スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

うそっ? 安っ! Godoxのフラッシュ、ヤバいっ♪

逆光の自転車をどう撮る? そうだ、明るいフラッシュ、買おう

 ここのところ、仕事で自転車を撮影することが増えておりまして。家電 Watchの「e-bike情報まとめ」への寄稿用。自転車のレビュー記事ですが、それに掲載する自転車の写真です。↓こんなの。

左はTern(ターン)の「Vektron(ヴェクトロン) S10」(レビュー記事)。右はルイガノの「ASCENT e-sports(アセントイースポーツ)」(ニュース記事)。どちらもe-bike(電動アシスト・スポーツ自転車)です。こんな写真をレビュー記事に掲載します。

 ところで、上の写真、左はけっこうキレイですが、右はちょっとビミョーですよね。富士山をバックにしているのに……なんか富士山が白っちゃけてる。いわばネムい。また、自転車もフレーム以外が見えにくいですね。黒いところが潰れちゃってる、みたいな。

 右の写真がビミョーなのは、背景と自転車の明るさのバランスが悪いからです。一応、外部フラッシュ(ストロボ)は発光させているんですが、太陽光は自転車に対して逆光。自転車を照らす光量が十分でないので、自転車をある程度明るく見せようと露出調節をすると、富士山が明るすぎに写ってしまうというわけです。

 ちなみに、上の写真は撮影した画像をトリミングしただけです。画像の明暗調節などはしていません。でも、レタッチソフトなどを使えば、ある程度は明るさのバランスを整えることができます。たとえば↓こんな感じ。

前出の写真と同じものです。左が撮ったままの写真で、右が明るさなどを調整したもの。調整後、まあまあ良くなりましたが、印象としては「もっと富士山はキリリとしていて、自転車も細部までよく見えた」って感じ。やはり、まだ微妙です。
これはまた別の場所。自転車は日陰にあり、外部フラッシュを使って撮影しています。左が撮ったままの写真で、右が明るさなどを調整したもの。左はかなりビミョーですし、右はけっこう不自然です。明るさのバランスが悪いと、調整しきれません。

 背景としてキレイなので、山梨県の富士五湖周辺で自転車の写真をよく撮ります。富士山をバックに自転車の写真を撮ったりするわけですが、地理的に、太陽に対して自転車が逆光になることが多いんですね。なので昼間でもフラッシュ撮影したりするんですが、手持ちのストロボの光量が足りないので、富士山の明るさと自転車の明るさのバランスが取れないという次第。

 ちなみに現在使っているフラッシュのGN(ガイドナンバー;フラッシュ光量の目安)は40。もうちょっと明るいとイイような気がします。じゃあもっと明るいフラッシュ買おう!

 現在使っているカメラはオリンパスの「OM-D E-M1 Mark II」(レビュー記事)。メーカー純正の外部フラッシュ一覧を見ると、FL-700WRはGNが42、FL-900RはGNが58、FL-600RはGNが50となっています。メーカー希望税別小売価格は順に、4万5000円、8万円、3万5000円。純正品はけっこうお高いのでした。

安いけど超高性能な「神牛」製フラッシュ

 純正フラッシュはお高いから、サードパーティ品にしましょう~。安いのでいいですぅ~。時々使うだけだし~。

 ということで、とりあえずAmazonで「オリンパス フラッシュ」をキーワードに検索してみると……サードパーティ品がいろいろ見つかりました。そのなかには「Godox」というメーカーの製品も。

 Godoxは最近話題沸騰中の中国メーカーです。日本ではKPIが正規代理店(公式ページ)となっていますが、Amazonで見つかったのは並行輸入品。並行輸入品は、代理店取扱品よりも安価です。ただ、日本国内で日本語のサポートや保証を受けたり、日本語の説明書が必須の場合は、やはり正規代理店から購入するのが安心です。

 さておき、Godoxのフラッシュ、並行輸入品だとかな~り安いです。しかも、オリンパス用のTTLオートフラッシュ(レンズを通してカメラに入ってきたフラッシュ反射光で露出を自動決定する方式)まである。こういうサードパーティ品、たいていキヤノン用とニコン用しかなかったり、良くてソニー用もあったりする程度で、オリンパス用ってのがなかなか無いんですよね~。でもGodox製だとあるのか♪

 で、良さそうなのがGodoxの「V860II」(公式ページ)のオリンパス対応品(V860II-O)。GNは60。明るいです。しかもコレ、電源は専用の2000mAhリチウムイオンバッテリーで、光量最大で650回発光させられて、チャージも高速っぽい。さらに1/8000秒のハイスピードシンクロ撮影対応ですって。撮影中に高速・断続的に発光させ、動く被写体の断続的なイメージを撮る「マルチフラッシュ」撮影もできるらしい。

Godoxの「V860II」シリーズ。TTLのクリップオン・フラッシュで、GNは60。公式ページにはキヤノン用、ニコン用、ソニー用しか掲載がありませんが、Amazonにはオリンパス(およびパナソニック)用がありました。ちなみに、Godoxの中国語表記は「神牛」のようです。

 あとコレ、独自のワイヤレスフラッシュシステム「Godox 2.4GワイヤレスXシステム」に対応していて、複数のフラッシュを同時発光させての多灯撮影にも対応している。しかも、マスター(電波を発してほかのフラッシュを制御するトリガー役フラッシュ)にもスレーブ(トリガーからの電波を受信して発光するフラッシュ)にもなれる。さらに「技適マーク」付きとあるから、日本国内でも合法的に使えるじゃ~ん。

 そして驚くのがそのお値段。ナンと1万8000円! マジか! ていうかコレって詐欺とか? 安すぎて不安なんですけどぉ~。でもカスタマーレビュー読むとマトモな製品っぽいので、ポチッと購入!

 ちなみにV860II(のオリンパス適合品ことV860II-O)、現在は2万円になってました。筆者が買ったときは、なんかのセール価格だったのかもしれません。

 ただし、前述のとおり、Amazonで売ってる安いGodox製品は並行輸入品です。日本語サポートや説明書が期待できないなどのリスクがありますので、これを嫌う場合は国内正規代理店のKPI取扱品を購入するのが無難です。……でも、オリンパス適合品のV860II-Oって、正規代理店で扱いがないのかも?

イイ、V860IIはイイっ、かなりイイ!

 さてさて、速攻でAmazonから発送された並行輸入品のV860II(のオリンパス適合品ことV860II-O)。さっそく使ってみましたが、すんごくイイです。大光量でチャージ超速いしバッテリー減らないし、つくりもシッカリしている。

 フラッシュのことをある程度知っていれば、フツーに使える操作性だとも思います。マニュアルのフラッシュとしてもTTLオートフラッシュとしても、わりとシンプルに使えます。露出補正値も±0.3EVと細かく刻めて文句なし。

 しかしまあ、1万8000円とかでGN60のTTLオートフラッシュで、2.4GHz帯ワイヤレス同期が可能で、バッテリーがリチウムイオンって、コスパが尋常でなく高いですね~。凄いというか、凄まじいです、Godox。

 あ、でも防塵防滴とかの性能はナシだと思われますので、過酷な現場で使うならメーカー純正の防塵防滴な感じのフラッシュがいいのかも。また、カメラのホットシューへの着脱が古風なネジ式だったりするのは、何というか大陸的かもしれない。

 ともあれ、かなりバッチリな感じのV860IIなので、購入後間もなく「富士山バックでの逆光撮影」も試してみました。自転車じゃなくてバイクが被写体ですけど。結果は↓こんな感じになりました。

左が富士山に露出を合わせて撮影したもの。バイクは順光でないので暗くなっています。中央はフラッシュV860IIを使って撮影したもので、バイクの明るさが持ち上げられ、富士山との光量バランスがだいたい整いました。右はそれをレタッチソフトで調整したものです。もうちょっと明るいほうが良かったかも?

 この日は晴天で太陽光も強く、バイクにはかなり濃い影が出ていました。しかし結果は良好。V860IIを使って撮ったら、まずまずイイ感じに♪

 V860II、ちょっと重いけど、やっぱり光量があってイイな~。これ多灯撮影できるし、本腰入れればもっとバランスのいい写真になりそう。やる気が出てきます。

 っていうか、Godox製品を買う気が出てきましたよ~。こういうスペックの製品としては決して高くないっていうか、かな~り安いっていうか、激安ですし、Godoxにはほかにもいろいろなフラッシュ製品があるので、ほかの製品にも手を出してみたいナと。買って使ってイイ感じでしたら、またご紹介いたします~♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。