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Bluetoothで心地よい音楽、aptX対応ヘッドセット

【HTC 10 HTV32 & MONO MO-01J】

 「Bluetoothで音楽なんて……」と思っていた。コードが無くて便利な代わりに、音楽を楽しむには不十分な音質の悪さなのだろうと、そう思って手を出さずにいた。

 ところが、そんな筆者の考えは古くなっていたらしい。高音質コーデックの「aptX」を知って、試してみたい欲がわいてきた。そんな折、LGのBluetoothステレオヘッドセット「TONE PLATINUM」と出会った。

HTC 10と「TONE PLATINUM」

 おさらいしておくと、「aptX」はBluetoothで音楽を伝送する際に、音声を圧縮する方式(コーデック)の1つ。標準的なSBCコーデックよりも音質が良く、遅延が少ないのが特徴とされている。イヤホンと再生端末、両方が対応していれば利用できる。

 筆者がメインで利用している「HTC 10」は、音楽に力を入れている端末だけあって、aptXをサポートしている。

 さっそく、Google Play Music(320kbpsの圧縮音源)でRADWIMPSのアルバム「君の名は。」を聴いてみて驚いた。筆者の耳が訓練されていないせいかもしれないが、かつて使っていた2万円台の有線イヤホンと遜色のない音で再生された。

MONO(左)とHTC 10(右)、2台同時に待受できるので聞き比べも楽ちん

 せっかくだから非対応機種と聞き比べしてみようと、標準コーデックのSBCのみ対応の「MONO MO-01J」と同じ曲を再生して比較してみた。確かに違う。例えば、「図書館」という曲で、ピアノの背景に聞こえる“うねり”のような低音がaptXでは、はっきりと伝わってくる。

ちなみに、Bluetoothはデジタル出力なので、HTC BoomSoundのような音響効果は楽しめない

 また、同じアルバムのハイレゾ音源(48kHz/24bit)も購入し、aptX対応のHTC 10で聞き比べてみた。しかし、こちらは聞き取れる音の範囲が広がったような……という程度で、大きな違いは感じられなかった。

 実は、aptXにはハイレゾの性能を引き出す上位規格「aptX HD」があり、「TONE PLATINUM」も対応している。こちらは24bit/48kHzまでのハイレゾ音源に対応する。

 aptX HDで聴けば違いがはっきり分かるのかもしれないが、対応機種が少ない。発売済みのスマートフォンではおそらく「isai Beat」だけだろう。

 もっとも、ふだん電車で音楽を聴くだけなら、コーデックによる音質の違いは気にならない程度だ。外から付けていて、家の中でもずっと付けたまま、いい音で音楽を聴けるのがうれしい。

イヤホン部分は使うときに引き出す。ボタンを押すと掃除機の電源コードみたいにシュッと巻き取られる

 さらに、ずっと首にかけているままでいい首掛けタイプなので、高級なイヤホンを断線したり、無くしたりしてトラウマになっている筆者にとってはとてもありがたい。

 “最高にいい音”で聴きたい人には、まだ専用アンプと有線ヘッドホンの組み合わせが最適だと思うが、ライトな使い方ならワイヤレスでも十分だと思えた体験だ。