App Annie月間アプリランキング

2015年12月:アプリ今昔~稼ぐアプリ、日本と世界~

iPhone発売から約8年、世界で一番売れたアプリは?

 2015年9月、iPhone 6s/6s Plusが発売されてから、約4カ月が過ぎました。新色のローズゴールドなどはしばらく品薄が続いていたようですが、そろそろ落ち着いてきた頃でしょうか。毎回、新型iPhoneが発表されるたびに繰り返される熱狂、最近は中国などAndroid系が強かった国でも人気が高いようです。

 初代iPhoneが米国で発売されてから、約8年以上が経ちます。現在すでに世界に普及するスマートフォンは約20億台を超え、アプリ数は760万以上にのぼります。

 先般、App Annieはアプリ市場の予測レポートを出しましたが、アプリ市場規模は、2015年で411億ドル、2016年には509億ドル、そして2020年には1010億ドルを超える規模に成長すると予測しています。

 ところで、iPhone関連で、世界でこれまでに最も売れたアプリ、皆さんわかりますか? App Annieのデータによると、iOS(iPhone & iPad)歴代収益ランキングで、第1位は「Clash of Clans」(Supercell)、次いで「Candy Crash Saga」(King)、そして「Puzzle & Dragons」(GungHo Online)という結果でした。

 上記は、いずれもゲームアプリです。現在、アプリ市場は、収益規模で見るとゲーム分野が全体の市場規模の約80%を占めます。非ゲーム分野では、SNSやメッセンジャー、ストリーミング音楽系などのアプリが、世界の収益ランキングでトップに入っていますが、市場全体の収益面としては、これまでのところゲーム分野が市場を牽引しています。したがって、今のところゲーム分野でNo.1=アプリ市場でNo.1という状況です。

ちなみに、アプリの“ダウンロード”ランキングは、収益ランキングとまた少し顔ぶれが異なります。興味がある方は、こちらから詳細レポート(無料)もご覧ください。

では、“今”一番売れているアプリは?

 iOSで過去からの累計で最も稼いでいるアプリは「Clash of Clans」でしたが、では、今、世界で一番売れているアプリは何でしょう。

 せっかくなので、Google Playも合わせた全体の収益ランキングで見てみましょう。2015年12月度の世界収益ランキングでは、第1位は「Clash of Clans」、第2位は「Monster Strike」(mixi)、そして第3位は「Game of War」(Machine Zone)でした。また、iOSの歴代収益ランキングでTop 10に入っているアプリのうち、5本が現在も収益トップに位置しており、これらが根強い人気のあるアプリであることがうかがえます。なお、Google Playだけで見ると、「Monster Strike」は第1位に入っています。

 一方、ダウンロード数ランキングの方は、Top 10すべてがソーシャル系など非ゲームアプリであり、収益ランキングとはまったく顔ぶれが異なります。

 この、12月度の収益ランキングTop 10を眺めると、「Monster Strike」、「Puzzle & Dragons」のほか、「白猫プロジェクト」(COLOPL)、「ディズニー ツムツム」(LINE)と、日本発のアプリが4本ランクインしています。

 ところで、この収益ランキングで上位に入っている「Clash of Clans」、「Game of War」などの米国発アプリは、米国以外の他の国々でも収益ランキングでコンスタントに上位に入っています。つまり、それらの合計で世界ランキングでTop 10入りをしているわけです。一方で、前述の、日本発の4アプリは12月の収益ランキングを見ても、日本以外の国でTop 10にランクインしていません。つまり、収益のほとんどを日本で稼いでいる、ということがうかがえます。まったく収益構造が異なっている点が興味深いですね。

 日本のアプリパブリッシャーの多くは、日本での収益比率が非常に高い傾向があります。これは、日本のアプリ市場規模がそれだけ大きい(したがって、日本だけでも十分な収益をあげられる)、という背景がありますが、一方でグローバルでの競争面では課題がある、という見方もできます。実際、日本のパブリッシャーの方々とお話をする際にも、マネタイズがしやすい国は? 今後ポテンシャルがある国は? 日本とのプロモーション手法の違いは? など、海外展開に関するテーマは、必ずと言っていいほど話題に上るトピックです。

「Game of War」は、どの国で売れている?

 例えば、「Game of War」は、海外産アプリが苦戦しがちな日本市場でも、最近は堅調に収益ランキングで上位を維持しているタイトルのひとつです。

 1月31日時点のiPhone App Storeでのセールスランキングをピックアップすると、「Game of War」は、米国、イギリス、オーストラリア、ドイツ、カナダ、ロシア、オランダ、シンガポール、スペイン、などでTop 5に入っています。

 また、「Clash of Clans」や「Candy Crush Saga」など、iOS歴代収益ランキングでTop 10に入っていたタイトルも、依然として各国でTop 5以内を維持しています。

 こうして、各国のストアのランキングを比較するだけでも、どのアプリ・どのパブリッシャーが、どの国で強いのか、日本や中国のアプリ市場が、いかにローカル色が強いのか、など伺い知ることができます。

 ちなみに、およそ2年前(2013年12月31日)の、日本での各カテゴリーごとのアプリランキングはこんな感じでした(iPhoneGoogle Play)。皆さん、今でも使っているアプリは、どれくらいあるでしょうか?

 では、次回以降は、ゲーム分野、非ゲーム分野のアプリ市場について、2回に分けてもう少し詳しく触れたいと思います。

データ提供:App Annie Index(無料)