スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」
炭酸ボンベ式の空気入れが好き
2018年4月4日 06:00
頼りになるCO2インフレーター
今回は、スポーツ自転車用の便利道具の話。ポータブルの空気入れです。
普通の自転車に比べて、スポーツ自転車だとより遠くまで行けます。長距離走れるわけですが、場合によっては周囲に自転車屋さんどころか人家さえないエリアを走ることも。そんな場所でパンクするとタイヘン! 最寄りの町まで自転車を押して……って、それは明らかに苦行ですので、スポーツ自転車で遠くに行く人はたいていパンク修理セットを携帯しています。
パンク修理セットさえあれば、パンクしたその場で修理OK! 走行を続けられる! ……ハズなんですが、パンク修理ってけっこうタイヘン。
スポーツ自転車の場合、まずホイールを外しやすくできています。また、最も普及しているクリンチャータイプ(タイヤとチューブが分離しているタイプ)のタイヤの場合なら、パンク後にホイールを外してチューブを取り出し、パンクの穴にシールのように使えるパッチを貼り、チューブを戻して空気を入れる程度。修理手順もシンプルです。
しかし、実際に出先にて自力でパンク修理をすると、最後の空気入れ作業が大変です。携帯用ポンプ(空気入れ)は小型だったりするので、手で何度も何度もポンプを押し引きして空気を注入する必要があります。ロードバイクなどですと適切な空気圧が8BAR前後(約116psi前後)と高く、携帯用ポンプでの空気注入作業はすご~くタイヘン!
実際に筆者も数度経験しましたが、真冬ならまだしも、真夏の携帯ポンプでの空気入れ作業は「昭和の部活におけるシゴキか!」ってくらいツライです。汗ダクで頭クラクラ。苦行です。
そんなときに超絶役立つのがCO2(二酸化炭素)ボンベ式の空気入れ。CO2インフレーターなどと呼ばれて市販されていますが、圧縮炭酸ガスにより数秒でタイヤの空気入れが完了するというグッド過ぎるグッズです。実際に使うと、「シュフッ~」的な音とともにドバッとタイヤが膨らんで空気入れ完了。ロードバイクのクリンチャータイヤにでも8BARくらいの圧力で気体が入っちゃいます♪
一度使うと「CO2インフレーター……恐ろしいコっ!」とか思うくらいデキる道具。スポーツ自転車で遠くまで行くときには、ものすご~く心強く、実際に頼りになる存在です。というわけで筆者はCO2インフレーターに目が無く、良さそうな製品を無駄に買っちゃうんでした。
CO2インフレーター、どんなのがある?
CO2インフレーターには、いくつかタイプがあります。それぞれを見ていきましょう。
まずは最もシンプルなタイプ。CO2ボンベの先にネジ込んで使うタイプです。タイヤのバルブにセットしてからCO2ボンベをネジ込むとか、CO2ボンベをネジ込んでからタイヤのバルブに押し当てるとか、製品によって少々使い方が異なりますが、非常にコンパクトに携帯できるのが特徴です。
それから、CO2ボンベを内蔵するなどして携帯できるタイプ。CO2ボンベとノズルなど注入機構部分が一体化されるので、携帯するときにまとまりが良いです。また、ボタンを押すとCO2注入が始まるなど、より扱いやすい機構を搭載した製品もこのタイプには多い感じ。
ハイブリッドタイプというのもあります。CO2インフレーターであり、かつ、手動のポンプとしても使えるという製品。CO2インフレーターが便利とは言っても、パンク修理作業時には手動式ポンプが必要だったりもしますので、ハイブリッドタイプはちょっと魅力的です。
てな感じでイロイロなタイプがあるCO2インフレーター。どれも機能性や使い勝手、それからサイズや質量がけっこー異なります。より便利で多機能なものほど大きめ重めですネ。ともあれ、量販店系の自転車屋さんになら複数置いてあったりしますので、実物に触れつつ選んでみてください。
CO2インフレーター使用時の心得
CO2インフレーターはパワルフで実用的でマジ有り難い空気入れなんですけど、使用時にいくつか注意すべき点もあります。思い浮かぶ注意点をザッと書いてみましょう。
まず、タイヤにCO2を注入した直後、つまりボンベからCO2が放出された直後に、ボンベ自体が冷えること。圧縮CO2が膨張するときに気化熱として周囲から熱を奪うため、ボンベの表面が凍るレベルで冷えます。ですので、ハダカのボンベを直接握って作業するのは危険。軍手やグローブなどを装着して触れるようにしましょう。
それから、タイヤのチューブに注入したCO2は、空気よりも短時間で抜けてしまいます。筆者の経験では、タイヤにCO2をパンパンに入れた状態でも2日程度で「指で押すとグニグニするほど空気圧が下がっている」という感じ。なので、CO2注入はあくまでもパンク時などの緊急処置。帰宅したらタイヤ内のCO2をいったん抜き、改めてタイヤに空気を入れるのが無難です。
それと、CO2インフレーターと一緒に手動のポンプも携行するのが現実的です。パンク修理時には、チューブに空気を入れることで「パンクの原因となった穴」をたやすく見つけられるようになりますし、チューブをタイヤに戻すときにチューブ内にある程度空気が入っていると作業しやすかったりします。そういった「少しだけ空気を入れる」用途にCO2インフレーターは不向きですので、やっぱり手動ポンプが必要というわけです。……なーんだ両方持つのか~、って感じですが、CO2インフレーターにより「パンク修理最終段階の手動による超疲れる空気入れ作業」は確実になくなります。
あと、CO2インフレーター製品にだいたい共通する「使用時のコツ」として、CO2インフレーターへのCO2ボンベ装着です。CO2ボンベにはネジ山ありタイプ(主流)とネジ山なしタイプがありますが、どちらにせよ、CO2インフレーター装着時には「力を入れてネジ込む」という作業が必要です。
ネジってCO2インフレーター先端に穴を開けるわけですが、そのネジり具合は、やはり一度体験しないとよくわからなと思います。中途半端にネジ込んだりするとCO2が漏れちゃったりも。CO2注入時には予想以上の音が出たりもします。
また、タイヤの太さなどによって同じCO2ボンベを使っても注入後の圧が異なるので、事前に一度は「使用するタイヤにCO2を入れてみる」のが大切だと思います。MTBのファット系タイヤとかだと、1本のCO2ボンベだと足りないということもあると思われます。
こういった使用感はCO2インフレーター製品毎、タイヤ毎に異なりますので、事前に何度か注入の練習しておくと良いと思います。……CO2ボンベは1本300円前後で、1回の練習に300円。ちょっとモッタイナイ感じですが、パンク時に確実にCO2インフレーターをスムーズに使うための勉強代ということで!
てな感じのCO2インフレーター。パンクしたときにはきっと「すげー役立つ!」と思いますので、興味があればぜひ実物に触れてみてください♪