ケータイ用語の基礎知識

第985回:Androidは「Material You」でどう変わったの? その設定方法とは

Material Youとは

 「Material You」は、2021年5月にグーグル主催の開発者会議「GoogleI/O」でGoogleが発表した、新たなデザインフレームワークです。

 グーグルいわく、発表時には「Android史上最大のデザイン変更」とされました。

 Androidスマートフォンだけでなく、スマートデバイスやAndroid Autoなど、デバイス横断でユーザーの好みに合わせたデザイン統一が可能となる予定ですが、まずはAndroid 12搭載のPixelシリーズで採用されています。

 Material Youの大きな特徴は、サービス横断で色調を統一することができる、ということです。

 ユーザーが使っている壁紙から色抽出を行い、壁紙で優勢な色を中心にした色調を、通知エリア、ロック画面の文字・数字、ウィジェットなどに反映させます。

「Material You」は、壁紙から色抽出を行い、ウィジェットなどの色に反映させる

 たとえば、ウィジェットなども配置すると壁紙の色に反応して背景色が変化します。グーグルのコアアプリである「Gmail」「Meet」「ドライブ」「カレンダー」や「ウィジェット」などもこのMaterial Youデザインに対応しており、色調が変化します。

 ただ、すでに色づけされているフォルダーの色、アプリ内警告など、既存のカラースキームは変更されませんので、Material Youになってアプリそのものの「色が大きく変わった」というような違和感を抱くことはあまりないでしょう。

Material Designとの違いは

 Material Youという名前は、2014年に発表されたデザインのガイドライン「Material Design」の流れを汲んだアップデートであることを示しています。

 Material Designの目標は、「テクノロジーを人々にとってシンプルで美しく、かつ合理的なものにする」というもので、主にアプリケーションの製作者に向けてこのようにデザインして下さいという指針のようなものでした。

 Material Youはアプリケーション製作者向けではなく、ユーザー向けの仕組みになります。

 グーグルによれば、多くのユーザーが生活のより多くの領域にスマートフォンなどのサービスが利用するようになった結果、ユーザーは、自分のスマートフォンなどの自分の端末にパーソナライズを求めるようになりました。

 そこで、「あらゆるスタイルに合わせ、あらゆるケースでアクティブに対応できるデザインを目指し」、今度は、ユーザーにもデザインの領域を解放し、ボタンやアイコンの色、サイズ、ステータスバー、マージン、テキストサイズを設定できるようにしたのがMaterial Youです。

 しかし、ユーザーに解放するからと無闇に設定項目を増やすのではなく、簡単に設定できるように、さまざまな場面でAIなどによる補助がついて簡単に設定できるのが、グーグルの作ったこの仕組みの特長である、とも言えるでしょう。

Material Youの設定方法

 Pixelシリーズの場合、Android 12以降がインストールされていればすでにMaterial Youが利用できる状態になっています。

 利用するには「設定」-「壁紙とスタイル」を選択します。あるいはホーム画面を長押しして表示されるオプションメニューの「壁紙とスタイル」を選択します。

 このメニューで、壁紙の変更、システムカラーの変更、テーマアイコンの適用、ホーム画面のグリッド数の変更ができます。

 まずは、壁紙を変更します。選択肢として、「マイフォト」などいくつかの選択肢が出てきますので好きな画像を選択します。ホーム画面、ロック画面、または両方の画像を変更することが可能です。

これは、ロック画面の変更設定。こんな感じで変えられる……というイメージがわかる

 また、テーマカラーの変更は、壁紙から分析抽出したテーマカラーがいくつか表示されますので、この中から選択します。

テーマカラーは壁紙から分析抽出したパターンがいくつか出てくるのでここから選べる。

 また、ホームに表示するアプリの個数の変更ができます。同じ設定画面の「アプリグリッド」で5×5から2×2まで変更することが可能です。

アプリグリッドは5×5~2×2まで変更可能だ
大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)