DATAで見るケータイ業界

キャリアショップの運営代理店は700社弱、代理店1社あたり店舗数はソフトバンクが他ブランドを引き離す

 前回に引き続き、MCAの調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗一覧 2024秋」から、キャリアショップの動向を探ってみたい。今回は、地域別の店舗数と、店舗を運営する代理店について、取り上げたい。

キャリアショップ数の地域分布、最多の「南関東」に23.4%が集中

 キャリアショップの全国的な展開状況を確認すべく、各社の店舗数を全国10地域別に集計したところ、全体では「南関東」が23.4%で最も多く、「近畿」が2番手、「東海」と「九州/沖縄」がほぼ同数で3番手、となった。

 各社ごとに地域別分布には濃淡があらわれた。NTTドコモは、4社のなかで唯一、「南関東」の比率が2割を下回った。東名阪にあたる「南関東」「東海」「近畿」の3地域すべてで全体の比率より自社の比率が低くなっている。これは、他社よりも東名阪以外の地域に手厚い配置を行っていることの裏返しでもある。

 ソフトバンクは、「東海」の比率が全体より3ポイントほど高かったが、逆に「九州/沖縄」の比率は全体より2ポイントほど低くなった。KDDIは、全体の比率と自社の比率との差が全ての地域で1ポイント程度に収まっており、平均的な店舗配置といえる。

 楽天モバイルは、「南関東」に4割以上の店舗が集中しており、全体の比率より約20ポイントも上回る結果となった。「近畿」も5ポイント強上回っており、都心部に店舗を集中させていることが明らかになった。

キャリアショップの運営代理店は700社弱、代理店1社あたり店舗数はソフトバンクが他ブランドを引き離す

 当レポートでは、今回より運営代理店の調査も実施した。キャリアショップ7,142店舗のうち、95.8%にあたる6,847店舗の運営代理店名が判明しており、その結果をもとに代理店に関する動向も見ていきたい。

 キャリアショップの運営代理店数を集計したところ、6ブランド全体で700社弱となった。ブランド別の代理店社数では、NTTドコモとauがほぼ同程度の代理店網を抱える一方、ソフトバンクは2つのブランドと比べて100社以上も少ない代理店数となった。

 そのため、店舗数を代理店数で割った「代理店1社あたりの店舗数」は、ソフトバンクが最も多い結果となった。

 なお、業界が一次店・二次店などの多層構造となっており、1つの店舗で複数の代理店(上位代理店と運営代理店など)が判明したケースもある。その場合、1つの店舗に対して最大2つの代理店を調査の対象とした。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/