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カスタムジャケットでMyケータイが楽しめる「FOMA P900i」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


FOMA 900iシリーズ第3弾

 NTTドコモがシリーズ展開を始めたFOMA 900iシリーズ。その中でも安定した支持を得ているのがパナソニック モバイルコミュニケーションズ製端末「P900i」だ。ワンプッシュオープン機構やオートフォーカス搭載128万画素カメラ、そしてカスタムジャケットという魅力的なスペックを持つ端末だ。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。


ケータイのパーソナライズ

NTTドコモ/パナソニック モバイルコミュニケーションズ『P900i』サイズ:50(W)×104(H)×24(D)mm(折りたたみ時)、124g。シルバー×ストライプレッド(写真)、シルバー×ドットブラック、ブラック×クリアホワイトをラインアップ
 今や8,000万契約を超えるところまで普及したケータイ。次々と新しいモデルが登場するとは言え、これだけの人がケータイを持てば、街で自分と同じケータイを持っている人を見掛けることも少なくない。そこで、ユーザーは「これは自分のケータイ」とばかりに、さまざまな形でパーソナライズをする。たとえば、古くは着信メロディや待受画面で個性を主張し、そこからオリジナル待受画面を作りやすいカメラ付きケータイというトレンドも生まれている。細かいところではストラップなどもパーソナライズのためのツールのひとつと言えるだろう。

 一方、海外に眼を向けてみると、やはり、個性を主張したい気持ちは同じなようで、NOKIAのように端末のボディを交換する機構を採用しているメーカーもあれば、オリジナルペインティングをするサービスも提供されている(日本ではオリジナルペインティングや加工は許されていない)。日本でもソニーとソニー・エリクソンが着せかえケータイというコンセプトを採用し、ユーザーの好評を得たのは記憶に新しいところだ。

 今回紹介するNTTドコモのパナソニック モバイルコミュニケーションズ(以下、パナソニック)製端末「P900i」もパーソナライズを強く意識した製品だ。カスタムジャケットと呼ばれる交換式のパネルを用意し、自分の好みに合わせて、ケータイをカスタマイズできるという特長を持つ。また、PDC方式のiモード端末で好評を得たワンプッシュオープン機構を採用するほか、オートフォーカス機構付き128万画素カメラを採用するなど、魅力的なスペックを持つ端末として仕上げられている。カスタムジャケットは標準カラーとして提供される3種類に加え、発売当初から7種類のオプションを提供し、6月と7月にはさらに10枚が「夏ジャケット」として追加販売されるなど、積極的な展開を図っている。パナソニックはN900iのレビューでも触れたように、NECと提携し、FOMA端末においては基本ソフトを共通化しているが、随所にパナソニックならではのこだわりも見えている。実機を見ながら、FOMA P900iの出来をチェックしてみよう。


ワンプッシュオープン機構を採用

 製品のスペックや細かい仕様については、NTTドコモパナソニックの製品情報ページ、ケータイ新製品SHOW CASEを参考にしていただくとして、ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。


背面側に板状のカスタムジャケットを装備。4カ所の六角穴付きボルトで固定されている。カメラ部横にLEDが内蔵されている 左側面にはワンプッシュオープンボタンを装備。ボタン内部にLEDが埋め込まれている ワンプッシュオープンボタンの隣にはminiSDメモリーカードスロットを装備。ゴム状のカバーを採用している

 まず、ボディは折りたたみデザインを採用しているが、P505iなどで好評を得たワンプッシュオープン機構を搭載している。ボディは2003年春に発売された「P2102V」とほぼ同じサイズだが、全体的にスクエアなイメージに仕上げられている。ボディカラーのバリエーションは3色がラインアップされているが、ボディそのもののカラーリングはブラックとシルバーの2色で、カスタムジャケットの違いで3色がラインアップされるという構成となっている。背面には開口部の大きなオートフォーカス機構付き128万画素カメラを搭載し、左側面にはワンプッシュオープン機構のためのボタン、miniSDメモリーカードスロット、右側面にはサイドキーと平型コネクタのイヤホンマイク端子を備える。ワンプッシュオープンボタンにはLEDが埋め込まれており、着信時などに光らせることができる。ただ、P505iのワンプッシュオープンボタンのように、全体が光るわけではない。

 カスタムジャケットは背面の四隅を六角穴付きボルトで固定しており、背面のカメラ部を囲む形で装着される。ちなみに、同様のデザインはP252iSでも採用されているが、カスタムジャケットそのものはP900i専用となっている。


メインディスプレイは2.4インチTFTカラー液晶を採用。各アイコンの表示はN900iと似通っている 背面ディスプレイにはカスタムジャケットと合わせた壁紙が表示可能だが、4096色表示なのが惜しいところ ボタン類はPDC方式のiモード端末より、P2102Vに近い印象

 ディスプレイはメイン側が240×320ドット/65,536色表示が可能な2.4インチTFTカラー液晶、背面側が96×64ドット/4,096色表示が可能な1.0インチSTNカラー液晶を採用する。プライベートウィンドウと呼ばれる背面ディスプレイには、カスタムジャケットに合わせた壁紙を表示することも可能だ。メインディスプレイの右上には、テレビ電話などに利用する10万画素CMOSイメージセンサーによるカメラを備える。


切り替えて使える3つのメニュー画面

 続いて、機能面について見てみよう。N900iのレビューでも紹介したように、パナソニックとNECは第3世代携帯電話の開発において、提携をしているため、両社製端末とも基本的に同じプラットフォームで動作している。そのため、P900iとN900iはユーザーインターフェイスが似通っており、P2102VやN2102V、N2051などの操作環境を踏襲している。ただ、P900iにはパナソニックなりの工夫も見られる。


「Main Menu」画面は9分割アイコン表示を採用。カーソル上の機能を説明するバルーンが表示される ユーザーが定義できる「プライベートメニュー」は一覧形式 カメラ関係の機能をまとめた「Camera Shortcut」メニュー。バーコードリーダーなどもここから呼び出せる

 たとえば、[メニュー]ボタンを押したときの「Main Menu」画面は9分割のアイコン表示を採用しているが、P900iでは画面に重なるような形で、カーソルにある項目の内容がバルーンで表示される。もう一度、[メニュー]ボタンを押すと、ユーザーが自分でカスタマイズできる一覧形式の「プライベートメニュー」、さらにもう一度、押すとカメラ関係の機能が集められた「Camera Shortcut」メニューが表示される。つまり、[メニュー]ボタンをくり返し押すことで、この3つのメニュー画面を切り替えながら使えるわけだ。ただし、待受画面に戻ると、毎回、「Main Menu」画面から開始されるので、[メニュー]ボタン2回でオリジナルのメニュー、[メニュー]ボタン3回でCamera関係のメニューといった使い方になる。ちなみに、PDC方式のiモード端末では[コマンドナビゲーション]ボタン中央の[決定]ボタンでメニュー画面が表示されたが、P900iでは[メニュー]ボタンでメニュー画面になるところが違うため、PDC方式のPシリーズ端末を愛用してきたユーザーは戸惑いそうだ。


メールはフォルダによる管理、自動振り分けに対応。ゴミ箱フォルダも用意されている 振り分け条件はメールアドレスや題名が設定できるほか、すべての受信メールを特定フォルダに保存することも可能

 メールはフォルダによる管理に対応しており、メールアドレスや題名、返信不可メールによる自動振り分けが可能だ。受信したメールを全件、特定のフォルダに振り分けるといった設定も可能だ。PDC方式のNシリーズ端末ではおなじみの「ゴミ箱」フォルダも用意されている。フォルダ単位でのセキュリティ設定、メール一覧表示の行数設定、本文表示設定、メール作成時の送受信メールアドレスの参照、複数のメールアドレスを登録できるメールメンバーなどの機能もN900iと共通仕様となっている。ただ、QVGAサイズの画面を分割して返信メールを作成できる「参照返信」、メールからのスケジュール登録などの機能はサポートされていない。


マルチタップで日本語入力中、かなを逆順にするのに、側面の[ホーム]ボタンを押すのは違和感が残る デコメールは効果[機能]メニューから呼び出しながら入力する方式を採用。今ひとつ使いにくい

 日本語入力は一般的なマルチタップによる「かな入力」に加え、「2タッチ」や「T9入力」に対応する。ただし、T9入力はひらがな候補を選んだ後に漢字に変換する従来の方式で、N900iSやN506iのような直接、漢字候補が表示されるバージョンではない。P900iはメール周りの機能が充実している半面、日本語入力についてはかなり不満が残る。たとえば、通常のかな入力時、ワード予測で表示された候補の選択に[コマンドナビゲーション]ボタンの下方向を長押ししなければならない。また、「ね」と入力するには[5]ボタンを4回押すが、5回押して「の」が表示されてしまったとき、右側面の[ホーム]ボタンを押さなければ、「ね」に戻すことができない。N900iと仕様を共通化したためなのだろうが、従来のPシリーズのユーザーとしてはかなり戸惑う点だ。もう少し操作の流れを妨げないような操作性を実現できないだろうか。

 FOMAで新たにサポートされたデコメールについてもN900iと基本的に共通仕様で、メール作成の本文入力画面で[機能]メニューから「デコレーション」を選んで、それぞれの効果を設定するという仕様だ。N900iのレビューでも触れたが、F900iやSH900iのパレット式に比べると、操作しにくい感は否めない。ちなみに、先日発売されたP900iVではパレット式入力が採用されている。

 iアプリについては、ドラゴンクエストと並ぶ名作R.P.G.「ファイナルファンタジー」がプリセットされているのが大きなセールスポイントだろう。着信メロディや待受画面、後述するキャラ電にもファイナルファンタジーのキャラクターが採用されており、ファンとしては楽しめる内容になっている。ちなみに、パナソニックの公式サイト「P-SQUARE」ではこのほかにもユニークなiアプリやコンテンツが公開されている。個人的には、iモードのメーカー公式サイトの中でももっとも充実していると見ているので、ユーザーはぜひ公式サイトの利用をおすすめしたい。

 細かい機能としては、マナーモードでオリジナルの設定ができる点だ。伝言メモのON/OFF、バイブレータの動作、電話やメールの着信音量、アラーム音量などを細かく設定することができる。個人的にも非常に気に入っている機能のひとつだ。


オートフォーカス機構付き128万画素カメラ

 P900iには冒頭でも触れたように、オートフォーカス機構を搭載した128万画素CCDによるカメラが搭載されている。FOMA 900iシリーズではSH900iがオートフォーカス機構を採用しているが、パナソニック製端末としてはP505iSに続くオートフォーカス対応モデルということになる。レンズは3群3枚の非球面レンズを採用し、F値2.8を実現している。

 カメラは[コマンドナビケーション]ボタン下にある[オートフォーカス]ボタンの長押し、[テレビ電話/カメラ]ボタンの長押し、「Camera Shortcut」メニュー、「Main Menu」の「アクセサリ」からなど、いくつかの方法で起動できる。撮影できる静止画サイズは1,280×960ドットの「SXGA」、640×480ドットの「VGA」、352×288ドットの「CIF」、176×144ドットの「QCIF」、128×96ドットの「Sub-QCIF」、240×320ドットの「壁紙」の6種類で、メインディスプレイ側のインカメラはCIFよりも小さいサイズで撮影が可能だ。いずれもカメラ起動時に[機能]メニューから「インカメラスナップサイズ」と「アウトカメラスナップサイズ」から設定できる。動画については、QCIFとSub-QCIFの2種類のサイズに対応し、ビットレートは最大384kbps、フレームレートは最大15fps、音声と動画を記録したときの最大撮影時間は1件あたり約262秒となっている。動画の形式は本体メモリー保存時がMPEG-4(3gp)、miniSDメモリーカード保存時がASFとなっている。保存した動画は本体メモリーとminiSDメモリーカード間で、インポートやエクスポートが可能だ。


SXGAサイズのサンプル画像。リンク先は無加工。(モデル:寺崎佑紀サンタ・クローチェ所属) SXGAサイズのサンプル画像。リンク先は無加工。(モデル:篠崎ゆき/スーパーウイング所属)

 アウトカメラではオートフォーカス機構を利用した撮影が可能で、[オートフォーカス]ボタンを半押ししてピントを合わせることができる。ピントが合うと、音が鳴り、画面内の枠が赤色に変化するので、それから[オートフォーカス]ボタンを押しきるか、[決定]ボタンを押せば、撮影ができる。オートフォーカスを使わずに、[決定]ボタンのみで撮影することもできるが、この場合はパンフォーカスで撮影されるようだ。


ほとんどのカメラ周りの機能は[機能]メニューから呼び出す。ショートカットもいくつか用意されている
 撮影時の機能としては、最大10倍の「ズーム」、5段階の「明るさ」、晴天/曇天/オート/電球が選べる「ホワイトバランス」、セピア/通常/美肌/モノクロが選べる「色調切替」、接写/オート/風景が選べる「フォーカス設定」、ノーマル/ファイン/スーパーファインが選べる「スナップ画質」、自動と手動が設定できる「連続撮影モード切替」、「フォトライト」、「記録媒体選択」などがある。動画を撮影するときは、録画画質とSD録画画質を設定することも可能だ。これらの一部はカメラ起動時に使えるショートカットキーが割り当てられている。[1]で色調切替、[2]でホワイトバランス、[3]で明るさ、[4]でフォーカス設定、[5]でフォトライト、[6]でセルフタイマー、[7」でナイトモードといった具合いだ。[0]でヘルプを表示することもできる。

 カメラを利用した機能としては、QRコードにも対応した「バーコードリーダー」、英数字を読み取ることができる「テキストリーダー」が用意されているが、意外に便利そうなのが「えチャット」だ。えチャットは通常の音声通話中にカメラを起動し、相手に画像付きメールを送ることができる。通話中の相手の電話番号とメールアドレスが同じ電話帳に登録されている必要はあるが、通話を切ることなく、画像付きメールが送れるのはFOMA端末らしい機能のひとつと言えそうだ。


画像はサムネイル形式や画像付き一覧形式などで閲覧が可能。miniSDメモリーカードのアクセスはN900iほど遅くない 最大サイズで撮影した画像を切り抜くことができるが、枠のサイズが固定されている

 撮影した画像はサムネイル形式、一覧形式、画像付き一覧形式などで閲覧することができる。ただ、カーソルの合った画像の情報などは表示されない。画像編集は「フレーム合成」や「マーカースタンプ」、「文字合成」、複数の画像を組み合わせる「イメージ合成」、「トリミング」(切り抜き)、「回転」などの機能が用意されている。文字合成では文字サイズや文字色を変更することも可能だ。最大サイズの1,280×960ドットで撮影した場合もトリミングが可能だが、サイズは352×288ドット以下で、トリミングの枠のサイズも固定されているため、自由度が少ない。最大サイズで撮影した画像を編集したいときは、N900iのレビューでも紹介したように、[メール用サイズ変更]の[メールサイズ(大)]で640×480ドットに変更し、それからトリミングをする方が便利だ。また、[メールサイズ(大)]と[メールサイズ(小)]についても同様で、それぞれ変換されるサイズが異なるので、編集した画像の使い道、あるいはメールに添付する宛先によって、使い分けるようにすればいいだろう。

 画像編集については機能的にレベルに達しているものの、全体的な流れがつかみにくいため、PDC方式のiショットの方がわかりやすかった印象もあるくらいだ。このあたりの編集作業の流れのつかみにくさは、N900i同様、ぜひ改善してもらいたい。ちなみに、N900iではサムネイル形式の画像表示が遅いという指摘をしたが、P900iはN900iほど、遅さを感じない。まったく同サイズの画像で比較したわけではないが、N900iほどのストレスは感じられなかった。


テレビ電話の設定では標準的な項目の他に、「ナイトモード」を選択可能

発売時に用意されたオプションのカスタムジャケット。一番人気は中央の「Zen」とか
 テレビ電話については、着信時に通常の[開始]ボタンで代替画像(キャラ電)での応答、[テレビ電話/カメラ]ボタンでテレビ電話での応答という仕様になっている。通話中は中央の[決定]ボタンで自画像と相手画像の表示位置の切り替え、[メール]でインカメラとアウトカメラの切り替え、[テレビ電話/カメラ]ボタンで自画像と代替画像を切り替えが可能だ。キャラ電での通話中、キャラクターにアクションをさせることができるが、[メール]ボタンで全体アクションとパーツアクションを切り替えることができる。アクションの一覧は[*]ボタンで表示することができ、一覧から選択してアクションをさせることも可能だ。また、自分の画像も通常のカメラ機能と同じように、[コマンドナビゲーション]ボタンの左右でズームさせたり、ホワイトバランスや色調切替、ナイトモード(暗いところでも見えるようにする)などを設定することもできる。ちなみに、P900iはP505iと同じように、設定をすることで、着信時にワンプッシュオープンボタンで端末を開いて応答することができるが、テレビ電話については別に動作を設定できるため、問題なく使うことができる。

 カスタムジャケットについては、P900i発売時に標準カラーの3種類、オプションとして7種類が用意されていたが、しばらくは品切れが続いていたという。6月19日からカスタムジャケットの夏モデル(通称「夏ジャケ」)第1弾として、5種類の販売が開始され、7月半ばにも夏モデルの残り5種類が販売される。発売当初にはNTTドコモ新潟支店がJリーグ「新潟アルビレックス」のカスタムジャケットを企画し、P900iの購入者に先着でプレゼントされるというニュースもあったが、その他の地域でも地域会社が独自にカスタムジャケットを企画し、販促品などとして提供している例があるそうだ。さらにはグループ会社のパナソニックテレコムからは、「ReMOLDe」というブランドで革製などのカスタムジャケットも販売されるなど、予想以上にカスタムジャケットは拡がりを見せている。ちなみに、オプションで販売されるカスタムジャケットのパッケージには、QRコードが印刷されており、そのQRコードを読み取ることで、それぞれのカスタムジャケットに合わせた壁紙などがダウンロードできるようになっている。


カスタムジャケットで楽しみたいなら「買い」

カスタムジャケットの夏モデル第一弾も販売が開始された。今回は「ryu-kin」(手前右)と「藍 ai」(手前左)が人気とか
 さて、最後にP900iの「買い」について考えてみよう。FOMAではNECとの提携により、ラインアップを展開してきたパナソニック。P900iもN900iと基本的なプラットフォームが共通化されているが、ワンプッシュオープン、DIGAで録画した動画をminiSDメモリーカードに保存して再生するモバイルビデオ、画質を重視したオートフォーカス機構付きカメラなど、パナソニックらしい工夫も随所に見せている。また、カスタムジャケットというコンセプトにより、ユーザーの「自分らしいケータイにしたい」という声に応えようとしているのも注目すべき点だ。

 これらの点を総合すると、P900iを「買い」と言えるのは、やはり、カスタムジャケットでいろいろなデザインを楽しみたいユーザー、Myケータイを主張したいユーザーということになるだろう。もちろん、使い勝手の面も評価できるところはあるが、カスタムジャケットを楽しんでこそのP900iだ。筆者が数店のショップに聞いたところ、P900iを購入したユーザーの多くが追加のカスタムジャケットを購入しているという。このことからもカスタムジャケットがユーザーにいかに評価されているかがよくわかる。前述のように、カスタムジャケットにもいろいろなバリエーションが増えてきているので、週替わり、あるいはオンタイムとオフタイムなど、いろいろなシチュエーションに応じて、交換してみるのも楽しいだろう。欲を言えば、壁紙だけでなく、メニューアイコンなども変更できるようにして、ユーザーからの見た目も気分が一新できるような環境も用意して欲しいところだが、これは次期モデルへの宿題としておきたい。

 また、もうひとつの宿題として、ユーザーインターフェイスをPシリーズらしく、もう少しわかりやすいものにして欲しいということも付け加えておきたい。カスタムジャケットの魅力で隠されてしまったが、Pシリーズは機能や使いやすさでも評価を受けてきたシリーズだ。共通プラットフォームという制約があることは理解できるが、その上でできる工夫はまだまだあるはずだ。次期モデルでは外見だけでなく、使い勝手も楽しい端末の登場を期待したい。



URL
  P900i ニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/04/whatnew0226.html
  P900i ニュースリリース(パナソニック モバイルコミュニケーションズ)
  http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040226-1/jn040226
  P900i 製品情報(NTTドコモ)
  http://900i.nttdocomo.co.jp/p900i/catalog.html
  P900i 製品情報(パナソニック モバイルコミュニケーションズ)
  http://panasonic.jp/mobile/p900i/index.html
  P900i 製品情報(パナソニック モバイルコミュニケーションズ)
  http://panasonic.jp/mobile/p900i/index.html

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(法林岳之)
2004/06/29 12:27

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