俺のケータイ of the Year

isai

isai

太田 亮三編

「isai」

 傾きセンサーや近接センサー、タッチパネルなど、スマートフォンのさまざまな機能を駆使して、より便利に使える“小技”を搭載するのは、最近になって急速に発達してきたという印象だ。Android 4.0以降、プラットフォームとして安定してきたことに加えて、端末メーカーの開発力が追いつき、高度な作り込みをできる余裕が生まれた、というイメージだろうか。これは国内メーカーに限った話ではなく、グローバルで大規模に展開するサムスンやLGは、積極的にユーザーの動向をチェックし、端末の機能として組み入れている。これは便利、これはあまり使わない、などといったように個々の機能に対する印象はいろいろあるが、グローバルメーカーのほうが取捨選択が洗練されている場合もある。

 「LG G2」は、そうしたちょっとした便利な機能が満載で、なおかつ背面に電源とボリュームキーを搭載するという、スマートフォンのデザインの常識を覆すことにも挑戦したモデルだ。そんな「LG G2」のオイシイ部分を継承しながら、「iida」の取り組みを彷彿とさせる繊細なデザインをまとい、防水やmicroSDに対応という、ツボをおさえた日本仕様が加えられている「isai」を、2013年の俺のケータイ of the Yearに選んだ。正直なところ、背面に搭載する電源・ボリュームキーも「isai」なりのデザインで継承してほしかったところだが、結果としてスッキリとしたデザインに仕上げられているので、これが最適と納得もしている。

 日本メーカーの端末にも搭載されているが、画面が消灯した状態で画面を2回タップ(ノック)すると、画面のスリープを解除できる機能は非常に便利で、今後、この機能が無い端末には乗り換えられないだろう。もうひとつ気に入っているのはハイレゾ音源への対応で、こちらはmicroSDカードが使えることと相まって、手放せない機能になりつつある。ほかには、Dropboxなどのクラウドストレージにアクセスできる機能が端末に標準的に組み込まれており、標準搭載のファイル管理アプリやインテントでも簡単に利用できる点には驚いた。日本的なパッケージングの中に、グローバル端末のスケール感やセンスを感じる「isai」は、独特の刺激を与えてくれる端末なのだ。

太田 亮三