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クアルコムとTDKがRFフロントエンドで合弁会社、「RF360」を強化へ
(2016/1/13 17:51)
米クアルコムとTDKは、高周波フロントエンド(RFフロントエンド、RFFE)モジュールやRFフィルタを提供する合弁会社「RF360 Holdings」の設立で合意した。約1年後となる2017年初めまでに契約締結手続きが完了する見込み。
合弁会社は「RF360 Holdings」で、クアルコムが2013年から開発しているフロントエンドソリューション「RF360」の提供を強化するものになる。シンガポールに設立され、出資比率は、いずれも子会社を通じてクアルコムが51%、TDKが49%になる。
両社の発表では、モバイル通信の市場において、4GとIoTの融合により、RFフロントエンドの分野では小型化、高集積化、高機能化などの進化が求められていると指摘。5Gではさらに復号化が進むとし、モジュールソリューションはこれらに必要不可欠な技術とする。
「RF360 Holdings」は世界のあらゆる地域のネットワークの、広範な周波数帯域に対応するさまざまなフィルタ、フィルタ開発技術を保有することとなり、TDKのフィルタ、クアルコムのフロントエンド部品を含めたRFフロントエンドの提供が可能になる。
RFフロントエンドモジュールは2020年までに約180億ドル(約2兆円)規模の市場に成長すると見込まれている。その主要なキーデバイスはフィルタになるとし、「RF360 Holdings」はRFフィルタにおいて業界トップ3の一角を担うとする。
クアルコムCEOのスティーブ・モレンコフ氏は発表の中で、合弁会社が提供するソリューションにより「OEMメーカーがより大規模に、かつスピーディーに市場へ製品を供給できる統合システムを提供する」と意気込みを述べている。TDK 代表取締役社長の上釜健宏氏は「理想的な形でお互いを相互補完できる」と合弁会社のメリットを示し、「TDKとしても重点分野でのポジションを強化できる」とコメントしている。
クアルコムとTDKはこのほか、受動部品、電池、非接触給電、センサー、MEMSなどを含めた広範囲な最先端技術で技術協力を行う。