ケータイ用語の基礎知識
第669回:MFi とは
(2014/7/15 12:25)
アップルの認証済製品
iPhone用のオプション品を売り場などで見ていると「MFi」という表記が目に入ることがあります。
この“MFi”とは、「Made For iPhone/iPad/iPod」のことです。すなわち、iPhoneやiPad、iPodといった機器向けに作られた製品、という意味で、iPhoneなどを手がけるアップルの用意した、認証プログラムによって、認められた、という証になっています。
ユーザーにとって、特にMFi認証が気になるのは、充電やデータ通信などに使うLightningケーブルでしょう。Lightningコネクタは、最近の機種であるiPhone 5s/ 5c/5や、iPad Air、iPad mini(Retinaモデル含む)、iPad(第4世代)、iPod touch(第5世代)では、充電コネクタとして使われています。Lightning用のケーブルは、アップルの純正品やMFi認証済みのケーブルのほうが、MFi非対応製品よりも高い価格で販売されていることがありますので、ついつい安価なほうを選びたくなるかもしれません。しかし、MFi認証を通っていない、安価なサードパーティ製ケーブルには、さまざまな問題があります。
一番よく指摘されるのは、仮に今日使えたとしても、それがいつまでも使えるとは限らない、という点です。もしiOS(iPhoneのソフトウェア)を最新版にアップデートすると、それまで利用できていたケーブルが突然使えなくなるかもしれません。MFiの認証を受けていないケーブルに対して、実際に「このケーブルまたはアクセサリは認定されていないため、このiPhoneで正常に動作しない可能性があります」といったメッセージが表示されるようになったり、充電ができなくなったりしたという例があります。
iPhoneのLightningコネクタは非常に多機能で、さまざまなデータの入出力が可能になっています。たとえば、iPhoneに直接装着できるUSBメモリもありますし、デジタルカメラなどと繋がるアダプタなどもあります。また、充電する際にも、安全性を確保できる製品でなければなりません。
そのため、たとえ充電のみに機能を絞ったケーブルであっても、iPhone/iPadとやり取りをできるICチップ(マイクロコンピュータ)が必要とされています。MFi認証を通っている充電ケーブルは、そうした基準をクリアした製品というわけなのです。
元々はiPodのオーディオアクセサリ製造者向けプログラム
アップルのMFiプログラムは、もともとiPodなどに向けたオーディオアクセサリーを、サードパーティが製造できるようにするために用意されたプログラムです。サードパーティにあたる企業がこのプログラムに加入し、ハードウェアコネクタやコンポーネントが利用できます。また技術的なサポートを受けることもできます。
MFi認証はオーディオ関連や充電関連の周辺機器だけではなく、現在はWi-FiやBluetoothなど無線通信関連の製品も含まれるようになっています。たとえば、Blueotoothでは、iPhoneに接続できるゲームパッド、iBeaconに利用できるビーコンデバイスで、MFi認証を通った製品が提供されています。