然ですが……)。

 余ったデータ通信量が繰り越しできないことで影響を受けるのが、海外でのデータ通信が980円/24時間の定額料金で使える「パケットパック海外オプション」です。

ドコモのローミング新サービス「パケットパック海外オプション」

 同サービスは、国内で契約しているパケットパックのデータ通信量をそのまま海外でも使えるサービスで、海外でのプリペイドSIMカード購入時の本人確認の厳格化や、それに伴う手続き・待ち時間が長時間化していることを踏まえて考えると、非常に便利なサービスと言えます。

 毎月一定量のデータ通信が利用できる「パケットパック」を契約し、なおかつデータ通信量を余らせている場合は、前月から繰り越したデータ通信量を海外でのデータ通信用に使うこともできますが、新しい「ベーシックパック」は使った分だけ料金が発生するため、どうしてもデータ通信をなるべく控える方向へと力が働いてしまいます。

 超高速なデータ通信に対応した最新端末を持っているにも関わらず、データ通信は極力使わない、という使い方は、宝の持ち腐れというか、端末が泣くというか、そんな気がして「なるべくデータ通信を使わない」ことによって料金的にメリットがあるプランへの変更は躊躇しています。