ケータイ用語の基礎知識
第652回:Google Now とは
(2014/3/4 12:10)
ユーザーの求める情報を自発的に表示
ネットサービスやスマートフォン向けアプリで、ユーザーはショッピングしたり、道を調べたり、予定を管理したりするなど、ますます便利になっています。こうしたサービスを活用するのは、基本的にユーザー自身が自発的に行動することが前提です。一方で、ユーザーの行動をもとに「次の予定は○時です」「目的地までの道は~です」などと、教えてくれるサービスも、最近登場してきました。
今回紹介する「Google Now」は、Googleアカウントにひも付けされている、さまざまなユーザーの情報を利用してユーザーにとって必要な情報を必要なタイミングで自動表示するサービスです。グーグルが提供しているもので、いわゆる「パーソナルアシスタンス」のひとつです。
Android 4.1以上、iOS 5.0以上で利用できるほか、最近β版が発表されたWindows/Mac/Chrome OS上のChromeブラウザ用などが存在します。
たとえばAndroid版では、ホーム画面にある検索ウィジェット、iOS版ではグーグルの検索アプリをタップすると、検索ウィンドウの下にさまざまな情報が表示されます。これが「Google Now」です。
表示される情報はさまざまです。たとえば、あらかじめ登録した自宅や職場までの所要時間や経路、付近の人気スポット、はたまた終電の時間、現在の天気や気温、現在地周辺の天気予報など、位置情報に関わる情報があります。また好きなスポーツチームの試合結果や、株価情報なども表示されます。
こうした情報から、最もユーザーが必要そうな情報が選ばれ、「カード」として表示してくれます。通勤時間になれば職場までの所要時間を示し、野球やサッカーの試合が行われれば、その試合状況も表示します。カードをタップすると、さらに詳細な情報までチェックできます。
AndroidのGoogle Nowでは、プッシュ通知機能なども搭載されています。たとえば、Googleカレンダーに登録した予定も、その時間になったら通知をする、というような使い方も可能になっています。
2014年3月現在、Android 4.4向けのGoogle Nowでは、ウィジェットとしてホーム画面上に置くことも可能になりました。そのAndroid 4.4を最初に搭載したスマートフォン「Nexus 5」では、Google Nowをホームにする「Google Nowランチャー」が標準で搭載されています。
また、「Nexus 4」「Nexus 7」などのNexusシリーズのデバイス、および、Nexusシリーズではないものの、Google Play Edition(グーグル直販の他メーカー製スマートデバイス)で、Android 4.4以上にしていれば、Google Nowランチャーを追加することもできます。
Googleアカウントにひも付いた情報から推測する
iPhoneにはアップル製の「Siri」、NTTドコモのスマートフォンにはNTTドコモ製の「しゃべってコンシェル」といったパーソナルアシスタンス機能が存在します。これらとGoogle Nowの大きな違いは、インターネット上のサービスと組み合わせて、ユーザーにとって役立つであろう情報を自発的に知らせてくれることでしょう。
Google Nowでは、カードやプッシュ通知がタイミングよく表示されますが、これを可能にしているのが、前回このコーナーで解説したGoogleアカウントです。
グーグルからすると、ユーザーがGoogleアカウントでインターネットを検索したり、地図を検索したりした結果、あるいはカレンダーに登録したことなどがわかります。これらのデータと時刻、現在地など、携帯電話やインターネット上のサーバーが取得できる情報などと組み合わせることで、ユーザーが必要とするであろう情報、あるいは必要とするタイミングを推測しているのです。
Googleアカウントは、スマートフォン、タブレット、パソコンで共通に使うことができます。たとえば、パソコンのGoogleマップで東京駅までの経路を検索すると、その後、スマートフォンのGoogle Nowでは東京駅までの経路を示してくれます。タップすると、乗換駅や所要時間などを含めて表示してくれる、というわけです。