山根康宏の「言っチャイナよ」
Vivo NEXやLenovo Z5などCES Asia 2018に並んだ中国最新スマホ
2018年6月15日 12:06
6月13日~15日にかけて中国・上海で「CES Asia 2018」が開催された。1月にラスベガスで毎年開催されているCESのアジア版という位置づけで、中国系のIT企業を中心とした大型の展示会である。スマートフォンメーカーも数社が出展していたほか、EC企業が来場客を呼び込む目玉として中国メーカーの最新スマートフォンを展示していた。
自撮りカメラがモーターでせり出す全画面端末「Vivo NEX」
Vivoが6月11日に発表したばかりの最新モデル「NEX」はポップアップ式のカメラを内蔵した前面側を全画面としたスマートフォンだ。ディスプレイ上部のフロントカメラをなくしているため、いわゆるノッチは無い。前後左右のベゼルは最小限にしており、正面から見ると真の全画面ディスプレイを実現している。基本スペックはチップセットにSnapdragon 845を採用。メモリーが8GB、ストレージが128GBまたは256GB、カメラはリアが1200万画素+500万画素、ポップアップカメラが800万画素となっている。
ポップアップ式のカメラを内蔵するということで本体の厚みが気になるところだ。本体サイズは162×77×8mmと、可動式のカメラを内蔵しながら最近のスマートフォンと変わらない大きさを保っている。重量は199gで若干重い印象を受けた。なお背面のカメラはほとんど出っ張りはない。
カメラを起動し、リアカメラからフロントカメラに切り替えるとポップアップ式カメラが自動的にせり出してくる。モーターでの駆動で、ばね仕掛けのように急に出てくるのではなく、下からするりとせり出してくる感じだ。カメラをフロントからリアに切り替えると、再びカメラは収納される。動きはスムースで十分常用できそうだ。
ディスプレイ内には指紋センサーを内蔵。これにより本体の前後にセンサーボタンを搭載する必要が無く、すっきりした仕上がりになっている。実際に指紋認証を試してみたが反応は悪くなかった。
全画面を謳うも、ノッチ付きディスプレイで登場したレノボ「Z5」
レノボのZ5はチップセットにSnapdragon 636、6.2インチ、2246×1080ピクセルのディスプレイを搭載したミッドハイレンジクラスのスマートフォン。カメラはリアが1600万画素+800万画素、フロントが800万画素。6月6日に北京で行われた製品発表会ではノッチの幅はiPhone XやシャオミのMi8より狭い点をアピールしていたが、ファーウェイのP20と比べると幅は広く、フロントのデザインは最近のスマートフォンとほぼ変わらない。スペックも外観もとりたて特徴のないZ5だが、実は製品発表直後から大きな話題になっている。
それは事前情報とデザインの異なる製品が出てきたからだ。中国のSNSへ投稿された公式のティザー広告のデザインでは、ベゼルレス、ノッチレスの全画面ディスプレイとなることが示唆された。また発表数日前に公開された公式画像でもノッチがないことが確認できるデザインだったのだ。しかし、ふたを開けてみれば最近のスマートフォンとして一般的なデザインであり、期待を大きく裏切ってしまった。6GB/128GBで1799元、6GB/64GBで1399元の価格もスペック相応。ほぼ同時期に発売されたファーウェイの「honor 9i」とスペック・価格が類似しており出だしから苦しい戦いを強いられそうだ。
透明ボディも登場するシャオミ「Mi 8」
シャオミのフラッグシップモデル、Miシリーズの最新モデルが5月31日に発表された「Mi 8」だ。下位モデル「Mi 8 SE」と上位モデル「Mi 8 Explorer Edition」の3モデルが登場する。Mi 8 Explorer Editionは背面が透明ボディでディスプレイ内蔵の指紋センサーを搭載するなど話題の製品だが、展示されていたのは標準モデルと位置づけされるMi 8のみだった。
チップセットはSnapdragon 845、メモリーが6GB、ストレージが64/128/256GB、メインカメラ1200万画素×2、フロントカメラ2000万画素カメラというスペック。フロントカメラ重視はOPPOをはじめとする中国各社の最近のトレンド。DxO Markは103と高い数値を出している。基本スペックが高いだけではなく、カメラフォンとしても十二分に満足できる仕上がりだ。