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アークラインで美しさを追求した「FOMA N900i」
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■ FOMA 900iシリーズ第2弾
今年の春以降、順次、発売されているNTTドコモのFOMA 900iシリーズ。その第2弾として登場したのがNEC製端末「FOMA N900i」だ。アークラインと呼ばれる独特のボディデザインにより、洗練された美しさを目指した端末として開発されている。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。
■ ケータイを選ぶ視点
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NTTドコモ/NEC『N900i』。サイズ:48×102×26mm(折りたたみ時)、115g。オレンジ(写真)、シルバー、ブラックをラインアップ
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昨年、auが発売した「INFOBAR」に続き、今年はNTTドコモが超小型端末「premini」、ボーダフォンが和とモダンの融合をコンセプトにした「KOTO -V303T-」と、各社ともデザインにコストを掛けた「デザイナーズケータイ」とも呼ぶべき端末を相次いで発表している。
ユーザーにとって、ケータイを選ぶポイントはさまざまだ。ある人は機能であったり、ある人はユーザーインターフェイスであったり、またある人はカメラなどのスペックを重視して選んでいるようだ。しかし、その一方で、ケータイのデザインにこだわる人が多いのも事実で、そのデザイン性を強く打ち出したのが前述のデザイナーズケータイであり、そのデザインに惹かれて端末を購入するユーザーも多い。
では、こうしたデザイナーズケータイ以外は、デザイン性がまったくないかというと、そういうわけでもない。デザインは人によって受ける印象が異なるが、なかにはきちんとデザイン性にこだわって作られているケータイも数多く存在する。
今回紹介するNTTドコモのNEC製端末「FOMA N900i」もボディデザインにこだわった端末のひとつと言えるだろう。『アークライン』と呼ばれる側面のボディラインにこだわり、美しい端末として仕上げられているのが特長だ。NECと言えば、PDC端末においてはiモードの登場以降、常に高い支持を得てきたが、FOMAにおいても「FOMA N2001」で先陣を切り、協業をしているパナソニックとともに、FOMA端末をリードし続けている。昨年、NTTドコモがFOMAのパケット通信料の安さをアピールし始めたとき、当時のFOMA端末で最も薄い端末として、FOMA N2102Vが女性ユーザーを中心に支持されたのも記憶に新しいところだ。実機を見ながら、FOMA N900iの出来をチェックしてみよう。
■ 美しさを追求したアークライン
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アークラインと呼ばれるボディサイドのライン。今までの折りたたみデザインにはない美しさがある
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製品のスペックや細かい仕様については、NTTドコモやNECの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただくとして、ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。
ボディは折りたたみデザインを採用しているが、端末を開いたときの側面の状態が緩やかなカーブを描く「アークライン」が特長となっている。このアークラインは端末を開いたときのデザインの美しさを追求したもので、端末を顔に近づけ、通話するときなどにも美しく見えることを意識したという。ボディの塗装もこれに合わせ、ツートーンカラーで構成され、左側面の外部出力端子や右側面のminiSDカードスロットのカバーも2色で仕上げるという凝りようだ。折りたたみデザインの端末というと、二つの板状のものを重ねたような印象で、端末を開いたときのデザインはあまり配慮されることが多くなかったが、その意味からもアークラインはユニークな着眼点と言えそうだ。ただ、アークラインを追求した半面、閉じたときのデザインがかなり分厚くなったような印象も受ける。実際には、昨年発売されたN2102Vと比べ、厚さが1mm増、最薄部の厚さは1mm減という違いなのだが、見た目にはそれ以上の差があるように感じられる。N2102Vの薄さを支持する声が多かったことを考慮すると、少し気になる点だ。
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サブディスプレイを小さくし、カメラとともに背面のデザインをまとめている
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miniSDカードスロットのカバーまで2色仕上げをするという凝りよう。反対側(左側面)の外部接続端子カバーも同様の仕上げ
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本体左側面にはサイドキーや外部出力端子、右側面にはイヤホンマイク端子とminiSDカードスロット、背面には100万画素CCDカメラ(記録画素数200万画素)、先端部には赤外線通信ポートを備える。ちなみに、カメラのCCDは富士写真フイルム製のスーパーCCDハニカムを採用している。カタログなどでは「記録画素数200万画素CCD」と記述されているが、デジタルカメラでもハニカムCCDは有効画素数を記述することになっている。ケータイとデジタルカメラは製品ジャンルが異なるが、ユーザーの混乱を避けるためにもデジタルカメラの記述に準拠し、記録画素数は補完的に記述すべきだろう。
ディスプレイはメイン側が240×320ドット/65,536色表示が可能な2.2インチTFTカラー液晶、背面側が4,096色表示が可能なSTNカラー液晶を採用している。背面ディスプレイは本体を開いたときに電波状態や時刻を確認できるほか、カメラを起動して端末を閉じたとき、サイズは小さいがファインダーとしても利用可能だ。背面のデザイン処理を優先したため、このサイズになったようだが、N900iの背面ディスプレイがモノクロ液晶であると勘違いする人も多い上、最近の端末では背面ディスプレイも大きなものが好まれるため、必ずしもメリットだけとは言えないようだ。
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メインディスプレイはQVGA表示が可能な2.2インチTFTカラーを採用。他のFOMAが2.4インチのため、やや小さく感じる
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背面デザインのため、ひと昔前のサブディスプレイ並みに小さくなった背面ディスプレイ。カメラ起動時に閉じれば、ファインダーとしても利用可能
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ボタン類は中央上に方向キーとニューロポインターを組み合わせた[マルチファンクション]ボタン、左右上には場面によって機能が変わる[ファンクション]ボタン、左下にタスクメニューなどを表示する[マルチ]ボタン、右下に[メニュー]ボタン、テンキー部の左下にはテレビ電話発着信時に利用する[テレビ電話]ボタンが装備されている。
ニューロポインターはFOMAのNシリーズで毎回、採用されているポインティングデバイスで、中央のスティック部を360度方向に動かせるほか、押下することで決定ボタンとしても動作するユニークなものだ。パソコンのマウスのように操作できることがメリットのひとつだが、従来モデルではボタン押下時にポインターが動いてしまって押下できないなど、今ひとつ使いづらい面があった。はじめてニューロポインターが搭載されたN2051からN2701、N2102Vとモデルが進むごとに、少しずつ改良されてきていたが、今回のN900iでも少し慣れが必要だ。もし、どうしても慣れないのであれば、機能設定でニューロポインターをOFFにすればいいだろう。本来、こうした機能は場面というか、画面に応じて、ON/OFFできれば、いいのだが……。
また、ボタン類で気になるのがボタンそのものの大きさだ。従来のN2102Vもボタンがやや小さかったが、今回のN900iはボタンが楕円形になり、サイズもさらに小さくなった印象だ。PDC端末のNシリーズではメールでの文字入力を考慮し、ボタンサイズにこだわっていたようだが、残念ながら、N900iではそれが活かされていない印象だ。
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ボタン類のレイアウトは基本的にN2102Vなどと同じだが、テンキー部分はキートップが小さいため、指の大きな人にはやや操作しづらい
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FOMAのNシリーズでおなじみのニューロポインター。N2102Vのモノに比べ、中央部分の材質や大きさが変更され、操作性も改善されている
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■ 充実したメール機能
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MAIN MENUの画面は基本的に従来のFOMAのNシリーズ及びPシリーズを踏襲。上段にガイダンスが表示される
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冒頭でも触れたように、NECは第3世代携帯電話の開発において、パナソニックと提携しており、FOMAについては今のところ、両社製端末とも基本的に同じプラットフォームで動いている。そのため、ユーザーインターフェイスは非常に似通っており、昨年来、販売されているN2051、P2102V、N2102Vもほぼ同じ操作環境となっている。今回のFOMA 900iシリーズでもこの仕様が継承されており、N900iとP900iはほぼ同じユーザーインターフェイスを採用している。
まず、[Menu]ボタンを押すと「MAIN MENU」表示され、もう一度、押すと、ユーザーの好みに応じてカスタマイズできる「オリジナルメニュー」が表示される。MAIN MENUは9分割のアイコン表示で、最上段に選択しているアイコンで利用できる機能のガイダンスが表示される。505i/iSシリーズのようなアイコンのカスタマイズには対応していない。ガイダンスは表示をOFFにすることができるが、MAIN MENUの画面そのものがガイダンス表示がONの状態で作り込まれているため、事実上、ONで利用するのが適切だろう。
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メールはフォルダ管理に対応。Nシリーズでおなじみの「ゴミ箱」も用意。優先的に消したいメールはゴミ箱フォルダへ
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アドレス及び題名による振り分けに加え、返信不可メール(迷惑メールに多い)による振り分けも可能
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メールはフォルダによる管理に対応しており、メールアドレスや題名での自動振り分けが可能で、返信不可のメールを振り分ける機能も持つ。もちろん、最近のNシリーズ端末ではおなじみの「ゴミ箱」フォルダも用意されている。メールが保存されるフォルダは端末暗証番号によるセキュリティ設定が可能だが、F900iのように存在を隠すことはできない。意外に細かく設定できるのがメールの表示方法で、メール一覧画面を1行表示と2行表示から選ぶことができ、本文表示も受信日時から表示する通常表示のほかに、メール本文から表示させる設定もできるようにしている。メール作成では宛先の参照入力で、電話帳だけでなく、メールの送受信履歴やあらかじめ複数のメールアドレスをまとめて登録しておく「メールメンバー」から選択することができる。また、返信メール作成時に「参照返信」を選んだり、[機能]メニューから「スケジュール参照登録」を選ぶと、QVGAサイズの画面を上下に分割し、ツインウィンドウ表示で返信メールを作成したり、スケジュール登録をすることも可能だ。
日本語入力はN505iSなどで採用されている「T9入力」と「ワード予測」が採用されており、画面下半分に表示された予測候補はニューロポインターを操作して選択する。ニューロポインターをOFFにしている場合は、マルチファンクションボタンの下方向を長押しすると、候補を選択できる。通常、メールなどでの文字入力はキーをテンポ良く押しながら、操作するものだが、ニューロポインターの操作や下方向の長押しなど、少し流れの異なる操作体系が組み込まれているのは違和感が残る。
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メール周りの機能は一覧表示や本文表示の状態など、非常に細かく設定できる
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同様の違和感はマルチタップ式で文字入力中に押しすぎてしまったときにもある。たとえば、「え」と入力したいとき、正しくは[1]ボタンを4回押すが、5回押して「お」が表示されてしまったとき、最近の端末では[#]ボタンや[開始]ボタン、[メール]ボタンなどを操作して、「え」に戻すことができる。これに対し、N900iでは指を左側面に移動し、[ホーム]ボタンを押さなければ、「え」に戻すことができない。
また、ニューロポインターをOFFにしたときの候補選択は、前述の通り、マルチファンクションボタンの下方向を押さなければならないのだが、画面上にはニューロポインターの操作を促す「候補選択」が表示されたままだ。このあたりの不親切さや違和感は、改善を望みたい。
デコメールに関しては、メール作成の本文入力画面で[機能]メニューから各デコレーションを呼び出す仕様になっている。パレット式を採用しているF900iやSH900iに比べ、「テロップ」や「スウィング」といった効果がどのようなものなのかは、実際に効果を付けてみないとわからない。また、取扱説明書では文字を入力しながら、デコレーションができると説明されているが、実際にはある程度、文字を入力し、その後で[デコレーション]メニュー内で[デコレーション変更]を選び、範囲や位置を指定して、効果を加えた方がやりやすいようだ。ただ、いずれにせよ、F900iやSH900iなどに比べ、デコレーションの付け方がわかりにくい印象は否めない。ちなみに、近日発売される予定のN900iSではデコメールのテンプレートが用意されているが、N900i向けにもNECの公式サイト「みんなNらんど」からダウンロードできるようにするそうだ。
iアプリについては505iシリーズよりも大容量になり、名作RPGの「ドラゴンクエスト1」もプリインストールされている。NECによれば、当初からFOMA 900iシリーズの大容量iアプリにプリインストールするなら、ドラゴンクエストしかなかったとのことだが、N900iのセールスポイントのひとつであるニューロポインターには対応していない。ちなみに、「みんなNらんど」ではニューロポインターを活かしたiアプリなども公開されているので、ユーザーは一度、チェックしてみるといいだろう。
■ スーパーCCDハニカムによるカメラを搭載
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キャラ電のアクションはテレビ電話中に[*]ボタンで確認が可能。この一覧から選択してアクションをさせることもできる
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次に、FOMAのもうひとつの売りであるテレビ電話だが、テンキー部下にある[テレビ電話開始]ボタンで発着信をする。テレビ電話で掛かってきたとき、キャラ電などの代替画像で応答したい場合は通常の[開始]ボタンを押し、インカメラで応答したい場合は[テレビ電話]ボタンを押す。テレビ電話中の操作としては、マルチファンクションボタン左上のソフトキーでハンズフリー(スピーカーホン)の切り替え、[決定]ボタンでインカメラとアウトカメラの切り替え、[クリア]ボタンで保留ができる。ただ、画像品質設定、明るさ、ホワイトバランス、液晶ディスプレイのバックライトなどの設定は、[機能]メニューから設定しなければならない。
キャラ電については、おなじみの「ブンブン(Dimo)」に加え、デビルロボッツがデザインした「チカ(Chica)」と「ニノ(Nino)」がプリインストールされている。テレビ電話通話中に[テレビ電話開始]ボタンを押すことで、いつでもキャラ電に切り替えることが可能だ。キャラ電ではキャラクターにアクションをさせることができるが、[*]ボタンでそのときに利用できるアクションの一覧を見ることができる。ただ、全体アクションとパーツアクションの切り替えをするのに、[機能]メニューから[キャラ電設定]-[アクション切替]を選択しなければならず、今ひとつ使い勝手が悪い。ちなみに、インカメラは11万画素だが、テレビ電話をする分には不満を感じないレベルと言えそうだ。
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外側のカメラは富士写真フイルム製スーパーCCDハニカムを採用。レンズ切替スイッチで接写にも対応
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カメラは冒頭でも触れた通り、富士写真フイルム製スーパーCCDハニカムを外側に装備している。接写にも対応しており、レンズ部のレンズ切替スイッチで切り替える。ただし、画面(ファインダー)には接写モードか、通常モードなのかは表示されない。接写モードは通常の接写に利用できるほか、QRコードやJANコードが読み取れる「バーコードリーダー」、半角英数字の読み取りに対応した「アクセスリーダー」も利用できる。QRコードの読み取りについては、筆者の「携帯電話向けホームページのご案内(iモード向け)」を参照いただきたい。
カメラ機能は待受画面で[決定]ボタンを押し、デスクトップに貼られている[カメラ]アイコンから起動するか、[Menu]ボタンを押して表示されるMAIN MENU画面から[アクセサリ]-[カメラ]の順に選択して起動する。[カメラ]メニューを表示すると、「ムービーモード」や「フォトモード」、「チャンスキャプチャ」、「メガピクセルフォト」などの項目が表示される。
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[カメラ]メニューはモード別に起動する仕様。モードを切り替えるときは、最初からやり直すか、一度、この画面に戻る必要がある
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1616×1212ドットサイズでのサンプル画像。リンク先は無加工。(モデル:寺崎佑紀/サンタ・クローチェ所属)
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撮影時の設定は[機能]メニューから切り替える。1616×1212ドットの最大サイズでも約4倍のズームが利用できる
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撮影できる静止画サイズはメガピクセルフォトが「1616×1212」と「1280×960」、フォトモードが「640×480」、「352×288」、240×269ドットの「待受」、176×144ドットの「メール大」、128×96ドットの「メール小」となっている。フォトモードの内、640×480以外は最大20枚の連写撮影が可能で、撮影間隔も「0.5秒」「1.0秒」「2.0秒」のオート、さらにマニュアルでの連写も設定できる。
一方、動画は画像サイズが176×144ドットの「サイズ大」と128×96ドットの「サイズ小」の2種類、ファイルサイズが「動画容量設定」で1つのファイルで95KBまで保存できる「メール」と800KBまで保存できる「動画メモ」の2種類から選択できる。動画の撮影モードを「長時間ムービー」にすれば、miniSDカードの容量の許す限り、撮影することも可能だ。
また、動画撮影では撮影時間の制限に引っかかってしまい、決定的な瞬間を逃すことが多いが、N900iでは「チャンスキャプチャ」という便利なモードが用意されている。チャンスキャプチャは動画を撮影中の状態にしておき、撮影終了を押した時点から一定時間までさかのぼってファイルに保存できる機能だ。たとえば、結婚式などでムービーを撮るとき、ケーキカットの準備ができたら、チャンスキャプチャモードでムービーの撮影を開始し、ケーキにナイフが入って、笑顔を作った瞬間で撮影を終了すれば、ケーキカットの瞬間と撮り逃さなくて済むというわけだ。ちなみに、撮影時間は出荷時設定が約15秒になっているが、前述の「動画容量設定」を「動画メモ」にすれば、約2分近く撮ることができるので、前振りが長いケーキカットでも対応できるかもしれない(笑)。
撮影時の機能としては、最大16段階4倍の「ズーム」、5段階の「明るさ調節」、オート/晴天/曇天/電球が選べる「ホワイトバランス設定」、風景/ポートレート/接写/スポーツモード/ナイトモードが選べる「撮影モード設定」、「色調切替」、1~15秒で設定できる「セルフタイマー」、メールでの送付先での転送を制限する「ファイル制限」などが用意されている。撮影画像の保存については、プレビュー後の手動保存と自動保存に対応し、保存先も本体メモリーとminiSDカードから選べる。
また、自分撮りやツーショット撮影については、インカメラで撮影できるほか、カメラを起動し、端末を閉じると、背面ディスプレイがファインダーになるため、そこを見ながら撮影ができる。ただし、端末のデザイン性を重視し、サブディスプレイが小さくなってしまったため、今ひとつわかりにくい印象だ。ちなみに、端末を開いた状態で背面ディスプレイをファインダーとして利用することができないようだ。
画像編集については「明るさ」の調整や「フレーム合成」、「文字スタンプ」、「マーカースタンプ」などの機能が用意されている。「トリミング」(切り抜き)や「回転」の機能も用意されており、最大サイズの1616×1212ドットで撮影した画像を回転させたり、640×480ドットに切り抜くといったこともできる。ただし、この場合のトリミングは切り抜きの枠が固定サイズになる上、サイズも352×288ドット以下になってしまう。最大サイズで撮影した画像を編集したいときは、いったん[機能]メニューから[メール用サイズ変更]の[メールサイズ(大)]で640×480ドットに変換し、それからトリミングをした方が便利だろう。また、端末を触っているだけでは[メール用サイズ変更]が何のための機能なのか、なぜ[メールサイズ(大)]と[メールサイズ(小)]の2種類があるのかがわかりにくいが、[メールサイズ(大)]は画像サイズが640×480ドット、ファイルサイズが100KB以下に変換されるため、パソコンやauのCDMA2000 1X端末、VGS端末宛などに送るのに適しており、[メールサイズ(小)]は画像サイズが176×144ドット、ファイルサイズが9,000バイト以下に変換されるため、PDC方式のiモード端末やボーダフォン端末への画像を送信するのに適している(ボーダフォンは一部例外あり)。このことを覚えておけば、N900iから画像付きメールも送りやすくなるだろう。
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画像をメール用に加工したいときは、「メール用サイズ変更」を利用。[メールサイズ(大)]と[メールサイズ(小)]は相手によって使い分ける
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撮影した画像はサムネイル、リスト形式で閲覧が可能。サムネイル形式のときはカーソル上の画像の撮影日時がバルーンで表示される
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miniSDカードスロットを外付けドライブとして認識させるときは、[USBモード設定]を[miniSDモード]に切り替える。出荷時は[通信モード]に設定されている
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撮影した画像はサムネイル、リスト形式で閲覧することができ、サムネイル形式ではバルーン形式で撮影日時が表示される。ただ、本体メモリ、miniSDカードともに、撮影画像が増えてくると、表示までの時間が掛かる。特に、画像編集などをしていると、くり返し画像を読み込むため、ストレスを感じる。もう少し高速に表示できるようにならないだろうか。
ところで、N900iには撮影した画像を保存するため、miniSDカードスロットが備えられているが、Windows XPが動作するパソコンに接続すれば、外付けドライブとして認識させることができる。これは実際にminiSDカードを脱着する外付けドライブとして利用するという意味ではなく、外付けドライブとして認識させれば、Windowsが動作するパソコンから簡単にminiSDカードにアクセスできるということだ。つまり、撮影した画像の読み出しやパソコンからminiSDカードへの書き込みが簡単にできるワケだ。利用にはN900i上で「USBモード設定」を「miniSDモード」に切り替え、N900iとパソコンを別売の「FOMA USB接続ケーブル」で接続する必要があるが、なかなか便利な機能と言えそうだ。
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Windows XPでは「リムーバブルディスク」として認識されるため、miniSDカードにすぐアクセスができる
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Windowsのシステムのプロパティでも「ディスクドライブ」として認識されている
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■ Nシリーズオリジナルの機能が欲しいなら「買い」
最後に、N900iの「買い」について考えてみよう。パナソニックとともに、NTTドコモのFOMAのラインアップをリードしてきたNEC。初代モデルのN2001からN2051、N2102Vと着実に進化を続け、N900iでは機能的にもN505iに匹敵するレベルまで引き上げてきた。ボディデザインもNECらしいこだわりを見せ、端末を開いたときのアークラインの美しさを追求している。端末を開いて顔に当てたときのラインは、女性にかなり支持されそうな仕上りと言えるだろう。機能的にもチャンスキャプチャやminiSDカードスロットの外付けドライブ化など、他の製品では見られないユニークな機能が搭載されている。
ただ、その一方で、これだけ端末が高機能化してきたにも関わらず、全般的に画面表示などがやや不親切な印象は否めず、他のFOMA端末に比べると、ディスプレイに表示される内容がビジュアル性に欠け、メニューなどに表示される単語もカタいものが多い。はじめてのユーザーは、少しわかりにくく感じてしまうかもしれない。画像処理周りの動作も不満が残るところだ。
これらのことを総合すると、N900iを買いと言えるのは、N900iシリーズ独自のセールスポイントである充実したメール機能やチャンスキャプチャ、miniSDカードの外付けドライブ化など、オリジナル機能に期待するユーザー、あるいはアークラインの美しいデザインを評価できるユーザーということになるだろう。ユーザーインターフェイスについては好みが分かれるところだが、P900iがほぼ同様のユーザーインターフェイスを採用しているので、ボディデザインや機能面を含め、トータルで比較してみればいいだろう。
ただ、ユーザーインターフェイスについては、そろそろ見直してもいいのではないだろうか。FOMAのNシリーズ(Pシリーズも同じだが)も代を重ね、安定した環境ができつつある。PDC端末から基本的な仕様を受け継ぐことはユーザーとしても歓迎できるが、FOMAという新しいステージだからこそできるユーザーインターフェイスもあるはずだ。ぜひ次期モデルでは、基本的な部分でのユーザービリティ向上を図って欲しい。
■ URL
ニュースリリース(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/03/whatnew1218.html
製品情報(NTTドコモ)
http://900i.nttdocomo.co.jp/n900i/catalog.html
ニュースリリース(NEC)
http://www.nec.co.jp/press/ja/0402/1903.html
製品情報(NEC)
http://www.n-keitai.com/n900i/opn.html
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・ N900i(オレンジ)
(法林岳之)
2004/06/16 12:01
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