【2013 INTERNATIONAL CES】
Snapdragon 800シリーズの実力をアピールするクアルコム
(2013/1/11 12:48)
クアルコムのブースでは、CES開催前日のプレキーノートで発表された、「Snapdragon 800シリーズ」のデモが行われていた。
ブースにはシアタールームが設置され、Snapdragon 800シリーズを搭載したタブレットから、テレビに出力した映像やオーディオを楽しむことができた。この映像は、4K(幅4000ドット前後)解像度で出力したもの。7.1チャンネルのDTSに対応し、一般的なヘッドホンを装着した状態でも臨場感あふれるサウンドを楽しめる。ブースにいた説明員によると、Snapdragon 800シリーズでは、4K映像のデコードとエンコードの両方を行える。タブレットやスマートフォンへの普及が進めば、カメラで撮影した高解像度の動画を、HDMIなどでテレビに出力するといった利用スタイルも一般的になるかもしれない。
プロセッサのパワーを活かした応用事例も、ブースで紹介されていた。GPUの処理能力を示す代表例として展示されていたのが、映像処理のアプリ。選択した範囲の対象物を消し、周囲の映像にあわせて背景を自動的に作り出すことができる。こうしたアプリはすでにスマートフォン、タブレット向けのものが存在するが、処理をスムーズに行えるのが「Adreno 330」を搭載したSnapdragonの実力というわけだ。
SnapdragonのISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)をアピールするコーナーでは、顔認識機能を使い、メインカメラでの“自分撮り”を簡単にするアプリが展示されていた。音声にしたがって端末を動かしていき、あらかじめ決めておいた場所に顔がきて笑顔になるとシャッターが切れるという仕組みだ。また、インカメラで読み取った手の動きでアプリを操作するデモも行われていた。
LTE関連では、「カテゴリー4」に対応したチップで高速な通信を行う様子を確認できた。また、2012年のMobile World Congressなどに出展された「eMBMS」という、LTEを使った同報配信のデモも確認できた。テレビなどと同様、1対多の情報配信を実現するための規格で、通信が込み合うスタジアムのような場所でも輻輳しないのが特徴。eMBMSに使う帯域もキャリアが自由に変動させることができる。なお、今回は、デモに作ったデモ用の通信網ではなく、すでにサービスインしている米国キャリア・VerizonのLTE網で映像を配信しているという。
このほか、ブースにはクアルコムが注力する電気自動車の給電システムや、AR関連のプラットフォームを活用した応用事例などが展示されていた。