ケータイ用語の基礎知識

第611回:4K2K とは

 4K2K(フォーケーツーケー)とは、おおよそ4000×2000ドット前後の解像度を示す表現です。単に「4K」「ウルトラHD」と呼ばれる場合も多くあります。

 「K」は1000を意味する接頭辞「キロ」(Kilo)の頭文字です。スマートフォンでは、最近「フルHD」の解像度を持つディスプレイを搭載したものが販売されるようになってきましたが、4K2Kは、このフルHDの1920×1080ドットの約4倍の画素数、約800万画素に相当します。いわば、ポストフルHD世代の解像度と呼んでもいいでしょう。

 「4K2K」は、具体的に、3840×2160ドットや4096×2160ドットといった解像度を意味する場合もあります。

 3840×2160ドットは、「QFHD」とも呼ばれる解像度です。QFHDとは、4倍のフルHDを意味する「Quad FullHD」の略で、その名前の通り、フルHDの縦横をそれぞれ倍にして、面積で4倍にした解像度です。ITU(国際電気通信連合)で4K UHDTVとして承認されているのはこの解像度になります。画面の幅と高さの数値比率を表す、フルHDと同じ16:9になっています。

 4096×2160ドットは、デジタルシネマの標準規格であるDigital Cinema Initiatives(DCI)で決められている“4K2K”です。また、4K2Kを縦横それぞれ2倍にした8K4Kと呼ばれる解像度も研究開発が進められていて、こちらはスーパーハイビジョンなどと呼ばれることもあります。

家庭用でもまだま普及せず、モバイルも今後

 2013年現在、家庭にはフルHDのテレビが普及し始め、スマートフォンでもフルHDディスプレイが徐々に登場してきた程度です。つまり今回紹介する「4K2K」は、まだまだ一般には普及しているとは言いがたい状況です。特にディスプレイやテレビは登場してはいますが、再生する高精細動画のコンテンツがほとんどないというのが現状です。ただし4K対応テレビやプロジェクターなど、家庭用AV機器としては、最近、頻繁に話題となっているワードでもあります。

 一方、技術的には、この4K2Kへのモバイルへの取り組みは確実に進んでおり、いずれモバイル製品でも何らかの形で4K2Kが取り入れられると見られています。テレビではディスプレイですが、モバイルではまず動画関連での機能になりそうです。

 その証拠の1つとして、モバイル向けプロセッサでこの4K2Kをサポートするものが発表されはじめたことが挙げられるでしょう。

 今年2月、スペイン・バルセロナで開催されたモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2013(MWC 2013)」のクアルコムブースでは、詳細が発表されたばかりの高性能プロセッサー「Snapdragon 800」の実力を試すデモが展示されました。

 「Snapdragon 800」は、ハイエンドのスマートフォンやタブレット端末に向けた高性能なプロセッサです。4K2Kの動画をSnapdragon 800を搭載したスマートフォンでリアルタイムにエンコードがすることが可能です。

 また、NVIDIAの新型モバイルプロセッサ「Tegra 4」では、計72個のカスタムコアを有するチップ「GeForce GPU」が搭載され、従来プロセッサ「Tegra 3」と比較してグラフィックス性能が最大6倍に強化されています。これにより、「4K2K」の動画をデコード処理することが可能だとしています。