第575回:au ID とは
KDDIでは、マルチデバイス化が進む近い将来への布石として、「auスマートパス」「auスマートバリュー」「au ID」の3つの柱からなる“スマートパスポート構想”を打ち出しています。
そのうちの1つ、「au ID」とは、auのポータルサービスを利用するために必要な専用のIDです。1つのIDがあれば、auが提供する複数のサービス、コンテンツを、さまざまなデバイスで横断的に利用できる、といった形になります。かつては、「au one ID」として使われていました。
auでは、au one メールやauスマートパスなど、「au ID」でログインして利用するサービスを提供しています。なおau IDの登録は無料です。
■OpenIDをベースにした共通ID
「au ID」はOpenIDをベースにした共通IDの仕組みです。OpenID Foundationが定める、OpenID 2.0の仕様に準拠しています。
OpenIDとは、世界中のOpenID対応サイトで共通して利用できる、URL形式のIDのことです。一般的にインターネットでは、サービスを提供しているサイトごとにIDとパスワードを取得しないと、そのサイトへのログインやサービスの利用ができません。しかしOpenID対応のIDが1つあれば、他社のOpenID対応サイトにアクセスしたとき、新たにアカウントを作成したり、ログインするために別々のIDやパスワードを入力する必要がなくなります。現在、世界中で数多くのWebサイトがOpenIDに対応しており、その数は日々増え続けています。
「au ID」ログインを利用すると、対応サイトでは、「au ID」によるログインのほか、「auかんたん決済」が利用できます。
「au IDログイン」は、事前にKDDIに登録された対応サイトでのみ利用できます。au IDとパスワードで対応サイトにログインし、パートナーが提供するサービスを利用できるようになります。つまり、その対応サイト専用のIDを新たに取得する必要がありません。
au ID対応サイトで「au IDログイン」ボタンをクリックし、au IDとパスワードを入力して、利用時の注意事項に同意すれば設定完了です。
また「auかんたん決済」とは、auのスマートフォンやパソコンなどで購入したデジタルコンテンツ、あるいは通販の代金をauの携帯電話料金と合算して支払えるサービスです。
■購入したコンテンツなどがIDに紐づけ
「au ID」の特長の1つは、ログイン後に購入したコンテンツが端末ではなく、IDに紐付けられるということになるでしょう。たとえば「au ID」でコンテンツを購入した後、機種変更をしても、IDが同じなら、購入したコンテンツは継続して利用できます。IDが同じで、手元に複数の端末があっても、追加料金なしでコンテンツを利用できるわけです。こういったコンテンツの使い勝手は、アップルやグーグルのIDに近いと言えるかもしれません。
同じau IDであれば、さまざまなものが利用できる、という点では、コンテンツだけに留まりません。auひかり、au Wi-Fi SPOTなどもその対象です。たとえばauのスマートフォンユーザーであれば無料で利用できる「au Wi-Fi SPOT」は、Aさんのau IDを使えば、携帯電話回線が入っていないパソコン、タブレットからでも利用できるのです。こうした形で、KDDIのネットワークサービスを、「au ID」という共通IDで利用できるようになっています。
2012/8/7 11:07