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LINE、関東財務局の立入検査は「定期的なもの」

 LINEは、毎日新聞が4月6日付の朝刊で「関東財務局が立ち入り検査」などと報じている件に関して、同社の見解を発表した。

 LINEは、関東財務局による立入検査は、法令の対象事業者に対して「数年に一度定期的になされているもの」とした上で、報道にあるような「資金決済法に必要な届け出をしなかったという疑いに起因するものではない」としている。これらの点については、専門的・技術的な問題があり、法令上・行政実務上の判断基準が明確でないとして、「関東財務局とは協議中」としている。

 同社は、ゲーム内アイテムの資金決済法での取り扱いは、法令上・行政実務上も判断基準が明確でなく、法務担当者を常駐させ、アイテムの外観や使用場面なども含めて、総合的に判断しているとする。判断が難しいものはさらに外部弁護士にも相談、事後チェックも実施した上で、資金決済法を保守的に解釈し、運営しているとする。

 報道の中で焦点となっているLINE POPの「宝箱の鍵」は、2015年5月のLINEの全タイトルを対象とした見直しで、社内から通貨にあたるのではないかとの指摘があったという。同社は上記のような過程で検討し、「宝箱の鍵」の外観や使用場面などを総合的に考慮して、前払式支払手段(事前に支払う、プリペイドカードやゲーム内の“通貨”に該当するもの)に該当しないと判断。その上で、法令の判断基準が明確でないことから、より保守的な対応として、2015年7月に用途を制限するなどの仕様変更を行ったとしている。

 これらのことから、「宝箱の鍵」が通貨にあたるという社内の指摘に対して、「仕様変更で規制を逃れるための恣意的な内部処理を行い、関東財務局に届け出なかったという事実は一切ない」と説明している。

 また、供託金が必要な前払式支払手段の当時の未使用残高が約230億円で、供託金が数十億円になる可能性があった、という報道内容に対しては、現金だけでなく銀行との保全契約で資産保全も可能とし、現在はこの方法を採用、「キャッシュアウトするとしても数千万円程度」で、「本件の当社の財務状況への影響は軽微」としている。

太田 亮三