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マウスコンピューター、「MADOSMA」の製品説明会を開催

スマホによる“One Windows”の完成を目指す

 マウスコンピューターは17日、新スマートフォン「MADOSMA」の発売を明日に控えて、都内で記者向けの製品説明会を開催した。

法人向けにはブラックモデルを提供、カスタムバックカバーの提供を予定

MADOSMA Q501

 明日18日発売の「MADOSMA Q501」は、Windows Phone 8.1 Updateを搭載した、5インチのスマートフォン(関連記事)。

 コンシューマー向けに一般販売されるボディカラーはホワイトの1色だが、法人向けとして、ボディカラーがブラックの製品が提供される。同社の説明員によると、両モデルの違いはバックカバーのみで、スペックやソフトウェア上は同一。法人向けモデルは一般流通こそしないが、購入自体は個人でも、1台から可能で、価格も一般モデルと同程度としている。

左が法人向けに提供されるブラックモデル

 また、参考展示として、本体の裏蓋を付け替えるタイプのカスタムバックパネルの試作品が展示されていた。こちらは、オレンジとライトブルーの提供を検討しているということで、発売時にはロゴが入った状態で提供される予定だ。

カスタムバックパネルの試作品

 さらに、同社のハイエンドPCブランドのキャラクター「G-Tuneちゃん」が印刷されたMADOSMA用のバックカバーも並んでいた。バックカバーにスクリーン印刷をほどこしたもので、この一枚しか存在しないという。こちらは提供未定。

「G-Tuneちゃん」のカスタムバックパネル試作品

スマートフォンは“One Windows”を実現する最後のセグメント

マウスコンピューター 代表取締役社長 小松永門氏

 「MADOSMAによって、人とPCをより近づけていく」――説明会で登壇したマウスコンピューター 代表取締役社長 小松永門氏は冒頭こう語った。

 マウスコンピューターはスモールサーバーやデスクトップPC、ノートPCを核としたWindows PC製品を展開している。また、大型スクリーンではテレビやデジタルサイネージ向けのスティックPCを提供している。一方で小型スクリーンでは7インチのWindowsタブレットや、10インチでLTEモジュール内蔵のタブレットを提供している。

 こうした幅広い画面サイズでWindows製品を提供する同社が、今回もっとも小型なスクリーンをもつセグメント、スマートフォン市場に進出する端緒となる製品が「MADOSMA」だ。

 同氏は日本マイクロソフトによる、日本のパソコン、タブレット、スマートフォン市場の売上予測を調査したデータを示し、拡大するスマートフォン市場の可能性を示した。同時に、現在パソコンやタブレットで7500万台のWindows機が稼働していることを説明し、今後はパソコンのエクスペリエンス(体験)の向上を目指すうえで「いかにネットワークに繋がった状態でいるか」が重要だとまとめた。

 その上で、Windows Phoneの利点を3点挙げ、解説した。1点目は、「最もパーソナルなスマートフォン」であること。Windows Phoneでは、常に更新されるスタート画面のライブタイルや、電話やSNSを統合したPeople ハブなどから、個人に最適化した体験を提供するとしている。一方で、2点目として、ビジネス用途にも最適だと説明した。Microsoft Officeの搭載や、Exchangeを標準サポートしていることから、ビジネスユーザーのニーズを満たし、さらに法人での使用を意識した高度なデバイス管理機能を実装している。

 3点目にもっとも重要な点として、Windows Phoneはマイクロソフトの掲げる“One Windows”のスローガンを実現する製品群の一部であることだとした。Windows Phoneは、パソコンやタブレットのWindows OSと共通したユーザーインターフェイス(UI)を持つ。Microsoft アカウントで一度サインインすればさまざまサービスを利用でき、Wi-Fiの設定情報やパスワードなどの情報をパソコンと同期できる。また今後スマートフォンとパソコンで共通のアプリが登場することにも触れ、パソコンのWindows OSとの親和性の高さを説明した。

 Windows PhoneをMADOSMAとして製品化する際に、日本マイクロソフトが支援を行っているという。「MADOSMA Q501」の発売に合わせて、日本マイクロソフト主催の発売記念キャンペーンが実施されることが明らかにされた。

 マウスでは今回、「MADOSMA Q501」を提供することにより、“One Windows”を実現するために残された最後のセグメント、セルラーフォンの分野で製品を提供することとなる。小松氏は、MADOSMAを提供することによって、日本でもWindows Phoneのマーケットを創出していき、さらにブラッシュアップさせていきたいと話す。

 「MADOSMA Q501」については、パソコンメーカーとしてのノウハウを活かし、手厚いサポートサービスを提供するという。その中で「安心パック」という追加補償サービスの提供予定を明らかにした。Windows 10 Mobileへ対応については、提供できるように開発を進めているとしている。

 同社では今後の展開として、Windows 10 Mobileを搭載した5~7インチのファブレットや、4~5インチのスマートフォンを企画している。

 小松氏は、BTOなどで小ロット生産を手掛けてきた同社の強みを活かして、ユーザーのフィードバックをすぐに反映させた製品を提供していきたいと話す。「MADOSMA」の販路については、現在の直販と量販店での販売から、流通各社やMVNOとのパートナー提携などの可能性を探っている。MVNOでの販売については、特定のMVNOでの専売モデルの提供なども検討しているという。

石井 徹