スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる

趣味のひとつが刃物研ぎ

 時間ができたし、さてアレをやろうかな! と思う趣味のひとつとして、刃物研ぎがあります。手持ちの刃物を研ぐわけですが、まあ主に研ぐのは日常多用する包丁。使っている砥石は、水砥石(水を含ませて使う砥石)です。

こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる 砥石と水があれば包丁などの刃物の切れ味が蘇るなんて、なんだかステキ! なんですが、筆者にとっては「研ぐこと自体」が大きな楽しみだったりします。あと「刃物を研いでいるとなぜか心が落ち着いてくる」というのも、刃物研ぎの良さという気がします。
こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる 砥石と水があれば包丁などの刃物の切れ味が蘇るなんて、なんだかステキ! なんですが、筆者にとっては「研ぐこと自体」が大きな楽しみだったりします。あと「刃物を研いでいるとなぜか心が落ち着いてくる」というのも、刃物研ぎの良さという気がします。
砥石と水があれば包丁などの刃物の切れ味が蘇るなんて、なんだかステキ! なんですが、筆者にとっては「研ぐこと自体」が大きな楽しみだったりします。あと「刃物を研いでいるとなぜか心が落ち着いてくる」というのも、刃物研ぎの良さという気がします。

 この趣味の醍醐味は「研ぐこと」と「刃が鋭利に研ぎ上がってよく切れるようになること」ですが、どちらかと言えば筆者は「研ぐこと」に主眼を置いているような気がします。何しろ、「研いでいく過程」が筆者にとっての大きな楽しみなんです。

 でも「刃が鋭利に研ぎ上がってよく切れるようになること」も非常に重要なポイントです。これは刃物研ぎの結果であり趣味の成果。よく切れるようになったという事実は、趣味の充実度合いを計る確かな指標であり、大きな達成感をもたらしてくれます。

 ちょっと釣りに似てますネ。全ての釣りがそうだというわけではありませんが、たとえば魚を釣った後に放流してしまう「キャッチアンドリリース」スタイルの釣りは、釣れるまでの過程に大きな趣味性があります。釣れなくても楽しかったりしますが、釣れると楽しい上に凄い充実感と達成感があったりします。

 って、なんか読み手側には面倒臭い話になりつつありますので、ちょっと方向を変えて。刃物研ぎに使う道具についての話に切り換えましょう。

水砥石はコレがイイ!

 筆者の刃物研ぎは、ほぼ我流。ただ、自己流で研いでいるうちに、「なんか今回はうまく研げない」「前回は研ぐのに時間がかかったけど今回はあっさり研げた」みたいなムラがあるのに気付き、その都度、刃物研ぎの正しい方法などを本で読んだりしてきました。

 現在はネットにて、包丁や砥石のメーカーが「正しい刃物の研ぎ方」など情報が多々あり、それらを超参考にしまくっていますので、かなりマトモな研ぎ方になったと思います。手前味噌ですが研ぎ上がりの切れ味も抜群で、釣りで言えば爆釣レベルの充実感が得られています。でも結局は我流。まあ趣味だからそれでいいと思います。

 さて、ずいぶんと刃物研ぎを楽しんできたわけですが、そのときどきで使う砥石も変えてきました。と言っても天然物の高級砥石とかではなく、安価な市販のものを取っ替え引っ替え。

 使ってきた砥石について細かく話し出すと面倒な話になっちゃいそうなので、現在使用中の「これは非常に良い」と思える砥石だけご紹介します。シャプトン(公式ウェブサイト)の「刃の黒幕」シリーズです。

こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる シャプトンの「刃の黒幕」シリーズ砥石。セラミックの水砥石で、番手は#120、#220、#320、#1000、#1500、#2000、#5000、#8000、#12000、#30000の10種類があります。一般の砥石と比べるとやや高価。筆者は#1000→#2000→#8000の順で研いでいきます。#8000は使わなくても十分切れるようになりますが、使うと刃先に鏡面光沢が生まれ、趣味としての充実感を高めてくれます。
こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる シャプトンの「刃の黒幕」シリーズ砥石。セラミックの水砥石で、番手は#120、#220、#320、#1000、#1500、#2000、#5000、#8000、#12000、#30000の10種類があります。一般の砥石と比べるとやや高価。筆者は#1000→#2000→#8000の順で研いでいきます。#8000は使わなくても十分切れるようになりますが、使うと刃先に鏡面光沢が生まれ、趣味としての充実感を高めてくれます。
シャプトンの「刃の黒幕」シリーズ砥石。セラミックの水砥石で、番手は#120、#220、#320、#1000、#1500、#2000、#5000、#8000、#12000、#30000の10種類があります。一般の砥石と比べるとやや高価。筆者は#1000→#2000→#8000の順で研いでいきます。#8000は使わなくても十分切れるようになりますが、使うと刃先に鏡面光沢が生まれ、趣味としての充実感を高めてくれます。

 それまで使っていた砥石の多くは、使う前にしっかり水を染み込ませる必要があり、また使っているとわりと短期間で砥石表面が刃物との摩擦で削られて湾曲してしまいました。砥石表面は平滑性が重要で、湾曲していると思ったように研げずに鬱憤がたまりがちです。

 一方この「刃の黒幕」シリーズは非常に硬いようで、減りにくく、湾曲もしにくい感じ。減りにくいのに、砥汁(砥糞/砥垢)も適度に出てくれて、気分良く研いでいけます。また、ほとんど吸水性がないようで(高密度なのだと思います)、使用前に軽く水に浸し、研いでいるときに軽く水を加える程度で良いようです。使用後も短時間で乾きますので、後片付けもラク。

 この砥石について、筆者の印象を言えば「研ぎ上がりつつある状態が手に良く伝わる」ということです。研ぎはじめは刃物と砥石の間に抵抗感がありますが、それが徐々に薄れ、スルスルという滑りに変わり、「現在どの程度研げているのか次第にわかってくる」というイメージ。ほかの砥石でもそういう感触はあるんですが、この砥石の場合は繊細かつ明瞭にその感触が伝わってくるので、とても使いやすい。

 この砥石を使い始めてから「何が悪くて研げていないのか」「何が良くてしっかり研げたのか」がよくわかるようになりました。一種の答え合わせができるので、刃物研ぎという趣味をより明確に見つめつつ楽しめるようになりました。

「砥石を研ぐ砥石」はコレがオススメ!

 砥石は使っていると減ってきます。表面が均一に減れば問題ありませんが、ほとんどの場合は部分部分が湾曲するように減っていきます。そうなると、思い通りに刃を研げません。「研ぎ方は正しいのに砥石のせいで研げない」ということが起きちゃうわけです。

 そこで、砥石の表面の湾曲をなくし、平滑な面へと修正する必要があります。そのための道具として、砥石を研ぐための砥石があります。砥石修正プレートや修正砥石などと呼ばれ、各種売られています。

 筆者の場合、前述の「刃の黒幕」シリーズを使う前は、わりと頻繁に砥石の湾曲を修正していました。修正砥石の類もアレコレ使いました。金剛砂を使う金属タイプとか、平らな金属製ダイヤモンド砥石とか、いろいろと。それぞれご説明しますと、やっぱり読者的には面倒臭い話になりそうなので、現在使用中のオススメ品をご紹介します。

 まず、修正砥石ですが、スエヒロの「修正砥石[ケース付き] SS-2」(公式ページ)が使いやすいです。これを使って、前述の「刃の黒幕」シリーズの#1000/#2000/#8000の表面湾曲を修正しています。

こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる スエヒロの「修正砥石[ケース付き] SS-2」。ケースが握り部分として役立つなど細かい部分も実用的。水をかけながら、溝が入った部分を砥石と擦り合わせ、砥石の湾曲を修正していきます。砥石表面全体に鉛筆でランダムな線を描き、修正砥石で擦っていき、鉛筆の線が消えていない箇所が「凹んでいる部分」だと判断できるので、使用時は濃い鉛筆も用意しましょう。ランダムに引いた線が均一に消えて行けば、修正完了です。
こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる スエヒロの「修正砥石[ケース付き] SS-2」。ケースが握り部分として役立つなど細かい部分も実用的。水をかけながら、溝が入った部分を砥石と擦り合わせ、砥石の湾曲を修正していきます。砥石表面全体に鉛筆でランダムな線を描き、修正砥石で擦っていき、鉛筆の線が消えていない箇所が「凹んでいる部分」だと判断できるので、使用時は濃い鉛筆も用意しましょう。ランダムに引いた線が均一に消えて行けば、修正完了です。
スエヒロの「修正砥石[ケース付き] SS-2」。ケースが握り部分として役立つなど細かい部分も実用的。水をかけながら、溝が入った部分を砥石と擦り合わせ、砥石の湾曲を修正していきます。砥石表面全体に鉛筆でランダムな線を描き、修正砥石で擦っていき、鉛筆の線が消えていない箇所が「凹んでいる部分」だと判断できるので、使用時は濃い鉛筆も用意しましょう。ランダムに引いた線が均一に消えて行けば、修正完了です。

 この修正砥石、握りやすいし、砥石面の湾曲も容易に修正できて、とても使いやすいと感じています。というか、前述の金剛砂を使う金属タイプや平らな金属製ダイヤモンド砥石は、重かったり周囲がとても汚れたりして、快適さがいまひとつ。「修正砥石[ケース付き] SS-2」を使うと砥汁のようなものが多く出ますが、金剛砂などと違って水で流せる程度の細かさの汚れなので、修正後の掃除も容易。快適に使えます。

 もうひとつ、砥石で刃物を研いだ直後の「砥石メンテナンス用の砥石」もご紹介。スエヒロの「面修正用 人造名倉砥石シリーズ」(公式ページ)です。

こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる スエヒロの「面修正用 人造名倉砥石シリーズ」。刃物研ぎの前に砥石から砥汁を出したり、研いだ後に砥石の目詰まりを除去したりできる修正砥石です。これも水に濡らして砥石表面を擦るように使います。
こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる スエヒロの「面修正用 人造名倉砥石シリーズ」。刃物研ぎの前に砥石から砥汁を出したり、研いだ後に砥石の目詰まりを除去したりできる修正砥石です。これも水に濡らして砥石表面を擦るように使います。
スエヒロの「面修正用 人造名倉砥石シリーズ」。刃物研ぎの前に砥石から砥汁を出したり、研いだ後に砥石の目詰まりを除去したりできる修正砥石です。これも水に濡らして砥石表面を擦るように使います。

 前述の「刃の黒幕」シリーズは、少々目詰まりしやすいような印象がありました。また表面が黒っぽく汚れてきたりもしました。たぶん砥汁の粒子が砥石表面に詰まっているのだと思い、この「面修正用 人造名倉砥石シリーズ」を使ってみたら、汚れも取れて、砥石本来の「研ぎ味」が回復したように感じました。

 以降、この「面修正用 人造名倉砥石シリーズ」を砥石を使った後の砥石表面掃除用として常用しています。#1000の砥石に#1000の修正砥石を、#2000/#8000の砥石に#5000の修正砥石を使い、砥石使用後の目詰まりを除去しています。タワシで何十回も砥石表面を擦ったりするより、ずっと確実&手軽に砥石表面のメンテナンスができます♪

砥石台はコレが最高!

 刃物を砥石で研ぐうえで非常に大切なのは、砥石が動かないことです。使用中に砥石が動くと、刃が当たる角度が一定にならず、よく切れる刃物に研ぎ上げるのは困難。

 じゃあどうやって砥石を固定する? ガッチリ固定できれば何でもいいんですが、その「ガッチリ」が案外難しかったりします。

 砥石固定具はイロイロとありますが、底面の滑り止めがゴムやシリコンの製品が多いようです。筆者もそういう砥石固定具を使いましたが、ゴムとかシリコンって、濡れると途端に滑り出しちゃったりします。動いちゃう砥石は正しく使えませんが、急に滑り出す砥石固定具は物凄く危険です。

 で、読者的に面倒臭くない方向で、ということで、筆者が最強にオススメする砥石固定具をご紹介します。藤次郎の「TOJIRO PRO 砥石固定台 F-643」(公式ページ)です。

 多くのケースで、砥石の使用場所は水があって研いだ後の刃物の汚れを洗い流せたりする場所になると思います。台所のシンク周辺が多いんじゃないでしょうか。この「TOJIRO PRO 砥石固定台 F-643」も流し台用の砥石固定台。流し台専用という感じの固定台ですが、とてもよくできています。

こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる 藤次郎の「TOJIRO PRO 砥石固定台 F-643」。シンクに固定できるステンレス製の砥石固定台です。長辺175mm程度以上から265mm程度以下の砥石を固定できます。シンクの凹部分奥行きが315mm程度以上から580mm程度以下なら固定できます。
こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる 藤次郎の「TOJIRO PRO 砥石固定台 F-643」。シンクに固定できるステンレス製の砥石固定台です。長辺175mm程度以上から265mm程度以下の砥石を固定できます。シンクの凹部分奥行きが315mm程度以上から580mm程度以下なら固定できます。
藤次郎の「TOJIRO PRO 砥石固定台 F-643」。シンクに固定できるステンレス製の砥石固定台です。長辺175mm程度以上から265mm程度以下の砥石を固定できます。シンクの凹部分奥行きが315mm程度以上から580mm程度以下なら固定できます。
こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる 裏面にある、シンクのフチに引っ掛ける部分には滑り止め・傷付け防止のラバーがあります。机上など平面に置いて使うことも可能。砥石を固定する押さえ部分の高さは約13mmありますが、薄めの砥石だと固定できても「押さえ部分やその周辺のネジなどが手に当たりがち」だったりもします。その場合は写真のように市販の砥石台を置いた上で固定するという方法も。写真の黒い砥石台は、スエヒロの「砥石台 フリー SKG-42」(公式ページ)です。
こんな道具で、夜な夜な包丁を研いでいる 裏面にある、シンクのフチに引っ掛ける部分には滑り止め・傷付け防止のラバーがあります。机上など平面に置いて使うことも可能。砥石を固定する押さえ部分の高さは約13mmありますが、薄めの砥石だと固定できても「押さえ部分やその周辺のネジなどが手に当たりがち」だったりもします。その場合は写真のように市販の砥石台を置いた上で固定するという方法も。写真の黒い砥石台は、スエヒロの「砥石台 フリー SKG-42」(公式ページ)です。
裏面にある、シンクのフチに引っ掛ける部分には滑り止め・傷付け防止のラバーがあります。机上など平面に置いて使うことも可能。砥石を固定する押さえ部分の高さは約13mmありますが、薄めの砥石だと固定できても「押さえ部分やその周辺のネジなどが手に当たりがち」だったりもします。その場合は写真のように市販の砥石台を置いた上で固定するという方法も。写真の黒い砥石台は、スエヒロの「砥石台 フリー SKG-42」(公式ページ)です。

 流し台の凹みの縦方向に入れる、突っ張り棒ならぬ「突っ張り砥石台」みたいなものですネ。突っ張る力と、下に落ちない引っ掛かりにより、かなり強固に流し台に固定できます。上からグイグイ押しても大丈夫。砥石に水をかけたり、砥汁を洗い流したりするのも容易。流し台の空間がそのまま刃物研ぎの空間になるのも合理的です。というわけで、筆者は超愛用中。オススメです。

 てな感じの刃物研ぎ道具あれこれ。刃物研ぎがお好きな方のご参考になれば幸いです♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。