第451回：ライフストレージ とは

N-02Bでのライフストレージ設定画面。たとえば、時間帯を「22時」と設定しておくと、22時00分から22時59分の間にオンラインストレージにデータをバックアップする

　「ライフストレージ」は、携帯電話から、オンラインストレージへ自動的に画像ファイルをアップロードできる機能です。NECビッグローブが提供するサービスで、NTTドコモのNEC製FOMA端末のうち、無線LAN（Wi-Fi）機能を搭載する携帯電話で利用できます。2010年1月時点での対応機種は、「N-02B」「N-06A」となっています。

　これらの携帯電話で、「ライフストレージ」のアクセス設定と自動バックアップ設定をONにすると、携帯電話のカメラ機能で撮影した写真や、iモードからダウンロードして携帯電話に保存した画像を、定期的にバックアップできます。たとえば、「ライフストレージ」へアクセスする時間帯を「22時」と設定しておくと、22時00分～22時59分の間に、携帯電話の所定のフォルダに入っている画像をオンラインストレージへ自動的に送信してくれるわけです。

　携帯電話からのデータのバックアップには、無線LAN（Wi-Fi）を利用します。自動バックアップを設定した時間帯には、FOMAをシングルモードではなく無線LANが使えるモードにしておき、無線LANアクセスポイントの近くに携帯電話を置くなど、携帯電話が無線LANで通信できる状態になっている必要があります。バックアップ時間帯に通信できなかった場合、画面上に「アップロード失敗」表示がされますが、翌日の同じ時間帯にもう一度自動アップロードを試すので、急いでアップロードする必要がないのであれば、手動で設定変更する必要はありません。

　画像が移動した後は、携帯電話では画像のサイズ、容量を小さくしたサムネイル画像を見ることができます。また、iアプリやiモード、あるいはフルブラウザからオンラインストレージにアクセスしてオリジナルの画像を見ることもできます。

　自動的にバックアップと携帯電話内の整理が行われるので、手動でバックアップする手間をかけずに、本体メモリやメモリカードの容量を空けられるので、携帯電話でよく写真を撮るユーザーには便利な機能です。なお、「ライフストレージ」という単語は、NECの登録商標になっています。

■インターネット上にあり、転用や共有も簡単

　「オンラインストレージ」とは、インターネット上でデータを保管できるディスクスペースを提供するサービスのことです。

　最近では、各種メーカーや、インターネットサービスプロバイダ（ISP）、インターネット関連企業がオンラインストレージを提供しています。たとえば、デジタルカメラなどを手掛けるリコーの「quanp」や、マイクロソフトの「SkyDrive」、ジャストシステムの「インターネットディスク」などが比較的有名なサービスです。

　このうち「quanp」では、1GBまで無料でPCからのデータ保存ができるほか、リコー製のデジタルカメラ「GXR」「GR DIGITAL III」などのユーザーの場合、本来有料サービスである100GBのストレージを3カ月間無料で使用できます。メーカー提供のオンラインストレージの場合、そのメーカー製品を購入したり、利用したりすることで有利に使えるというメリットがあるのが一般的です。

　N-02B、N-06Aの「ライフストレージ」では、オンラインストレージとして、NECビッグローブのサービス「フォトポケ」を利用します。「フォトポケ」は画像専用のオンラインストレージで、バックアップした画像ファイルから、携帯電話用の待受Flashを作成したり、画像をブログに貼り付けるためのブログパーツを作成したりできるなど、いくつかの補助機能がついていることが特徴です。

　オンラインストレージは、せっかく撮った写真の用途を広げるというメリットだけではなく、インターネット上へファイルを置くことで、パソコンなど他の環境から、あるいは友人や家族と共有しやすいという点もメリットの1つに挙げられます。12メガピクセルカメラのN-02Bで撮影した写真は、携帯電話では見られないこともありますが、パソコンでは見やすい写真になり得ます。

　常に持ち歩く携帯電話は、さまざまなシーンを撮影しやすいと言えます。「ライフストレージ」は、そうした記録を手軽にサーバーへバックアップできる機能であり、ライフログの一種と見なすこともできるかもしれません。

フォトポケPC版。N-02Bで撮影した画像は、最大4000×3000ピクセル、約4MBほどのサイズになるが、パソコンなら扱いも楽だ