スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

登山ロープでカメラストラップを自作!

好みのザイルストラップを作る

 ここのところ流行っている「クライミングロープ・ストラップ」。登山用のロープ(ザイル)を素材にしたカメラ用のストラップです。現在はさまざまなブランドから発売されていて、価格も低下傾向。筆者も以前に購入し、1本持っています。使ってみるとイイ感じ♪ 登山ロープの質感や色柄が新鮮です。

 ただ、ちょっとモヤモヤする点も。実用上問題ない点なんですが、ストラップとカメラ金具(二重リング)の接続部が革素材。ロープも金具も強靱ですが、革のつなぎ目部分が弱点になってる? みたいな。

 でも、このモヤモヤ感を払拭できる方法がありました。自作です。後述しますが、筆者は登山用ロープを使ったバッグ用ストラップを何本も自作していて、その方法を使えば弱点がより少ないクライミングロープ・ストラップが作れれそう。で、実際作ってみたらサクッと完成。イイ感じのが出来上がりました。

Extended Photographic Material(公式ページ)の「YOSEMITE CAMERA STRAP(ヨセミテカメラストラップ)」。Amazonにて8343円で買いました。つくりも素材感もよく、実用性も高い新感覚ストラップです。実用上問題にならない点ですが、ロープとカメラを接続する部分が革製で、筆者的にはその箇所が強度的にアンバランスに感じられ、ちょっとモヤモヤ。
モヤモヤ感を払拭すべく自作したクライミングロープ・ストラップ。ロープ、細紐、カメラ用二重リング、瞬間接着剤あたりの材料で作れれました。接続部の強度も十分。じつは材料費安く(1000円以内)で、30分あれば作れたりします♪

 手前味噌っていうか自画自賛になっちゃいますが、予想以上にイイ感じのクライミングロープ・ストラップができました。自作方法も簡単。また、アウトドアショップではさまざまな色柄のクライミングロープが売られていて、切り売り品の価格は1mで200~400円くらい。

 好みの色柄・太さ・手触りのロープを使い、安くて簡単に、強靱なクライミングロープ・ストラップを作れる! ということで、今回はその方法をマトメてお伝えしたいと思います。

カメラバッグの「ちょい持ち」用ストラップ自作

 クライミングロープ・ストラップ自作方法の前に、筆者がそれに至るまでの経緯を少々。興味のない方は、ここを読み飛ばして次の章へ。

 最初は、カメラバッグなどのショルダーバッグを「一時的にちょっと手に持つためのストラップ」を探していました。ショルダーバッグって、肩かけ・斜め掛けするときは問題ありませんが、そうせずに「一時的に手に持つ」ときが使いにくい。長いショルダーストラップを短くしたり束ねたりして手に持つわけですが、それだと持ちにくいです。最初から「ショルダーストラップを手に持つための短いストラップ」が付属しているバッグもありますが。

 で、そういう用途に合う短いストラップを探していましたが、イイ感じの長さのものがない。全然ナイ。じゃあ自作しよう、と。いろいろな素材・方法で自作を試みましたが、結果イイ感じだったのが登山用ロープなどの化繊ロープを使う方法でした。

カメラ用ショルダーバッグや一般のショルダーバッグを一時的に手に持つための自作ストラップ。両端金具を含めた長さは約50cmで、バッグ側のショルダーストラップ装着用金具(D環)にセットして使います。ロープは登山用のザイルで、太さは約12mm。金具も含めて非常に強靱です。
自作ストラップをカメラ用ショルダーバッグに装着した様子。このバッグには手で持つための取っ手がありますが、ファスナーを閉めた状態でないと取っ手を利用できません。別途こういうストラップがあったほうが断然便利です。
こちらは小型カメラバッグやポーチを手に持つための自作ストラップ。太さ約7mmの登山用ザイル……というか細引き(プルージック・ロープ)で作りました。これもバッグ両側のD環などにセットして使います。
自作ストラップをポーチに着けた様子。ショルダーポーチをハンドバッグ的に持ちたいときに非常に便利です♪
金具とロープの接続部分はどれも同じ方法で作りました。金具を通してロープを折り返し、二重になったロープを細紐(強靱な化繊紐)で強く巻くという方法です。細紐は巻き終わりを縛って接着するなどの処理を施しています。しっかり強く巻き、巻く幅が長いほど、接続部分が強靱に。二重のロープと細紐の摩擦が接続部の強さを生んでいます。

 ロープと細紐と金具がストラップに。金具もロープ太さ・色柄も自在。好みのストラップを作り放題です。上の自作ストラップは長期間使っていますが、意外なほど壊れません。作りかたにより強度も変わってきますが、自由自在に作れて強度も十分。しかも材料費も安く、慣れると1本15分とか10分で作れちゃいます♪ この都合のいい方法でクライミングロープ・ストラップを作るしかない! と思った筆者なのでした。

クライミングロープ・ストラップの自作方法

 では、クライミングロープ・ストラップの自作方法を。まず材料・道具を揃えます。とりあえず写真でどうぞ。

ストラップ部となるロープは、外皮(シース)と中芯(コア)に分かれた登山用ロープが好適です。太さは10mm前後がいいと思いますが、お好みで。ロープ端を巻くための細紐は、化繊の強靱な紐で、太さは2mm以下がいいと思います(より細いと巻いたときにロープへより強く食い込んで摩擦が増し強度が上がります)。どちらもネット通販でも手に入りますが、登山用品店などで実物に触れて買うのがいいと思います。細紐は(関連記事)ATWOODの「MICRO CORD」や「NANO CORD」がオススメです。
好みのカメラ用リング、ロープや細紐を切るハサミ、それからロープ端のほつれ止め(焼き留め)をするためのライター、瞬間接着剤も用意します。瞬間接着剤の代わりにUVレジン(関連記事)を使うのもいいと思います。

 さて、作っていきますが、その前に。カメラ用ストラップということで作例を示しますが、カメラを吊すということで、作り方が悪いと最悪カメラの落下・破損につながります。作成のポイントはロープとカメラ金具の接続部の処理で、その部分に十分強度があれば落下・破損を防げます。

 その部分の強度は作り方次第ですので、自作ストラップ使用におけるリスクはあくまでも自己責任で。

 でもキッチリ&シッカリ作れば大丈夫だとは思いますが。

 さて、作り方。写真でご説明します。まあ単にロープ端にカメラ金具を通し、ロープを二重にし、その二重部分を細紐でグイグイと強く巻き止めていくだけですが、ご覧ください。

(1)ロープを必要な長さにカット。長さ調節方法も後述しますので、無難に長めにカットしておくのもアリです。カットしたら、端をライターで炙って焼き留めます。ホツレ防止ですね。ロープ端を炙って溶かして指先やツールで成形して……を何度か繰り返してホツレないようにします。火傷と火事には超絶注意です!
(2)ロープにカメラ用リングを通します。同時にに穴を開けた革などを通せば、カメラボディにリングが当たって傷つくのを防ぐこともできます。
(3)ロープ端を二重に折ります。このとき、ロープの間に細紐を入れてしまいましょう。また、二重にするロープとその間に入る細紐に瞬間接着剤を付けて仮止めすれば、以降の作業を行いやすくなります。細紐でロープ二重部分を少し縫い、それから細紐を巻き始めてもいいでしょう。
(4)ロープ二重部分を細紐で巻いていきます。なるべく強く巻きましょう。巻き方が緩いと二重部分のロープがズレたり抜けたりして、カメラ落下・破損を招く可能性があります。
(5)強く2~3cm程度巻けば十分な強度が出ると思います。細紐を強く巻くほど、また、巻く回数が多いほど、ロープ二重部分の摩擦が大きくなり、強度が高まります。巻いていくとき、瞬間接着剤で細紐を仮止めしつつ巻き進めると作業が容易になります。
(6)巻き終えたら、細紐の端を瞬間接着剤などで固定します。巻き始め周辺と巻き終わり周辺の何カ所かを固定すると、より耐久性が高まります。紐の接着・固定にUVレジンを使うと、ゆっくり作業していけます。
(7)もう片方も同様に処理したら、はい完成♪
(8)カメラに装着した様子。

 以上が基本的な作り方です。カメラ用リング部に、長さ調節可能なストラップパーツを追加したりすれば、さらなる機能性を付加することができますネ♪

 最後に、このテのクライミングロープ・ストラップの長さ調節方法を。単純にロープ部分を結んで長さ調節してもいいと思いますが、実際にそれをやるとコブが大きめの二重止め結びになり、結び目が邪魔だったり、体に当たって痛かったりします。そこで、細紐を使った長さ調節方法をご紹介します。

(1)ストラップの途中を二重にしつつ長さを調節します。ループのぶんだけ短くなります。
(2)二重部分に細紐を巻きます。細紐自身を巻き込むように、やや強めに巻きます。
(3)強く巻けば2~3cm、やや強めなら4cmくらい巻けば完成。細紐の端が解けないように軽く結びましょう。ロープのループが邪魔なら、ロープを三重にして細紐で巻いてまとめてもOK。
(4)長さ調節しないときは、細紐をロープに巻いて片付けられます。なお、長さ調節に使う細紐は、ストラップ制作時に使ったものより太めのものが扱いやすいです。2~3mmくらいのものがいいと思います。

 てな感じの自作クライミングロープ・ストラップ。好みの色柄・太さのロープを使い、使い方にマッチした長さのストラップを作れます。出来上がりは意外なほど頑丈。かかる手間や時間は少なく、費用もかなり抑えられますので、興味のある方はぜひ一度作ってみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。